ヴィブロスがドバイターフを快勝! ドバイ国際競走の結果
写真/森鷹史
現地時間25日、アラブ首長国連邦・ドバイのメイダン競馬場で、ドバイ国際競走が開催された。
ドバイワールドC(G1、ダート2000m)は国内オッズでも圧倒的1番人気に推されたアロゲート(牡4、米・B.バファート)が差し切り、G1・4連勝を飾った。日本から挑戦した4頭はアウォーディー(牡7、栗・松永幹)が5着に入ったのが最高で、馬券圏内入りは果たせなかった。
アロゲートはスタートで両側から挟まれ、スタート直後はシンガリからの競馬に。前はロングリバーが馬群を引っ張り、ガンランナー、ネオリシックが続く形。アウォーディー、ゴールドドリームは中団馬群の中、アポロケンタッキーは中団やや後方の内目、ラニは五分のスタートを切ったが、行き脚がつかずポジションを下げて後方からとなった。
アロゲートは勝負所を迎えてマクリ気味に進出を開始。ガンランナーが先頭に替わり、ネオリシックが2番手で直線を向いたが、その時点でアロゲートは3番手まで押し上げており、直線に入ると悠々と前を交わすと、そのままゴールに飛び込んだ。
2着はガンランナー、3着はネオリシックで、ともに先行した馬が残る形。その流れの中で後方から差し切った、アロゲートの強さが際立つレースとなった。アウォーディー以外の日本馬は、ラニ(牡4、栗・松永幹)が8着、アポロケンタッキー(牡5、栗・山内)が9着、ゴールドドリーム(牡4、栗・平田)は14着。
【全着順】1着アロゲート(2.02.15)
2着ガンランナー(2.25)
3着ネオリシック(5)
4着ムブタヒージ(1.75)
5着アウォーディー(1.5)
6着ホッパーチュニティ(クビ)
7着キーンアイス(1)
8着ラニ(4)
9着アポロケンタッキー(5)
10着ムーヴアップ(2.75)
11着ロングリバー(8)
12着スペシャルファイター(15)
13着フリアクルサーダ(0.5)
14着ゴールドドリーム(13.5)
ドバイシーマクラシック(G1、芝2410m)は英国馬ジャックホブス(牡5、英・J.ゴスデン)が制し、日本から出走したサウンズオブアース(牡6、栗・藤岡健)は中団追走から直線で伸び切れず6着に敗れた。
序盤からハイランドリールがハナに立ち、ポストポンドはその外にピッタリとつけ、ジャックホブスはハイランドリールの直後から。サウンズオブアースは馬群の真ん中で外目から、セブンスヘブンは後方に控えた。
かなりゆっくりとしたペースでレースが進み、勝負所でハイランドリールが後退気味になると、内から差を詰めてきたジャックホブスとプライズマネーが並走して先頭へ。残り300mでジャックホブスが抜け出すと、内から伸びてきたセブンスヘブン、外に出したポストポンドの追撃を寄せ付けずゴールを切った。
藤岡健調教師のコメント「流れは悪くなかったですが、馬場の影響なのか、いつもの伸びがありませんでした。送り出すまでのコンディションは良かったのですけどね」
C.ルメール騎手のコメント「スタートはすごく良かったです。馬場が柔らかすぎました。このくらいの馬場では走ったことがないと思います。頑張ってくれましたが、最後は疲れてしまいました」
【全着順】1着ジャックホブス(2.32.39)
2着セブンスヘブン(2.25)
3着ポストポンド(1.75)
4着プライズマネー(0.5)
5着アーンショウ(2.25)
6着サウンズオブアース(3.75)
7着ハイランドリール(1.5)
ドバイターフ(G1、芝1800m)はJ.モレイラ騎手騎乗の日本馬ヴィブロス(牝4、栗・友道)が差し切り、G1・2勝目を飾った。
序盤で掛かり気味にリブチェスターが先頭に立ち、ザラック、ムタケイエフは好位から。ヴィブロスは中団の内ラチ沿いに控える形となった。
道中でベリースペシャルが先頭に立ち、そのまま直線を向いたが、そこでリブチェスターが先頭へ。残り200mでエシェムが先頭に立ったところで、直線半ばから外に持ち出したヴィブロスが強襲し、ゴール前で差し切った。2着はエシェム、3着はリブチェスターが入った。
昨年のリアルスティールに続き、日本馬&ディープインパクト産駒は連覇となった。
佐々木主浩氏(ヴィブロスの馬主)のコメント「本当にうれしく、興奮しました。去年G1を勝った後、秋は休ませてこのレースを目標にしました。野球より緊張しましたが、うれしいです」
友道調教師のコメント「ドバイに来てからすごく落ち着いていました。1回後ろに下がってヒヤッとしましたが、そこから伸びてくれました。雨がずっと降っていましたが、日本馬向きの硬めの馬場だったと思います」
J.モレイラ騎手のコメント「大変うれしく、興奮しています。向正面では風がとても強く、他の馬の後ろにつけることを心がけました。直線は内側から上がろうとしたら、馬が内ラチを嫌がったので、外に出しました。最後はすごくよく伸びてくれました」
【全着順】1着ヴィブロス(1.50.20)
2着エシェム(0.5)
3着リブチェスター(0.5)
4着ザラック(1.75)
5着ムタケイエフ(3)
6着デコレーテッドナイト(1.25)
7着ドーヴィル(クビ)
8着クーガーマウンテン(1.25)
9着デットコレクター(1.25)
10着ベリースペシャル(4.5)
11着モンディアリスト(4.25)
12着ロングアイランドサウンド(2)
13着オパールティアラ(18)
ドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200m)に出走したディオスコリダー(牡3、栗・高橋忠)は中団で進めたが、勝負所で置かれ気味になり、直線で後退して11着に敗れた。
勝ったのは米国馬で、J.ロザリオ騎手騎乗のマインドユアビスケッツ(牡4、米・C.サマーズ)。後方追走から直線で大外に持ち出し、並ぶ間もなく差し切った。
高橋忠調教師のコメント「スタートであおった感じでした。まだ3歳で、これから良くなってくると思いますし、馬も良い勉強になったと思います。落ち着いてきているので距離は延ばしても良いと思います」
S.フォーリー騎手のコメント「良いレースでした。スタートは良かったのですが、中団まで下がってしまいました。馬場の違いは気にしていませんでした。古馬相手によく頑張ってくれました。まだまだ良くなる馬です」
【全着順】1着マインドユアビスケッツ(1.10.91)
2着コミカス(3)
3着モラウィジ(短アタマ)
4着セントジョーベイ(0.5)
5着クールカウボーイ(1.75)
6着ストールウォーキンデュード(アタマ)
7着ノットリスニントゥーミー(0.75)
8着レイナルドザウィザード(1.25)
9着ダンドネル(0.75)
10着マイキャッチ(短アタマ)
11着ディオスコリダー(2.5)
12着ハイオンライフ(0.75)
13着ワイルドデュード(6)
14着ムアラブ(0.5)
UAEダービー(G2、ダート1900m)はエピカリス(牡3、美・萩原)とアディラート(牡3、栗・須貝)の2頭が出走。序盤から日本馬が馬群を引っ張る展開で、エピカリスが先頭、アディラートはその外で進める形となった。
勝負所でC.スミヨン騎手騎乗のサンダースノー(牡3、首・S.ビン・スルール)が外から進出してきたが、エピカリスも譲らず先頭をキープしたまま直線へ。エピカリスはゴール寸前まで先頭で粘っていたが、ゴール寸前でグイッと伸びたサンダースノーが差し切った。
エピカリスは惜しくも2着。アディラートは勝負所で後退して12着に敗れた。
萩原調教師(エピカリス)のコメント「非常に惜しかったです。勝てませんでしたが、満足しています。皆さんのおかげでここまで来られて感謝しています」
C.ルメール騎手(エピカリス)のコメント「とても良いレースでした。最後ちょっと足りなかっただけで、悲しいです。初めて経験する馬場でしたが、リラックスして走れていました。よく頑張ってくれましたが、勝った馬が強かったです」
須貝調教師(アディラート)のコメント「距離が長かったと思います。それが分かったのも収穫だと思います。ドバイのダートが初めてだったのも影響はあったと思います」
武豊騎手(アディラート)のコメント「良いスピードを見せてくれました。特殊な馬場でタフな競馬でしたが、ペースも良かったし、ナイストライだったと思います」
【全着順】1着サンダースノー(01:57.8)
2着エピカリス(短アタマ)
3着マスタープラン(1.25)
4着ランカスターボンバー(0.75)
5着フライアットドーン(2)
6着カタールマン(2.75)
7着フォーリー(5)
8着スピリットオブヴァラー(0.5)
9着ヒーランズアウェイ(4.25)
10着ベットーリキン(クビ)
11着トップスコア(クビ)
12着アディラート(2)
13着コスモチャーリー(16)
14着ノーモアリッチブロンズ(23)
15着ビージャージー(1.25)
16着ミッドナイトチカ(ハナ)
日本馬の先陣を切って、カフジテイク(牡5、栗・湯窪)がゴドルフィンマイル(G2、ダート1600m)に出走。まずまずのスタートから中団外目で進め、直線は大外から脚を伸ばしたが、前との差を詰め切れず5着となった。
勝ったのはP.ドッブス騎手騎乗のセカンドサマー(セ5、首・D.ワトソン)。好位で進め、直線で先に抜け出したシャープアステカに対して2着のロスと並走しながら追い込み、ゴール前で差し切った。
湯窪調教師のコメント「初めてのメイダン競馬場のダートが影響したのだと思います。この馬のレースはしてくれましたが、仕方ないかなと思います」
福永騎手のコメント「追走には苦しみましたが、前が止まらない展開の中、よく5着まで来てくれました。馬のコンディションは良かったですし、馬場も大丈夫でした。よく頑張ってくれました」
【全着順】1着セカンドサマー(1.35.62)
2着ロス(クビ)
3着シャープアズテカ(0.75)
4着フィッツジェラルド(4.25)
5着カフジテイク(1.5)
6着ファリアー(2.25)
7着エティジャー(6)
8着ヘヴィメタル(8.25)
9着ギフテッドマスター(1)
10着ノースアメリカ(2)
11着トリプルナイン(29)
12着ルバーナーディン(4.5)
中止ストーマーダル
※結果・払戻情報は主催者発表のものと必ずご照合ください。※コメントはJRA発表。※着差の単位は馬身です。