昨年は日本からG1馬4頭を含めた5頭が参戦し、そのうち、モーリスが3馬身差を付けて圧勝し、見事に引退レースで有終の美を飾った(その他の4頭は
ステファノスが③着、ラブリーデイが④着、クイーンズリングが⑨着、エイシンヒカリが⑩着)。
今年、日本馬は
ネオリアリズム、
ステファノス、
スマートレイアーの3頭が参戦している。
ネオリアリズムは今年の
クイーンエリザベス2世Cを制していて、
ステファノスは
15年クイーンエリザベス2世C②着、昨年の
香港C③着、
スマートレイアーは昨年の
香港ヴァーズで⑤着だった。いずれも香港遠征の経験があり、
ネオリアリズム、
ステファノスについては好走歴もある。
一方、地元・香港からは
ジョッキークラブC①②⑤着の
ワーザー、
タイムワープ、
シークレットウェポンの3頭が出走している。過去5年では、12~14年は香港馬、15~16年は日本馬が勝利しているが、今年はどうだろうか。
その他では、英国から
ポエッツワード、
ロビンオブナヴァン、
ブロンドミー、愛国から
A.オブライエン厩舎の
ドーヴィル、
ウォーディクリー、仏国から
ガルリンガリが参戦していて、12頭立てとなっている。
前記した通り、昨年優勝したのはモーリスだが、同年に芝G1で2勝を挙げる活躍を見せていた。過去5年では、
同年に芝G1で連対歴のある馬はいずれも馬券圏内入りしているから、今年も該当馬をチェックしておこう。
今年、同年に芝G1で連対歴があるのは
ネオリアリズム、
ワーザー、
ロビンオブナヴァン、
ステファノス、
ブロンドミー、
ポエッツワードとなる。
注目のステップは前哨戦に位置付けられている
ジョッキークラブCで、
ここで連対してきた馬は過去5年すべてで馬券圏内入りしているから、今年も①②着の
ワーザー、
タイムワープはマークしておきたい。
枠順は
内枠有利の傾向が見られ、
ゲート番号3番以内の馬は過去5年すべてで連対している。今年、ゲート番号3番以内に入ったのは
ネオリアリズム、
ドーヴィル、
ワーザーで、枠順で評価を上げてもいいだろう。
血統については、
父サンデー系か父デインヒル系の馬が過去5年すべてで連対していることが挙げられる。今年の該当馬は
ネオリアリズム、
ステファノス、
スマートレイアー、
シークレットウェポンで、この中から好走馬が出ても良さそうだ。
以上の4点を
香港Cの好走共通項として扱い、該当馬を整理すると次のようになる。
[1]同年に芝G1で連対あり(該当馬は過去5年すべてで馬券圏内)
[2]前走はジョッキークラブCで連対(該当馬は過去5年すべてで馬券圏内)
[3]ゲート番号3番以内(該当馬は過去5年すべてで連対)
[4]父サンデー系か父デインヒル系(該当馬は過去5年すべてで連対)
G |
馬番 |
馬名 |
[1] |
[2] |
[3] |
[4] |
1 |
2 |
ネオリアリズム |
○ |
|
○ |
○ |
2 |
1 |
ドーヴィル |
|
|
○ |
|
3 |
4 |
ワーザー |
○ |
○ |
○ |
|
4 |
7 |
ロビンオブナヴァン |
○ |
|
|
|
5 |
9 |
タイムワープ |
|
○ |
|
|
6 |
8 |
ガルリンガリ |
|
|
|
|
7 |
10 |
ウォーディクリー |
|
|
|
|
8 |
5 |
ステファノス |
○ |
|
|
○ |
9 |
12 |
スマートレイアー |
|
|
|
○ |
10 |
11 |
ブロンドミー |
○ |
|
|
|
11 |
6 |
シークレットウェポン |
|
|
|
○ |
12 |
3 |
ポエッツワード |
○ |
|
|
|
※表中Gはゲート番号。
[1]~[4]ですべてに「○」が付いた馬は不在で、3つに「○」が付いたのは
ネオリアリズム、
ワーザー、ふたつに「○」が付いたのは
ステファノスだった。
ネオリアリズム、
ステファノスは前走の
天皇賞・秋で
⑬着、
⑩着だったが、極悪馬場がこたえたものだろう。13年②着トウケイヘイローは
天皇賞・秋⑩着から、15年①着エイシンヒカリは
天皇賞・秋⑨着から変わり身を見せていたから、実績を残している香港遠征で
本来の走りができれば巻き返しも可能のはず。
ネオリアリズムは休み明け2戦目が芝2000mだと
④①①①着で、その勝利の中には今年の
クイーンエリザベス2世Cや昨年の
札幌記念も含まれている。鞍上は今年の
クイーンエリザベス2世Cを制した時と同じ
モレイラ騎手だし、最内枠から折り合ってスムーズに運べればチャンスがありそう。ちなみに、同一年の
クイーンエリザベス2世C・
香港カップ制覇となれば、99年ジムアンドトニック、05年ヴェンジェンスオブレイン、14年のデザインズオンロームに次ぐ史上4頭目となる。
ステファノスは馬券圏外の次走で
②①①①②②⑤③②②着とほとんど好走していて、シャティン芝2000mはひと桁のゲート番号だと
②③着と崩れていない。
ボウマン騎手は昨年の
クイーンエリザベス2世Cを
ワーザーで制していて、
香港Cでも14年③着クライテリオンなどに騎乗していたから、この鞍上でゲート番号8番からスムーズに運べれば好勝負も可能だろう。
ワーザーは前走の
ジョッキークラブCを他馬より2.5kg重い斤量58kgを背負って勝利していて、さすが
G1・3勝馬といったところ。今年の
クイーンエリザベス2世Cでは①着
ネオリアリズムからクビ+半馬身差の③着だったが、
ジョッキークラブCで連対していた馬は過去5年すべてで馬券圏内入りしているし、ここも上位争いに加わっても不思議なさそう。
一方、上表で「○」がひとつ付いたのは
ドーヴィル、
ロビンオブナヴァン、
タイムワープ、
スマートレイアー、
ブロンドミー、
シークレットウェポン、
ポエッツワードだった。
スマートレイアーは前走の
エリザベス女王杯で⑥着だったが、テン乗りの
川田騎手で0秒3差だったから着順ほど悪くない。今回は
[6.1.1.9]と実績豊富な
武豊騎手に手綱が戻るし、
京都大賞典で
ジャパンCを制したシュヴァルグランを下して勝利していたことを考えると、牡馬相手のG1でも通用する余地はありそう。香港遠征は一度経験済みというのも安心感がある。
タイムワープは近6走で
①①①③②②着と好調で、前走の
ジョッキークラブCは2番手追走から直線で
ワーザーとの叩き合いに持ち込んでクビ差②着と好走していた。今回はG1初挑戦で、相手強化となるので、先行してどこまで粘れるか。
シークレットウェポンは昨年の②着馬で
ステファノスに先着していたが、その後は
⑪③⑥⑬⑤着と連対圏内に届いていない。実績的には敬意を払いたい1頭だが、昨年はゲート番号3番だったのに対し、今年はゲート番号11番で外枠に入ったのも気になる材料で、どこまで差し込めるだろうか。
ポエッツワードと
ドーヴィルは
レーティング119で
ネオリアリズム、
ワーザーと並んでトップタイとなる。
ポエッツワードは近7走で
①②①②①②②着と連対を外しておらず、近2走は
愛チャンピオンS、
英チャンピオンSで連続②着だから価値が高い。今回は大外枠をどう乗り捌くかがポイントになりそうだが、流れに乗って追って渋太い面を活かせれば台頭のチャンスもありそう。
ドーヴィルは前走の
ウッドバインマイルで
⑪着と崩れたが、6走前の
ハクスレイSでは
ポエッツワードを下して勝利している。
ムーア騎手とのコンビでは
[1.2.3.1]とほとんど崩れていないし、
香港カップはスノーフェアリー(10年)とモーリス(16年)で2勝している鞍上だから、その手腕に期待しても良さそう。
ブロンドミーは3走前の
ナッソーSでウィンター(G1・4勝)の②着に好走し、2走前の
ヴェルメイユ賞は
不利があって⑪着だったが、前走の
E.P.テイラーSは差し切りを決めてG1初制覇を果たした。いまは充実している感じだが、ゲート番号10番で外枠をどう乗り捌くか。
ロビンオブナヴァンはゲート番号4番で内目の枠は良さそう。今年2戦目の
イスパーン賞で②着、次走の
ラクープで
ガルリンガリを下して勝利しているのが、その後は
⑧④⑤②着と勝ち切れていない。
印は、日本馬、香港馬が優勢と見て、コース実績があって内の好枠に入った
ネオリアリズムを「◎」、
ワーザーを「○」、外目の枠ながら今回の舞台でひと桁のゲート番号だと崩れていない
ステファノスを「▲」とした。
穴ぐさ💨的存在の「★」としては、内枠と鞍上・
ムーア騎手というのが魅力の
ドーヴィル、
ジョッキークラブCで
ワーザーとクビ差の接戦を演じた点を評価して
タイムワープ、上表で「○」は付かなかったが、16年以降、芝2000mで
①①④③②②②①①着と安定している
ガルリンガリを推す。
◎ネオリアリズム
○ワーザー
▲ステファノス
△スマートレイアー
△ポエッツワード
★ドーヴィル
★タイムワープ
★ガルリンガリ
※香港国際競走は馬番とゲート番号が異なります。馬券を買う際は『馬番』での購入となりますので、お間違いのないようにご注意ください。