独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

コパノリッキー、トーセンラー、ブラックタイドなどが登場! 日高町の種牡馬展示会レポート
取材・文・写真/村本浩平

2月14日に行われた、日高・ブリーダーズ・スタリオン・ステーションの種牡馬展示会。前回の原稿(新ひだか地区の種牡馬展示会)では、新ひだか町では1日に4つの種牡馬展示会が行われていたと書いたが、日高町でもブリーダーズ・スタリオン・ステーションの他に、テイエムオペラオーやダイタクヘリオスなどを繋養していた日高軽種馬農業協同組合の門別種馬場も、2010年まで種牡馬展示会が行われていた。

また、同じ日高町内のスタリオンであるダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスは、12日から20日までの期間、オープンハウスという形での種牡馬展示(決められた時間に厩舎から種牡馬を連れ出して、引き馬や立ち姿を見てもらう)を行っている。話を聞く限り、遠方から足を運んだ生産関係者は、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションの展示会の後に、ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスへも訪れていたようである。

この日の午前11時から始まったブリーダーズ・スタリオン・ステーションの種牡馬展示会であるが、あいにくの吹雪模様となり、写真を撮ろうにも、降り続く雪にピントがあってしまう程だった。そんな中、最初に姿を見せたのが、唯一の新種牡馬となるコパノリッキー。この日は現役時のオーナーである、Dr.コパこと小林祥晃氏、そして管理調教師だった村山明調教師も展示会に訪れてエールを送っていた。

現役時は史上最多となるG1/Jpn1・11勝。しかもラストランとなった7歳の東京大賞典も勝利で飾ったコパノリッキー。エスポワールシチーが昨年の地方フレッシュサイアーで首位に輝くなど、ゴールドアリュールの後継種牡馬に注目が集まる中、最高のタイミングでの種牡馬入りとなった。ゴールドアリュール産駒の中では、最も優れた競走能力だけでなく、7歳まで一線級の相手と競馬を続けたその丈夫さもまた、産地では高い評価を受けるに違いない。

▲コパノリッキー

今シーズン、社台スタリオンステーションから繋養地を移した、ヴィクトワールピサが展示された後は、今年、初年度産駒が2歳を迎える種牡馬、シビルウォートーセンジョーダントーセンラーベルシャザールが姿を見せる。この中で繋養初年度に最も多くの繁殖牝馬を集めた(163頭)がベルシャザール。ロードカナロア、ルーラーシップとキングカメハメハの後継種牡馬が重賞勝ち馬を送り出している中、G1を制したダートだけでなく、3歳時には日本ダービーで3着など芝でも優れた実績を残した万能さも、種牡馬としての人気に繋がったと言えそうだ。

▲トーセンラー

総勢19頭の種牡馬展示会のトリを飾ったのはブラックタイド。昨年はキタサンブラックの父として、常に話題を集めていたが、種付け頭数も9年連続で100頭越え、しかも種付け料がアップしたことで、更に質の高い繁殖牝馬が集まっている。弟のディープインパクトは自身のポテンシャルの高さだけでなく、名牝と言われる繁殖牝馬との相性の良さもあって優れた産駒を送り出しているが、ブラックタイドもまた、繁殖レベルの向上に加え、キタサンブラックのように血統、馬体と相性のいい配合が明確になってくることで、今後もG1級の産駒が次々と出てくるはず。現在は日高を代表する名種牡馬としての評価だが、いつしか日本を代表するトップサイアーとなるのかもしれない。

▲ブラックタイド

ブリーダーズ・スタリオン・ステーションの種牡馬展示会の後、ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックスのオープンハウスにも行ってみた。新種牡馬はアメリカンペイトリオット。先に種牡馬展示会を行ったJBBA静内種馬場で繋養されたザファクターと同じく、Danzig系の種牡馬War Frontの産駒となるが、ザファクターが短距離のダート、もしくはオールウェザーの馬場で活躍した一方で、アメリカンペイトリオットは芝のマイルから中距離を得意としていた。

共通しているのは600㎏に迫る大柄な馬体であるが、既に種牡馬として繋養されているザファクターに対し、アメリカンペイトリオットは昨年の秋に現役を引退したばかりということもあり、まだまだ競走馬らしさが残っていた。ダーレージャパンの関係者からは、「日本で芝の中長距離を走れる種牡馬」との声も聞かれていたが、そのニーズにはあっていそうである。その上、この好馬体は生産界に増えてきたディープインパクトやステイゴールド産駒のような「小柄な牝馬」にも配合的にマッチしそうであり、アウトクロスを作りやすい血統背景も含め、生産界のニーズは充分にありそうだ。

▲アメリカンペイトリオット