クイーンエリザベス2世CはパキスタンスターがG1初制覇! アルアイン5着、ダンビュライト7着
写真/森鷹史
4月29日(日)、香港・シャティン競馬場で同日にG1が3レース開催されるチャンピオンズデーが行われた。
クイーンエリザベス2世C(G1、芝2000m)はW.ビュイック騎手騎乗で昨年2着のパキスタンスター(セ5、香・A.クルーズ)が勝利。日本からはアルアイン(牡4、栗・池江)がC.デムーロ騎手、ダンビュライト(牡4、栗・音無)がT.ベリー騎手とのコンビで参戦したが、どちらも馬券には絡めなかった。
ダンビュライトはスタート直後は行く構えを見せたが、これを制してハナに立ったタイムワープに続いて2番手に控える。パキスタンスターはいつもより前で3番手から、アルアインはその外に付けた。
3コーナーででダンビュライトが早めにタイムワープに並びかけていき、アルアインはその外で前を射程圏に入れて直線へ。勝負所で内から差を詰めたパキスタンスターは前を行くダンビュライトとタイムワープの間を割って一気に先頭に立つと、後続を突き放して悠々とゴールを駆け抜けた。
2着はゴールドマウント、3着はイーグルウェイで、ともに差し馬が台頭する形。パキスタンスターはこれがG1・3度目の挑戦で、重賞初制覇がG1となった。
日本勢は直線で伸びを欠き、アルアインは5着、ダンビュライトは7着。タイムワープは直線で失速し、8着に敗れた。
池江泰寿調教師(アルアイン)のコメント「前残りの競馬が続いていたので、3・4番手に付けるというのは作戦通りでした。ジョッキーによると、4コーナーで競馬をやめるような仕草をしたとの事で、香港に来てから調教でも見せていましたが、気難しい面が出てしまったようです。調教内容を見直して根本的に直していきたいと思います。今日もダンビュライト陣営に色々気遣ってもらい無事にレースを終えられました。ダンビュライト陣営には感謝しています」
C.デムーロ騎手(アルアイン騎乗)のコメント「先行するというのは作戦通りで、そこまでは完璧でした。ただ、前に取り付くところで気難しい面を見せました。ブリンカーをつけた方がいいかもしれません」
小林慎一郎調教助手(ダンビュライト)のコメント「タイムワープが逃げるのを見ながらの競馬になるのは想定どおりでした。4コーナーまで持ったままで雰囲気良くこられたので期待しましたが、最後は失速してしまいました」
T.ベリー騎手(ダンビュライト騎乗)のコメント「道中は良い感じでした。残り800メートルでスピードに乗って行けましたが、最後はワンペースになってしまいました」
【全着順】1着パキスタンスター(2.00.21)
2着ゴールドマウント(3馬身)
3着イーグルウェイ(4馬身1/4)
4着ピンハイスター(5馬身1/4)
5着アルアイン(6馬身1/2)
6着ディノーゾ(8馬身1/4)
7着ダンビュライト(9馬身1/2)
8着タイムワープ(12馬身)
チェアマンズスプリントプライズ(G1、芝1200m)には、日本からファインニードル(牡5、栗・高橋忠)がT.ベリー騎手とのコンビで参戦。ファインニードルはまずまずのスタートから中団インで進め、直線でジリジリ脚を伸ばしたが、上位3頭からは少し離された4着となった。
勝ったのは地元香港のアイヴィクトリー(セ4、香・J.サイズ)。好スタートから一旦3番手に控え、直線で抜け出して昨年の香港スプリント勝ち馬ミスタースタニングの追撃を封じた。
アイヴィクトリーはG1初挑戦での快挙で、Z.パートン騎手はチャンピオンズマイルに続いての勝利となった。ミスタースタニングは昨年に続いての2着。3着はビートザクロックが入った。
高橋義忠調教師のコメント「ゲートボーイがいて多少気にした分、少し出遅れました。馬場は思ったよりソフトだと感じました。馬もレース前は海外でいつもと雰囲気が違うのは感じていたようです。前が止まらない流れの中でよく走っていますし、良いチャレンジだったと思います。秋にはまた強くなったこの馬をお見せできたらと思います」
T.ベリー騎手(ファインニードル騎乗)のコメント「馬のテンションが上がっていましたが、ポジションは思っていたところにつけられました。彼にとっては初めての海外でのメジャーレースでしたが、最後の150メートルは上位3頭よりも良い脚を使っていたと思います」
【全着順】1着アイヴィクトリー(1.08.63)
2着ミスタースタニング(1/2)
3着ビートザクロック(3/4)
4着ファインニードル(4馬身)
5着ラッキーバブルズ(5馬身1/2)
6着ペニアフォビア(7馬身1/2)
7着アメージングキッズ(8馬身)
8着ザウィザードオブオズ(9馬身1/4)
9着ブルーポイント(10馬身3/4)
なお、日本馬が参戦しなかったチャンピオンズマイル(G1、芝1600m)はZ.パートン騎手騎乗のビューティージェネレーション(セ5、香・J.ムーア)が序盤から押してハナに立ち、そのまま押し切った。
2着はウエスタンエクスプレスで、ここまでは昨年の香港マイルと同じ決着。3着はサザンレジェンドが入った。
※結果・払戻情報は主催者発表のものと必ずご照合ください。※着差は全て1着馬からのものになります。※コメントはJRA発表。