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新ひだか地区の3スタッドで種牡馬展示会が開催される

取材・文・写真/村本浩平


本年度は、6頭の輸入種牡馬を導入した日本生産界。そのうちの2頭(ブリックスアンドモルタルニューイヤーズデイ)は、先に種牡馬展示会が行われた社台スタリオンステーションでの繋養となったが、それ以外の4頭は日高地区のスタリオンで繋養されている。

2月10日から18日の日程で、「ダーレー・オープンハウス」という予約制での種牡馬展示を行ったダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスでは、芝、ダートを問わずG1・4勝をあげたサンダースノー。そして、エクリプスSドバイシーマクラシックの両G1を制するなど、芝の中長距離重賞で活躍したホークビルの2頭を繋養することになった。

そして12日、3つのスタリオンで立て続けに種牡馬展示会が開催された。新ひだか町のJBBA静内種馬場には、ケンタッキーダービードバイワールドカップの勝ち馬であるアニマルキングダム。アロースタッドには、北米年度代表馬に2度にわたって選出されたカリフォルニアクロームがスタッドインした。

しかしながら、カリフォルニアクロームは体調不良のため、この日の展示には姿を見せず、3月に改めて展示が行われる運びとなった。筆者は1月30日のアロースタッド到着時にも足を運んでいるが、好馬体は勿論のこと、血統のイメージよりも非常に柔軟な動きをしており、いかにも日本競馬向きとの印象を持った。詰めかけた生産関係者からも、

「産駒で日高からクラシックホースを送り出したい」

との言葉が聞かれていた。先に種牡馬入りしていたアメリカで誕生した初年度産駒は2歳を迎えており、日本に輸入された産駒の評判も上々だと聞く。幸いなことに回復は早そうであり、展示会の前後には種付けも行われる運びとなりそうだ。

▲カリフォルニアクローム(※到着時に撮影)

JBBA静内種馬場で繋養されることになったアニマルキングダムも、先にオーストラリアやアメリカでの種牡馬生活を送っているが、産駒の中からはオーストラリアのG1ホースも誕生。アメリカでも重賞馬が続々と送り出されているだけでなく、日本に輸入された産駒も勝ち鞍をあげている。

種牡馬らしい逞しさがありながらも可動域の広い動きをしており、この馬も日本競馬との相性の良さを感じさせる。自身は芝やダートの中距離で活躍したが、産駒はそれよりも短い条件での活躍が目立っており、本質的にはスピードが勝った種牡馬とも言えるだろう。勿論、この馬も現在の日本生産界ではアウトクロスを作りやすい血統背景でもあり、日本での繋養初年度から多くの繁殖牝馬を集めることは間違いなさそうだ。

▲アニマルキングダム

カリフォルニアクロームの展示こそなかったアロースタッドであるが、同じく新種牡馬のロジャーバローズが、生産関係者からの熱い視線を集めていた。一方、種牡馬となっていた姿を温かい目で見つめていたのが、現役時のオーナーだった猪熊広次オーナー、そして管理を行ってきた角居勝彦調教師である。猪熊氏は、

「馬主になってからの目標が日本ダービー制覇でした。日高にも頻繁に来ていますし、いい馬が産まれた際には牧場にうかがいたいと思います」

と生産者に思いを伝えていた。また角居調教師は、秋になればまだ凄いパフォーマンスを残せたはずと話した後で、

「後に種牡馬となった多くの馬を任せてもらえた馬の中でも、好馬体や素晴らしい血統も含め、まさに種牡馬になるべくしてなった馬だと思います」

と最大級の賛辞を送った。ダービーをレコードで制した競走能力の高さも疑いようがなく、また、その若さからしても、今後は数多くの産駒を残していけるはず。種牡馬となったキズナの活躍もあって、激しさを増してきたディープインパクトの後継種牡馬争いだが、そこに割って入っていくどころか、この馬もカリフォルニアクロームのように、日高にクラシックホースを誕生させるような存在になっていきそうだ。

▲ロジャーバローズ

この日はレックススタッドでも種牡馬展示会が行われた。新種牡馬はアポロケンタッキーエピカリスサクラアンプルールミッキーグローリーユアーズトゥルーリの5頭。アポロケンタッキーはG1東京大賞典を優勝するなど、ダートグレード競走で活躍。エピカリスもまた、圧勝で初重賞制覇を果たした北海道2歳優駿や、ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスで種牡馬入りしたサンダースノーと僅差の勝負を繰り広げたUAEダービーなど、砂の上でワールドクラスの能力を発揮した。

▲アポロケンタッキー

デビュー前からその血統背景や動きの良さで注目を集めていたユアーズトゥルーリ。ロードカナロア産駒では初の種牡馬入りという話題性も持ち合わせている。サクラアンプルールはその冠名の通りに、「サクラ」の名血を血統内に有しているキングカメハメハ産駒。そして、ディープインパクトの後継種牡馬であるミッキーグローリーは、G1でも人気を集めたほどの爆発的な末脚で、マイル重賞を2勝。まさに個性派揃いと言えそうだが、総じてリーズナブルな種付け料が設定されている。初年度から多くの繁殖牝馬を集めそうでもあり、産駒にはその「個性」を武器として、現役時の父を彷彿とさせるような活躍を期待したい。


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