
3/30(日)
高松宮記念(G1)
中京11R 芝1200m 15時40分発走予定
◎③ビッグシーザー
○⑮ママコチャ
▲⑩サトノレーヴ
☆⑫トウシンマカオ
△①マッドクール
△②ウイングレイテスト
△⑥ルガル
△⑭ナムラクレア
JRA公式サイト発表の「馬場状態」では、今週開催される3場では中京の芝の馬場状態が一番悪く、金曜正午時点で「不良」。金曜午前9時30分時点でのクッション値が「7.5」(やや軟らかめ)。土、日曜の中京競馬場付近の天気予報はいずれも「晴れ 時々 くもり」で北西の風がやや強く吹く(名古屋地方気象台、金曜午前11時発表)とのことので、芝は乾いてはいくでしょうが、果たして、どこまで乾くのか?
高松宮記念は過去10年、良馬場は3回だけ。過去5年はすべて道悪ということで、「馬場悪化」前提で考えてしまいがちですが、良馬場で開催された3回の勝ち馬は2016年ビッグアーサー(1番人気=馬番4番)、2018年ファインニードル(2番人気=馬番9番)、2019年ミスターメロディ(3番人気=馬番3番)と人気サイドの馬が勝っていて、この3回の①~③着馬は「すべてひと桁馬番」。3~4コーナーで外を回ると厳しい中京1200mの特徴らしく「内枠優位」に推移しています。
個人的には、日曜午後の時点では「良馬場」まで回復するとみて、予想も組み立てました。金曜時点で下がかなり軟らかいので、どこまで時計が出るかは微妙ですが、それでも過去5年とは違って「1分7秒台」が出る設定とみます。こうなると、外枠の馬も台頭していた、道悪の前5年同様の考え方は危険かも。今年は有力馬が全体的に「中~外枠」に集まっただけに、順当に馬場が乾いていくと、内枠の馬が高配当を呼ぶ可能性も。
◎ビッグシーザーは「馬番3番」。当初予定していたシルクロードSは重ハンデで回避し、改めて立て直して挑んできました。前走・京阪杯(①着)は完全に勝ちパターンのウインカーネリアン(昨年の高松宮記念④着)をねじ伏せて勝ち、③着以下の馬たちとは力の違いを見せた点で高価値。4歳の昨年中盤は甘さを露呈することもありましたが、祖父サクラバクシンオー同様に成長力に富んでいて、生来のスピードと競走センスが開花してきました。京都のイメージが強いですが、中京も3戦2勝の得意コース。父ビッグアーサーは2016年高松宮記念を5歳時に1分6秒7のレコードで勝っており、現在5歳の息子とリンクします。「枠の並び」も外のトゥラヴェスーラ、オフトレイルがすぐ寄せてくることはないと思うので、スタート次第では好位の3~5番手の良いポジションを、揉まれずに取れるでしょう。もともと、2歳秋の中京未勝利戦(芝1200m)を1分7秒9の2歳コースレコードで逃げ切り勝ち。逃げ候補ペアポルックスが大外の馬番18番なので、内枠2頭の出方次第では、ビッグシーザーの「逃げ」まで想定。ブリンカー着用もマイナスになると思えず、北村友騎手が騎乗した1週前追いの抜群の動きも評価します。パンパンの良馬場が理想でしょうが、多少馬場の回復が遅れても、対応可能な力はあるでしょう。そこまで人気にならなそうで、オッズ妙味も感じます。
○ママコチャは「良馬場理想」での強力ライバル。夏馬と思われるので、昨年の高松宮記念(⑧着)は寒さと当日の道悪が響いた最悪条件だったと考えます。すでに温暖で、当日の馬場回復が見込める今年は、昨年とは違った結果を期待します。前走・オーシャンS(①着)は外目の馬場で決して楽といえませんでしたが、勝ち切った点を着差以上に評価します。昨秋のセントウルSが馬番18番で②着。序盤で枠のハンデを挽回できる機動力ありとみます。
▲サトノレーヴは前走・香港スプリント(③着)が現役最強カーインライジング相手に奮闘。ここは再びモレイラ騎手騎乗で、好調教も連発。ひょっとすると1番人気まであるかも。金曜の道悪が残れば鬼に金棒でしょう。本質はパワー型でしょうから、問題は乾きすぎた時と、昨秋のスプリンターズS(⑦着)で見せたスタート後のダッシュ乗りの甘さを露呈した時。この枠で後手後手に回ると、差し損ねて終わりの可能性も。逆に、多少重めの馬場で流れに乗ると、スムーズに勝ち切りまであるでしょう。
☆トウシンマカオは「馬場回復」が大前提。脚質は違いますが、同じビッグアーサーを父に持つビッグシーザー以上に「速い馬場」が理想でしょう。そして、差し切れるだけの切れは昨秋のセントウルSでも見せています。理想は右回りかもしれませんが、発馬さえ決めれば、崩れるイメージはありません。
前年の覇者マッドクールは、理想は「道悪」か。昨秋のスプリンターズS(⑫着)は先行争いに巻き込まれて失速した形ですが、今回はそこまで出して行きたくないのでは? そうなると、馬場が回復した最内の馬番1番がどう出るか? OPに上がってからは「1分8秒台」の低速決着に好走例が多いのはネックか。馬券は「押さえ」までの評価。
ウイングレイテストは大穴候補。短距離路線に替えてから、もうひと頑張りして、前走・オーシャンS(③着)は巧妙な立ち回りで好位伸び。大外枠に泣いた昨秋スプリンターズS(⑭着)は別として、サトノレーヴに差なく続いた昨夏の函館スプリントS(②着)を見ても、良馬場ならまだまだやれるでしょう。「内枠」を活かせる、馬群を縫える根性と機動力もあります。とにかく「馬場回復」がカギでしょう。
ルガルは本命まで迷いました。昨秋のスプリンターズSが1分7秒0で時計勝負が理想で、「馬場回復」は歓迎でしょう。馬場が乾く分には条件が揃います。一抹の不安は、香港でも見せた発馬の不安でしょう。出負けして、1~2列後ろで走る形だと、厳しいか。スタートに若干不安がある分、評価を下げましたが、展開次第で「優勝」まであるとみます。
ナムラクレアは「晴雨兼用型」。変な見解にはなりますが、待って構えられる1400mなら良馬場、前崩れ待ちになる1200mは「道悪」の方が好走イメージはあります。今回は中京芝1200mの外枠。内を巧妙に回った昨年の高松宮記念(②着)は道悪&内枠だからこその芸当で、アバウトに中~外を回って差す展開だと、差し届かず…の危険も。「単勝」までの魅力はなく、相手の1頭とします。
他の馬の評価。
オフトレイル、カンチェンジュンガ、エイシンフェンサーは、芝1200m&良馬場の先行馬ペースになってしまうと、差し台頭のイメージがありませんでした。エイシンフェンサーは現実的には「馬番13番」も微妙な外目。以上3頭、道悪が残ったときは間違いなくプラスでしょうが、あえて「見送り」とします。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬連 |
各1500円(計3000円)
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馬連 |
各1000円(計5000円)
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馬連 |
1000円(計2000円)
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合計 | 10000円 |
マーチS(G3)
中山11R ダート1800m 15時30分発走予定
◎⑮ペイシャエス
○⑧ストライク
▲⑥ハビレ
☆⑫ブライアンセンス
△①ロードクロンヌ
△③スレイマン
△⑦ミッキーヌチバナ
△⑬ピュアキアン
今週の中山は土曜が「雨」予報。日曜は「くもり」の予報で降水確率は高くありませんが、気温は低めのようで、急には乾かないでしょう。湿ったダートの高速戦、典型的なスピード決着の想定です。勝ち時計は「1分50秒台」は出るのでは?
メンバー的には、この種のダート1800m戦にしては、ビックリするほど先行型が少ない印象。逃げるのはまずピュアキアンでしょう。この馬について行くスピードがありそうなのはロードクロンヌ、ブライアンセンス、ペイシャエスぐらい。芝から転戦してきたマテンロウスカイがどこまで行けるか微妙ですが、展開的には「前主導」の流れとみます。
◎ペイシャエスは昨夏のエルムSを「稍重」で、1分44秒0で快勝。小回りのダート1700mや、昨秋の東京ダート1600mの武蔵野S(④着)で楽に前に行けたように、ダート1800mなら、大外枠でも楽に前に行けるスピードがあるとみます。前走・かきつばた記念(③着)は小回りの名古屋ダート1500mで機敏に流れに乗って、最終4コーナーの不利がなければ、勝ちまであった好内容でした。昨年のマーチSがハンデ58kgで③着。古すぎる話ですが、3歳時には不良馬場のジャパンダートダービーで②着もあって、湿った馬場もOK。今回のハンデ59kgは確かに厳しいでしょうが、ここは好位抜け出しとみます。
○ストライクは脚質的には真逆の差し馬。湿った馬場巧者。先週(韓国馬事会杯)はギアが上がってからの脚が速く完勝。体調も上がっているのでしょう。中山ダート1800mでは、昨春(千葉日報杯)に重馬場で1分51秒2でVの下地もあって、今なら「1分50秒台」にも対応できる力ありとみます。人気もないでしょうから、ぜひ買いたいです。
▲ハビレは人気の1頭でしょう。決め手も確か。ただ、前走の1分51秒6(重馬場)では、即勝ち負けといえる時計レベルではなく、時計の短縮は大きなカギになりそう。
時計短縮は最内の馬番1番のロードクロンヌも同じ課題。ただ、まだまだ勝ち方に余裕があって、実際に前走・上総S(①着)でストライク(②着)に5馬身差の快勝。多少時計の掛かるダートなら、あっさり勝ち負けのレベル。ただし、未知の「1分50秒台」の決着になった時、極端な最内枠に入ったので嫌々逃げる形になった時、前に3~4頭入られてキックバックを受けた時に、見えない「重賞の壁」がないともいえません。
昨年の東海S④着の実績がある☆ブライアンセンスは、前走で地力強化を証明。当時が「1分49秒7」の好時計でしたので、高速ダートは鬼に金棒でしょう。
楽逃げになった時(確率は結構大きそう)のピュアキアンの粘りにも注目。近2走は相手が強すぎたスレイマンは湿った馬場巧者で、これぐらいの相手なら十分に勝ち負けできるレベル。発馬がどうしても課題になるミッキーヌチバナですが、互角に出るようなら重賞好走の力はあると評価しています。馬場的には重馬場だった昨秋のみやこS(⑤着)が直結します。
券種・買い方 | 組み合わせ・点数 |
---|---|
馬単 |
各2000円(計4000円)
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馬単 |
各800円(計4000円)
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馬連 |
各500円(計2000円)
|
合計 | 10000円 |
ご注意
レースに関する情報は、主催者発表のものをご確認ください。また、勝馬投票券の購入はお客様のご判断の元で行ってください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
記事の配信(発売)後は、出走取消・除外・騎手変更などがあっても、原稿の差し替え等は基本的に行っておりません。あらかじめご了承ください。
小田哲也 プロフィール
スポーツニッポン新聞社記者。コラム「万哲の乱」担当。2015年には宝塚記念で3連単52万馬券を当てるなど、万馬券メーカーであることから「万哲」という愛称で競馬ファンに親しまれている。2004年天皇賞・春のイングランディーレ(10番人気)、2009年天皇賞・春のマイネルキッツ(12番人気)、同年菊花賞のスリーロールス(8番人気)など長距離G1の本命馬激走多数。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」パドック解説を担当中。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。
【予想スタイル】
まず重視するのは好走した時の最大パフォーマンス。極論すれば、条件に合わない距離、競馬場、馬場状態、あるいは展開等での凡走は無視してOK。着順タイプは常に善戦型より、三振か本塁打か?の「1着型」を好んで狙う傾向あり。京都、阪神と馬券相性が良く、中山はダート1200メートルがとにかく好き。