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馬が速く走るための『大庭理論』とは? 対談の最終回です!
2009.04.30

昨日(4月29日)、ノビーズセカンドライヴが無事終了しました。お陰様をもちまして、チケットがソールドアウトということで、本当にありがとうございました。いやぁ、非常に緊張しました。

しかも、何が心配だったって、結婚式に出席していた上の方(松岡騎手)が、開演してもまだ到着しない状況に、本当に来るのかとドキドキしました(苦笑)。

本当に皆様の応援があればこそでして、この場を借りてお礼を言わせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。今後もまた、よろしくお願いいたします。

今回は2度目となったわけですが、「レース慣れ」ばりに「ステージ慣れ」が必要だと痛感しました。追い切りと競馬は違うということです。

ライヴの話があまり長くなってしまうと、大庭君のファンの方から指摘を受けちゃいますので、対談に移りましょう。今回が最終回になります。



[西塚信人調教助手(以下、西)]いやぁ、大庭、面白いし、深い。本当に深い話をしているよ。

[大庭和弥騎手(以下、大)]そうですかね。

[西]大庭は見かけと違うよね。読者から届いたメールとかを読んでいると、それこそインを突く競馬ぶりとか、ヨーロピアンスタイルの影響もあるんだろうね。ヤンチャというか、野人、野生的に映るみたいだけど、おとなしいし、本当に真面目だよ。

[大]そうなんすか? 言われたことないですよ。

[西]いや、そうだって。

[大]そうなんだぁ。

[西]俺の中では、盛岡に地方交流の騎乗した時に、お父さんと会って、大庭が天下一品のラーメンを渡している姿が鮮明に残っているんだよね。馬主さんに、『盛岡は大庭の故郷なので、乗せてあげてください』ってお願いして良かったなぁと思った。

[大]そんなにイメージが違うんだぁ。

[西]そういうことだよ。もうこうなったら大庭和弥のすべてを公開しちゃうよ。俺、本当の大庭に迫っちゃう(笑)。

[大]マジっすか(笑)。

[西]よし、順番として最終回にする話じゃないけど、そもそも何で騎手になろうと思ったの?

[大]そこからですか(笑)。

[西]そうだよ。きっかけは?

[大]そうですね、中学校の先生が競馬好きだったんですよ。最初に友達が夢中になっていて、その影響で競馬を見る羽目になっちゃった感じですかね。そして騎手は小さい方が良いんだと知ったんですよ。

[西]えっ、小さかったの?

[大]小さかったです。

[西]いま、そんなに小さくねえじゃん(笑)。

[大]まあ、騎手としてはそうかもしれませんよね。

[西]いや、騎手としてだけじゃないよ。電車とか一緒に乗っていたりしても、全然、普通の人だから(笑)。名前は言えないけど、リュックサックを背負っていると、リュックの方が大きい人もいるでしょう。

[大]確かに、背中を覆ってしまっていて、リュックが歩いているような人もいます(笑)。

[西]明らかにその人たちとは違うし、本当に普通の人だから。へぇ、大庭って小さかったんだぁ。その当時は、身長はどのくらいだったの?

[大]たしか140cm台で、あっても150cm前半だったはずです。

[西]いまは?

[大]166cmですね。

[西]そりゃ、騎手として大きいよ。完全に普通の人だから(笑)。でも、小さいだけでよく騎手になろうと思ったね。

[大]いや、競馬に興味を持ったのは、元々、動物が好きだったからというのはありました。

[西]そう言ってたね。

[大]そして、勉強が嫌いだったじゃないですか。できましたけど。

[西](爆笑) できたっちゃ?

[大]できたっちゃ、できましたけど(笑)。

[西]できないっちゃ?

[大]できないっちゃ、できてました。でも、嫌いだったんですよ。

[西・大](爆笑)

[西]大庭、ちょっと待って。これこそ大庭の口癖だと、読者の皆さんに説明しないといけないでしょう。例えば、距離適性について聞くと、『長いっちゃ長いけど、短いっちゃ短い』というように使うんだよな、大庭(笑)。

[大]そうですね(笑)。

[西]話を戻すよ。そう言いながら大庭の両親って、学校の先生なんだよね。

[大]そうです。

[西]先ほど言ったように、お前がお父さんに天下一品のラーメンを渡している姿を見た時に、俺の中でもイメージが変わったかもしれない。というか、また話が逸れちゃうけど、あの時、あなた、椀子そばを食べ過ぎですから。いちばん食べてたからね。

[大]そうだったかもしれません。僕の中では、久しぶりに減量をしたという印象が強く残ってるんですよね。

[西]月曜日の54kgだったよな?

[大]そうでした。

[西]ヤバイとか言いながら、前日にラーメンとか食べてるからだよ(笑)。

[大]上がりでは、やっぱりラーメンでしょう。無性に食べたくなるんですよ。飲んでいるだけなら、重くならないから良かったぁ。あの日は、体が軽く感じちゃったんですよね。

[西]でも飲むだけだと、体重って重くならないもの?

[大]そうっすよ。食べると増えますね。僕は、水分というのは消化を良くすると思うんですよ。そこに物を入れると、吸収力がアップしちゃうんじゃないですかね。

[西]参考にしよう。ところで、大庭はいつ頃から重くなったの?

[大]競馬学校に入った当初からです。入学する前に『体重管理を徹底しろ』と言われたんですが、僕は競馬の世界をまったく知らず、体重を落とさなければヤバイと思って、飯を食べなかったんですよ。41kgまでと言われたので、入学する時には38kgまで落としていて、顔もゲッソリしちゃっていました。そうしたら、教官が『それじゃ、やっていけないから食べろ』と言われて、食べたらもうマックスいっちゃうことになってしまったんです。もうそこでギリギリになってからというもの、常にギリギリのラインを綱渡りの連続ですから。もう毎日が勝負です。


[西](爆笑) でも、大庭は真面目だし、すごいと思うことがあって、馬に対して『この馬、走らない』とか、不平不満を言わないよな。ただ、『骨折だけは勘弁してください』って言っていたことは忘れられないんだよね(笑)。やっぱり骨折はヤバイよ。

[大]極端な言い方をすれば、筋の痛みは馬が感じることができるけど、骨は何の前兆もなくいきなりいってしまいますからね。

[西]あと、大庭に個人的に聞きたいことがあって、大庭仕様の馬って、走る時、どんどん頭が下がる形になっていくんだよ。ノボパガーレなんて、いまだに大庭仕様のままだから。でも、いじると頭が上がっていくんだよ。どうして? その心は?

[大]馬もたぶん走りやすいというか、楽な姿勢で走りたいと思っているはずだと、僕は思うんです。初めて乗った馬でも、僕はマルタンという部分を外してもらって、あえて頭を上げられるようにしているので、実際にそうして走る馬たちは少なくありません。でも、半周すると普通の姿勢になるんですよ。速く走ることが目的なわけですから、速く走るためにベストなフォームで走れることが大切だと思うんですけど。

[西]なるほどね。ただ、鍛えるために馬を丸めるというスタイルが、いまは注目されている時代ですよ。鍛えて筋力が付けば、自然と良いフォームで走れるようになるんじゃないの? トップスピードに乗った時のフォームというのは、決して丸まっていないよね。

[大]ひとつ言えることは、速く走るフォームというのは、鍛えてできるものではありません。馬が知っているかどうか。知らなければ速く走れないわけですよ。個人的には、返し馬の時、逆に伸ばすことに専念しているんですけど、返し馬だけで力を抜いた状態で、速く走れるようになる馬も実際にいるんですよね。

[西]なるほどね。大庭理論ね。いいよ。大庭汁たっぷりでしょう。それで内を突いて、前が開くと。

[大]突き抜けられるわけですよ。

[西・大](大爆笑)

[西]あまり専門的な話をしすぎると苦情が来るかもしれないから、このあたりにしましょう。今日は本当にありがとう。もし第二弾をお願いしたら、受けてくれる?

[大]やれっちゃ、やりますし、やらないっちゃ、やりますよ(笑)。

[西・大](爆笑)

[大]というか、信人さん、腕太いですよね。腕相撲やりましょう。

[西]じゃあ、やるか。



いかがでしたでしょうか?

もう最後の頃は、大庭君ともども、いい感じに酔っぱらってしまっていましたので、専門的な話はまたの機会にさせていただきます。

あと、前回の対談で話の出たアブミについて質問をいただきましたが、次回以降、騎手の方に聞いてみますので、お待ちください。

最後に、今回のライヴの翌日に、生まれて初めて「有給休暇」というものを経験しました。親父が死んだ時にも、忌引きを取っていませんでしたので、生まれて初めての経験なのです。

いままでは従業員でありながら、そうじゃないという状況でしたが、従業員という立場になってその権利の威力を初めて感じることができました。

ということで、『このコーナーの存続はあなたのワンクリックに掛かっていますので、どうか応援をよろしくお願いいたします』。

それではまた来週!

次回の対談の相手は、来週までのお楽しみということにさせていただきます。どうぞ、お楽しみに。

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