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村田さんが「凄い」と語る厩舎についてなど、マジメな競馬の話をたっぷりどうぞ
2009.07.09

先週はフリーソウルが勝ちまして、3勝目ということになりました。みなさんからおめでとうメールをいただきまして、本当にありがたいことだと感謝しております。

やっぱり勝つと良いですねぇ。ちなみに、今回はトレセンでテレビ観戦だったんですけど、ゴール前で声が出せるのはいいものです。

では、今週も、村田さんとの長く弾けた対談を続けさせていただきます。どうぞ。

[村田一誠騎手(以下、村)]でも、結局は馬だからね。ただ、千直は得意だと思っているよ。

[西塚信人調教助手(以下、西)]やっぱり、そういう意識はあるんですね。

[村]意識はある。すごい勝っていた時は、たいがいの馬を乗せれば、俺、勝つなと思った。ブッチャけね。

[西]サンアディユの頃ですね。

[村]新潟の千直でいままでいちばん自信があったのは、アドマイヤフッキーで勝った時(07年8月)ね。

[西]はい、はい。あの時も人気がなかったんじゃないですか。

[村]確か4番人気くらいだったと思う。でも、俺の中では自信があったんだよ。

[西]具合も良かったんでしょう?

[村]コーナーを回るのがあまり上手ではないところがあってさ。あの前のレースで芝1200mを使ったんだけど、曲がる時にスムーズじゃなかったんだよ。だから、千直なら勝てるんじゃないかと思ったし、返し馬をしたらやっぱりね、と思った。勝てると自信を持ったよ。

[西]僕は競馬に乗ったことがないからわからないんですけどね。

[村]えっ、ないの?

[西]ない、ない(笑)。小倉と札幌のダートコースくらいしか乗ったことがありませんからね。だから聞きたいんですけど、どちらかにモタれる馬っていますけど、手前の出が悪かったり、あるいはどちらかのトモの入りが悪かったりすることが、その要因となっていくのかなぁと思うんですよ。

[村]いろいろあるよね。

[西]確かにいろいろなのでしょう。ただ、そういう馬たちが千直に行った時って、真っすぐに走れるものですか。

[村]走れるようになる馬もいるよね。だから、返し馬で気を遣うという話をしたけど、ただ軽いキャンターをしているだけではなくて、そのなかで少し伸ばして、そこでの走りもみているんだよ。歩かせて、ダグ踏んで、ハッキングして、そしてキャンターに入るんだけど、普通のキャンターにおろしたところで一瞬離して、スッと伸ばす。その時のどういう動きをみせるかをみているわけよ。


[西]なるほど。あと、例えばダグだと右トモの入りが悪い感覚があっても、速いところへ行くと大丈夫という感じの馬っていますよね。そういうのって、気にしなくていいんですか。

[村]気にしないというか、仕方がないということもあるからね。

[西]僕は気になっちゃうんですよ。角馬場ばかり乗っていますから。

[村]そりゃ、気にした方がいいよ。助手という立場ならね。

[西]もちろん、例えば右トモが悪いと思えば、厩務員さんに右トモの入りが悪いですよっていう話はします。

[村]もしダグだけかもしれないけど、右トモの入りが悪いというのであっても、何かあるというサインかもしれないし、モタれるというのであれば解消する可能性だってあるわけだから。

[西]そうですよね。

[村]コーナーで変な走りをするというか、スムーズに回れない時、乗り役が無理やり直していたら、遅れるということもあるけど、馬もそれによって体力を使うんだよ。

[西]基本的に、追い切りの速いのが競馬なわけですよね。何だかんだ偉そうなことを言ったって、そこの感覚は競馬に乗ったことがない人にはわからないわけですよ。前に、調教では引っ掛かるわ、止まらないわ、モタれるわ、で、言葉は悪いですけど酷いのがいたんですよ。それが競馬に行くと全然大丈夫だったりしちゃって。頭を抱えちゃったことがありました。

[村]正直に言うとね、毎回乗り役を替えるというのは良くないと思うよ。そう言っておくと、常に乗せてもらえるからね

[西]なるほどね。

[西・村](爆笑)

[村]でも、その状態で競馬ではどうだったのかという話は大事だよ。ハッキリ言えば、いちばん接して馬をつくっているのは助手の人たちだから、俺たち騎手とそういう話をするのは本当に大事なことだよね。

[西]でも、本当に、競馬に行くと何でもないのに、調教では手が付けられませんという馬っていますから。

[村]なかには、手綱を引っ張るからモタれるという馬もいるからね。競馬はスピードで走るから、そこまで引っ張らなくても済むから大丈夫だったりするわけよ。

[西]またその逆もいますよね。調教ではまったく見せないのに、レースに行ったら引っ掛かっちゃたり、モタれてどうしようもないという馬たちが。

[村]例えば後ろの馬が怖くてそうなっているのかもしれないし、いろいろな要素があるんだけど、本当に苦しくなった時にモタれるというのはよくあることよ。攻め馬ではそれほどではなくても、競馬に行ったら、もう酷くてどうしようもないというのもいるということだよ。

[西]その差というか、騎手の人たちが競馬で感じた感覚と、助手の僕たちの感覚との差があるのは当然。でも、それを埋めなければならないわけですよね。

[村]もちろんよ。だから、そこはよく話をしなきゃいけない。

[西]コミュニケーションをよく取るということですよね。

[村]そう。大事だよね。

[西]わかっているんですけど、難しいところもあります。本当に迂闊なことは言えませんからね。先ほどの話じゃないですけど、モタれるところがありますって言って、レースではまったく問題ないということもあるわけですから。


[村]俺はね、いろいろ騎手に聞いた方がいいと思う。でも、乗り役の意見が100%ではないのもまた事実。その時々で、馬の状態も違うんだから。状態が違えば、感じ方も違うのは当たり前でしょう。

[西]だからコミュニケーションが大事なんですよね。

[村]そう、コミュニケーションと、乗り役を替えないこと。これで常に乗せてもらえるでしょう。よし!

[西・村](爆笑)

[村]いや、真剣な話、何でもない馬だったらいいと思うよ。でも、何かしら癖があるとか、それこそトモの入りが悪くて、状態をみながら、感想を聞きながらやりたいというのであれば、ちょっとの間は続けて乗ってもらった方が良いだろうね。

[西]そうなんですよね。ただ、そこに馬主さんが絡んできたりして、難しい部分があったりするんですよ。

[村]そこは乗り役は言えないからね。知っている馬主さんなら言えるけど、そこからは調教師さんをはじめ、厩舎サイドの話になっちゃうから。だから、与えられたチャンスで、キッチリと結果を出していくしかないんだよね。

[西]そうなんですよね。当たり前ですけど、騎手の人たちとのコミュニケーションも大切なのですが、馬主さんとのコミュニケーションももちろん大切ですよ。どうなるかは別にして、馬の状態とか、そういうところをキッチリと伝えなければダメだと思うんですよね。乗っている人にしか分からない感覚ってありますから。

[村]それはあると思う。だから逆に、走る馬の背中って乗ってみたい。どんな感覚なんだろうってすごく知りたいものなんだよね。

[西]いやぁ、村田さんにいい話を聞かせていただきました。あっ、村田さんに聞きたかったのが、後藤厩舎によく乗っていましたよね。一説には、藤沢先生さえも「後藤先生は馬に関して抜群のセンスを持っている」と言ったという話があるほどなんですが、やっぱり勉強になります?

[村]勉強になるよ。馬っていう生き物に対して、どういう習性を持っていて、調教をすることで、どのような効果がもたらされるのかということなどを教えられて、考えさせられたのは、間違いなく後藤厩舎だね。

[西]そうなんだなぁ。

[村]攻め馬は結構軽いんだよ。でも、走る。言い方は適切じゃないかもしれないけど、必要なことしかしないような感じ。正直、それまでは馬はビッシリやって鍛えなければならないというような感覚があった。それが、「これで馬は走れるんだ」って俺の中では一種のカルチャーショックを受けたよ。最近、乗っていないけどね(笑)。

[西]あっ、そうですか。

[村]でも、それはそれで仕方がないことなんだけど、俺自身にとっては本当に勉強になったね。

[西]僕はロンギを掛けることに対して賛成派なんですけど、後藤先生のところはペソアと言って、特殊な装具を使うんですよ。読者の方に説明させていただくと、トモの動きとハミが連動しない馬というのがいるのです。本来、踏み込んだら出て、踏み込んだら出てという動きになるべきところを、突っ張ってみたりして、合わない馬というのがいるわけですよ。そうですよね、村田さん。

[村]いるね。

[西]それを修正するのに、トモに尻ガイみたいなものを付けて、それをハミに通してロンギをかけるという道具があって、僕はそれが最強の道具だと思っているのですが、知る限り、それを美浦で使っているのは後藤厩舎だけなんですよね。

[村]そうなんだ。

[西]あれを付けてロンギをかけると、誰がやっても同じ効果を得ることができるんですよね。

[村]ロンギとか、俺、やったことがないんだよね。ということは、その道具を付けさえすれば技術は要らないということなの?

[西]乗るよりも簡単に馬を動かせるということですよね。乗ってトモを入れるって難しいことじゃないですか。

[村]うん、難しいよ。

[西]みんな簡単にトモを入れてとか言っていますけど、ブッチャけるとだいたいできていないと思っていますから。もちろん、僕もできていないうちのひとりなんですけどね。でも、ロンギというのは、円周を描いて回る以上、トモが入らないと回れないんですよ。物理的に考えるとそういうことになる。ある意味、楽だし、ある程度、馬乗りとしてハミの動きを理解していて、使いこなすことができれば、ロンギはできますし、ペソアを付けることによって、ほぼ同じ効果を得ることができるのであれば、有効な手段だと思うんですよね。実際、ハ行してしまっている馬をそれで治して競馬したりしましたから。

[村]そういうことって大切だし、ノビーなかなかやるねって思う。でも、俺らが厩務員さんに、これロンギやってとは言えないよね。

[西](爆笑) それは言えないかもしれない。それに、村田さんたち騎手の人たちは乗る技術があるわけですから。ただ、最近もロンギで修正したという馬がいたんですよ。トモが入らないから、ハミに出れなくて、頭をあげちゃう馬だったんですよね。

[村]ハミを噛めない馬ね。

[西]そう、そうなんです。そんな状態でしたから、ゲートも受かるはずがないわけですよ。

[村]1歩目が出ないからね。

[西]僕自身は後藤先生とよく話をするわけじゃないけど、ペソアを使うということは、そういうことをよく分かっていらっしゃるということでしょうからね。僕なんかが言うことじゃないですけど(笑)。

[村]でも、あの先生は凄いと思う。よく馬を知っているよ。成績で言えば藤沢先生だし、藤沢先生もよく馬を知っているんだけど、実際、俺自身が攻め馬に乗って、よく話をしてきたなかでは、後藤先生だね。

[西]そういう意味では村田さんにとって後藤先生と一緒に仕事ができたことは大きかったということですね。

[村]そう。あとね、騎手として育ててもらったのは、尾形先生なんだよね。

[西]グラスエイコウオーですよね。

[村]そう。

[西]あの馬、どんな馬だったんですか?

[村]馬が怖かった。NHKマイルCの時の話をすると、あの時、人気がなくてね(13番人気)。前のニュージーランドTでは俺が騎乗停止だったんだよ。それで江田(照)さんが乗ったんだけど、惨敗しちゃった。その時もそうだったけど、モマれると一気に下がっちゃうところがあったんだよね。でも、馬が怖いということを俺は知っていたんだよ。だから、クリスタルC(3着)も速かったけど、無理に行かせりしていたんだよね。

[西]へぇ、そうだったんだ。

[村]NHKマイルCの時って、抽選だったんだよ。あそこで、「ここだ」と前から言っていたブリンカー装着をもう一度進言したんだよね。逃げたから関係ないというかもしれないけど、俺は効いていたと思う。でも、ブッチャけ、あれは勝ったレースだよ。

[西]そう思うんですか。

[村]正直、俺も仕掛けが早かった。勝てるという気持ちの高揚からだったんだろうけど、ただ、内が開いちゃったんだよ。クロフネのためにと言わんばかりにね。あれは開いてなかったら、勝っていた。

[西]勝ってましたか。

[村]と、思う。

[西・村](爆笑)

[村]そういう意味では、今年のオークスも自信があったけど、G1ということで言えばあのNHKマイルCがいちばんだった。実際、抽選に通った時点で、みんなに勝つからって言っていたんだよ。この馬走るんだから、と言っていたんだけど、成績が成績だったからみんな信用できなかったんだろうね。

[西]オークスでのヴィーヴァヴォドカの敗因は距離ですかね?

[村]うんん、2400mという距離は長いのかもしれない。

[西]1800mとか2000mくらいが良いんですかね。

[村]そうかもね。ただ、まだまだ変わってくるよ。というか、これブッチャけトークだよね。言っちゃうと…

ちょうどいいところですが、今週はここまでとさせていただきます。

みなさんにも伝わっていると思うのですが、もうこの辺りからは村田さんもノリノリとなってきているんですよね(苦笑)。もちろん、ここからはさらにブッチャけてますから、楽しみにしていてください。

しかも、まだまだ話は続いていくので、あと2回くらいは村田さんということになると思います。よろしくお願いいたします。

あっ、あと、その後のゲストについて検討しているのですが、騎手の方々が続いたということで、いままでに登場していただいていない方がいいかと思っているのです。

普段は表に出ることがあまりない獣医師さんや装蹄師さん、あるいは育成牧場の方などもありかとも思っていますし、あとはもちろん調教師というのも選択肢にはあるのですが、みなさんからのご意見をいただければと思います。メールをお待ちしております。

ということで最後は、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続は決めます』ので、どうかよろしくお願いいたします。

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