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横山典騎手を他の多くの騎手が『上手い』と話す理由とは?
2009.07.30

27日(月)に盛岡の交流レース(ガーネット賞)で、アクロスザボードが勝ち、尾関厩舎の4勝目を挙げることができました。

実は、先生と話をして地方交流を進言したこともあり、最高の結果にホッとしているところなんですよね。

前走のレースぶりから、ここならチャンスだと思っていたのですが、先生もそう思っていたようで、何はともあれ勝てて良かったぁ。

今後は、5勝目、そしてそれ以上を目指して頑張っていきますので、みなさん応援をよろしくお願いいたします。

今週は、長きに渡って続いてきた村田さんとの対談の最終回になります。それではどうぞ。

[西塚信人調教助手(以下、西)](『ダビスタ』での騎手は) 誰にしてるんですか?

[村田一誠騎手(以下、村)]それは横山典弘。

[西・村](爆笑)

[西]村田一誠でもなければ、武豊でもないわけですね。

[村]そう。俺がいちばん好きな乗り役は横山典弘だから。

[西]なるほど。武豊ではないんですね。

[村]俺、(武豊騎手のことは)良く知らないんだよ。

[西]えっ、そうなんですか?

[村]まあ、一緒に飲んだことは何回もあるけど、常に美浦にいて一緒にいて、見ているのは横山典弘なんだよね。あの人がダービーを勝った時は嬉しかったぁ。

[西]ブログに書いてありましたね。

[村]ブッチャけてしまうと、今年は、横山典弘か同期の武幸四郎のどちらかに勝ってほしいと思っていたんだよ。

[西]それにしても村田さんのブログはかなりブッチャけてますよ。松岡がフラれたことは、僕も知ってはいましたけどね。

[村]でも、松岡がフラれたことは、やはり他人には言えなかったもんね。

[西]言えなかったんですか。

[村]そう。だから書いたんだから。

[西・村](爆笑)

[西]でも、アイツはモテるらしいんですよ。『サラブレモバイル』の日記に対する応援メールも凄いらしいですから。『松岡く~ん』みたいなメールがわんさか来るみたいですよ。

[村]じゃあ、ここでファンを減らしておくか。

[西・村](爆笑)

[村]たぶん、俺、アイツよりもアレ上手いよ。

[西]でも、そういうことを言うと、また『村田って何!?』みたいに反感を買ったりするんだろうなぁ。

[村]そんなことねぇよ。

[西]いや、競馬場でヤジられちゃうかもしれませんよ。

[村]ヤジと言えば、昔、グリグリの1番人気でブッ飛んだことがあってさ。次のレースのパドックで『何やってんだぁ。1番人気飛ばしてんだぁ』とヤジられたから、『俺だから1番人気なんだろ。乗り役人気だ』って言ってやった。

[西](爆笑) というか、それって大丈夫なんですか。

[村]俺、パドックで言うからね。

[西]ヤジに対してですか。

[村]ヤジだけじゃなくて、『おはよう』って言われれば『おはようございます』って返すし、『昨日、馬券取りました』と言われれば『おめでとうございます』って。

[西]マジっすか!? 怒られないんですか。

[村]ブッチャけちゃうけど、それで怒る競馬会じゃ駄目でしょう。せっかく競馬場に来てくれているファンの人たちに、挨拶して怒っちゃだめだって思う。それでファンとの距離が近くなって、また競馬場に来てくれる。それもファンサービスでしょ。

[西]確かに、それで八百長云々みたいなことを言われても困りますよね。

[村]『村田さん、今日どうなの?』って声に答えたり、野球のブロックサインのようにヘルメットとかベルトの位置を触っていたり、耳タブを触ったりしたらマズいだろうけどさ。

[西・村](爆笑)

[村]別に挨拶程度なら問題はないと思うけど。

[西]以前に一度焦ったのは、田辺がパドックの馬主席にいたオーナーに『社長』って手を振っちゃった時なんですよね。あれって大丈夫なんですか?

[村]大丈夫だよ。馬主さんとは俺もしゃべるよ。たとえば前日に、その馬主さんの馬が勝っていたりしたら、『昨日、おめでとうございました』って挨拶する。それもダメって言われたら、じゃあ馬主さんと顔を合わせても会釈するだけで無視しろって言うのか。そりゃ、おかしくないか。

[西]もちろんですよ。それがもしダメというのなら、ある意味、営業妨害にもなりかねませんよね。いやぁ、でも村田さん、ありがとうございます。良い話のオンパレードですよ。さすが、唯一、この対談に自ら出たいと言ってくださった方です。

[村]というか、(鈴木)一成(調教助手)が出て、俺が出ないっておかしいから。

[西](大爆笑) それはあります。でも、編集部からも、村田さんのメールが本人によるものかどうか、確認がきましたからね。あえて見落としやすいところに書いておいたんですけど。本気度が分かりませんでしたから。

[村]俺も、たまたま読んでいて良かったよ。『貴方のワンクリックが』ってね。

[西]ありがとうございます。

[西・村](爆笑)

[西]個人的な意見を言わせていただくと、村田さんのブログの何が素晴らしいって、更新のペース。多すぎず、少なすぎず。

[村]もっと言うけど、毎日毎日、そんなに楽しいことはないから。

[西]そうですよね。他の騎手で、自分の部屋とかで撮影した写メをアップする人がいますけど、個人的には寒く思っちゃうんですよ。あっ、もう一杯どうですか?

[村]一杯だけかよ。

[西](爆笑) いえいえ、もちろん好きなだけどうぞ。というか、村田さん、ブログってどうですか。


[村]他の騎手だとブログをやめるとかやめないとか騒ぎになることがあるけど、書き込みなんかを気にしている方がどうかと思うよ。競馬場で文句を言われるのと同じだから。『下手くそ!』って、『はい、下手くそです。それで何か』みたいなさ。実際、俺のところでも、『下手くそ』と書き込んだ人に対して、『一誠さんがブログを辞めたらどうする』というやり取りがあったりするけど、俺は気にしていないし、逆にブログのネタにさせてもらっちゃうけどね。でもね、ブッチャけトークだから言っちゃうけど、藤田伸二が三浦皇成と雑誌とブログで比べられて、アイツより下かって文句を言うのは分かる。ハッキリ言うけど、技術のレベルは違うから。これは書いておいて。

[西]僕が言うのもなんですが、北海道で角馬場を乗っている藤田さんを見て上手いと思いました。

[村]先週の中京(5月30日)で勝った本間厩舎のショウナン(カザン)も完璧だったもんね。あぁ、コイツ上手いって思った。コイツって入れておいてね。

[西]コイツですね。

[村]完璧。ヘグリひとつなくて、あれこそ100%の騎乗だよ。俺は競馬を見てそう思ったね。騎手としては一流だよ。見ている人はどう思うかわからないけど、やはりあれだけ勝っているわけだし、技術があるから勝てるんだから。

[西]1000勝を超える勝ち星って、ダテじゃ達成できませんからね。

[村]ブッチャけちゃうけど、皇成はいま流れで乗せてもらっているんだけど、そこから上手くなっていくということなんだよ。

[西]これからということですよね。

[村]そう。まあ、俺より勝っているし、見ている人たちはどう思っているかわからないけど、いまはまだアイツに負けているとは思っていないから。だから、『あそこがダメ』とか『もっとここを変えなきゃダメだ』ってよく言うんだよ。そうしたら、言うのは俺だけじゃないらしいんだよね。『他の人にも言われます』って言うんだよ。

[西]そうなんだぁ。

[村]だって、追っていて格好悪いもん。でも、アイツみたいなスター候補生は格好良くなきゃいけないんだって。もちろん、変えていくのって、本当に難しいんだよ。でも、そういうセンスを持っている。これからでしょうね。だからせいぜい俺の下くらいには来れると思う。

[西・村](大爆笑)

[村]でもね、アイツ勝つごとにワクチンを寄付するというところとか、俺は尊敬するよ。なかなかできることじゃないからね。俺も独身だったら、進上金の9割って思うけど。

[西]夜の六本木じゃなくてですか。

[村]9割5分。

[西・村](爆笑)

[西]ブッチャけ、騎手の人の上手い下手とかわからないんですけど、騎手の人たちがノリさんのことを『上手い、上手い』って言うじゃないですか。僕にもわかりやすく、具体的に教えてください。

[村]昔、藤田伸二に『アンタの尊敬する人って誰だ?』って聞いたことがあるんだ。そうしたら『横山典弘の考え方は素晴らしい』って答えが返ってきたんだよ。俺もそう思うんだよ。

[西]考え方ってことですか。

[村]そう。技術なんて当たり前。

[西]ある程度のレベルにいけばということですよね。

[村]俺よりも上手いと認めるよ。悔しいけど、いまの俺では勝てないと思うし、本当に凄いんだよ。それが技術じゃなくて、考え方なんだよね。

[西]具体的にお願いします。

[村]よく馬のリズムを考えて乗りますって言うよね。そういう考えじゃないというか、違うんだよ。例えば長い距離を乗るという時に、1回目のゴール板を過ぎた頃に、ちょっと掛かる馬だったらゴール板を過ぎるちょっと手前で少し手綱を放してやる。そして、また抑えるんだけど、手綱を放すことで、馬がゴール板を過ぎてゴールしたと思って息を抜いて、そこから落ち着いて走ることができるって、言うんだ。その話を聞いたときすごいと思った。そういう発想ってなかなかできないでしょ。

[西]確かに。

[村]ゴール板を過ぎたら止めに入るから、馬もゴール板が分かる。あえて、その手前でちょっと放してやることで、ゴール板を過ぎて手綱を引っ張ることで、馬がゴール板を過ぎたという感覚となって、力を抜くことを狙うわけよ。それが引っ張ったままでは、そうはならないけど、放してやることで折り合いが付くようになるわけだよね。

[西]ゴール板を使って息を抜かせるということですか。

[村]そう。馬に1回ゴールを過ぎたよ、終わりだよと思わせておいて、実は違うわけだよ。それができれば、馬も人も余計なエネルギーを使わなくて済むでしょ。俺も一度試したことがある。

[西]どうでした?

[村]できなかった。

[西・村](爆笑)

[村]頭でわかっていることが大事なんだけど、あの人は体でもできるからね。

[西]なるほどね。でも、ファンの人はもちろん、調教師や僕を含めた調教助手でも、競馬に乗ったことがない人にはわからないんでしょうね。まして、騎手の人たちでさえ気が付かない感覚なら、なおさらですよ。こういう言い方をしたら失礼ですけど、パトロールフィルムを見ていても、一度見ただけじゃわからないヘグリだって少なくないですから。

[村]確かに、同じ乗り役じゃないとわからない感覚ってある。同じ位置にいたら、どこを狙うということとか、誰かが降着になったとした時、俺なら同じように乗ったとして降着にはならないとか、そういう感覚というのは分かるかな。

[西]でも、騎手じゃないとわからない部分ってあるから、村田さん。

[村]確かにね。あれっ、競馬したことなかったの?

[西]ないですから(笑)。ブッチャけ、毎週の競馬場へ通って、騎手の人たちのパトロールフィルムを見てきましたよ。でもある時、大庭に『怒ってください』とか言われたことがあったんですよね。ヘグったということだったんだけど、説明されるまでわかりませんでしたからね。

[村]そういうことで言えば、レースでは危なかったのに、パトロールで見たら大したように見せないということがあるんだよ。もちろん、実際に見ても危ないとわかることもあるけどね。

[西]パトロールを見ていて、『ここで何で動いたんだ』とか怒っている人がいるけど、その人も競馬で乗ったことがなかったりするわけで、そういうのを聞いていると、ブッチャけ、茶番に思えちゃう。馬も競馬も、それほど簡単じゃないですよ。だって、ステッキの持ち替えどころか、木馬に跨って追うのって、普通の人には難しかったりするんだから。

[村]そうらしいね。

[西]いやぁ、村田さん、長くなってしまいました。

[村]あっ、本当だよ。明日、4時に起こしてよ。絶対ね。頼むよ。

[西]了解です。では、またの機会ということで。

[村]なんなら、もしも西塚信人に何かがあった時には、ピンチヒッター村田でいいよ。ギャラなしでやるよ。

[西]そのようなことが万が一あった時には、よろしくお願いします。じゃあ、明日4時ということで。ありがとうございました。


ということで、村田さんとの対談は以上です。いかがだったでしょうか。

村田さんとは今朝も会ったんですが、「楽しかったから、また呼んでよ」と言ってました。こちらもぜひと思いましたし、読者のみなさんも感想などがあれば、ぜひメールで送ってください。よろしくお願いします。

ここまでいろいろな方々と対談をさせていただき、読者のみなさんからいろいろなメールをいただきましたが、ひとつ分かったことは、我々が面白いと感じることと、みなさんが面白いと思うポイントが違うということです。

みなさんからのメールを読ませていただく度に、「へぇ、こういうことが面白いと思うんだ」とか「こういうことが聞きたいんだ」と、教えていただいています。

もちろん、読者のみなさんあってのこのコーナーですので、これからもできる限りリクエストには応えていきたいと思っています。よろしくお願いします。

次回の対談相手は、マイネルスケルツィなどを担当し、個人的に『兄貴』と呼ばせていただいている稲葉厩舎所属の桑原裕之調教厩務員にお願いしました。ぜひお楽しみに。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。

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