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西田さんは、いかに馬主さんに損をさせないようにするかを乗り役も考えなければ、と話します
2009.10.29

先週の日曜日、福島2Rでクラリンが勝ち、尾関厩舎の8勝目を挙げることができました。

個人的には跨ったことがなく、何とも言えないのですが、特に良くなっているということを聞いていたわけではなく…。追い切りで跨ったマユちゃん(黛騎手)が絶賛していたこと以外、ブッチャけノーマークだったんですよね。

それに対して、同じレースで1番人気になっていたエフテーグンダイは、2着、2着と来ていましたので、そりゃ期待していましたよ。いやぁ、競馬は本当に分からないです。

個人的な意見としては、デビュー戦で2着となり、中1週でまた2着となった後、中間1ヵ月空いたことで、難しい部分があったのかなと思っています。

どれくらい楽をさせれば良いのか、また逆にどれだけ攻めるべきなのかという部分など、まだ手掛けて間もないこともあって、関わっている我々がひょっとすると分かっていない部分があったのかもしれません。

今回に関しても、僕を含めて乗った人間たちの誰もが、良い状態と感じていたことは間違いないのです。それでも目に見えない疲れか、あるいは何かがあったと考えなければダメというか……進歩がないと思うのですよ。

最近、何かに気が付いていなかったんじゃないか、何かが足りなかったんじゃないか、と考えることで、次へのステップがあると、本当に思うのです。

時事の話はこれくらいにして、西田さんとの対談に移りましょう。今週が3回目になります。それではどうぞ。

[西田雄一郎騎手(以下、雄)]競馬というのは、1着と2着では違う。もちろん1着を目指して頑張るわけだけど、実は3着と4着も違うよね。ファンのみなさんにとっても、その差は大きいはず。

[西塚信人調教助手(以下、信)]複勝、あるいは三連複や三連単という馬券がありますからね。

[雄]でも、馬券では関係ないけど、5着と6着でも違うわけですよ。未勝利や500万だと優先出走権という部分で、その馬の競走生命さえ変えてしまう可能性がある。あと8着と9着でも、そこには大きな差があって、賞金がもらえるかもらえないかの瀬戸際だし、極論を言えば、同じタイムオーバーでも、いまは出走停止処分だけではなく、手当に対しても、もらえるかもらえないかの基準が設けられているわけだからね。

[信]2秒とか3秒とか細かく分類されていますよね。

[雄]そう、とても細かく分類されている。だから、全部最後まで一生懸命に頑張るというか、できる限りをやり尽くすことが、馬主経済という側面では大きな意味を持つ。いまの時代だからこそ重要なことだと思うし、出走できないタイムオーバーに加えて、賞金タイムオーバーになってしまったら出走手当さえもらえなくなってしまうわけだから。

[信]馬主さんから「出走した意味がなくなってしまう」と言われても仕方がないですよね。

[雄]そういうことは、トップの人たちは、絶対に考えて乗っていないはずだよ。おそらく、芝が何秒、ダートが何秒、あるいは距離に関しての分類といったタイムオーバーの基準さえ分かっていないと思う。

[信]あっ、そういえば、ずいぶん前に、投票所である馬について『この馬、タイムオーバーの可能性があるから1400mにしてください』って話してた西田さんの姿を思い出しましたよ。1300mと1400mは100mしか違わないのに、タイムオーバーの基準が1秒違うんですよね(笑)。

[雄]そう、1400mの方が断然良い(笑)。1秒もらった方が、タイムオーバーということを基準で考えたら、リスクが軽減されることになるよね。

[信]それでも、タイムオーバーになってしまう時は、なっちゃいますけどね。

[雄]それはそうだし、なってしまったら仕方がない。でも、できる限りのリスク軽減を目指すべきでしょう。

[信]そんなことを言うジョッキーに初めて会いましたよ。

[雄]馬主経済を考えるジョッキーというのがいても、いいと思う。ある馬主さんに馬主経済について話を聞いて、ではそこでジョッキーは何をすることができるのか、と考えたわけですよ。いま、馬主さんが減っている現実がある。そこには昔の旦那衆という存在が消えて、儲かる人は儲かる、儲からない人は儲からないというように、それこそ格差社会になっているわけですよ。その中で、いかに馬主さんに損をさせないようにするかということを我々乗り役も考えなければならないところに来ていると思う。

[信]でも、そこまで考えてるジョッキーっていないと思いますよ。

[雄]個人的には、一流の人は考えなくてもいいと思うし、みんなが考えていたら、西田のセールスポイントがなくなってしまうから、それでいいんじゃない(笑)。

[信]なるほど(笑)。

[雄]そんなことを考えている西田がいて、それを買ってくれる馬主と調教師さんがいる。そして、俺はそこで勝負していかなければならないわけだよ。


[信]そのように行動されてて、今年は見事に、地方競馬の重賞競走であるたんぽぽ賞(荒尾競馬)も勝たれたわけですね。

[雄]勝ったカシノチェストを所有する柏木(務)さんは、それこそ最後まで追ってくる姿を見て、声を掛けてくださったと聞いています。本当にありがたいですし、感謝しております。

[信]たんぽぽ賞というのは、九州産馬による重賞レースですよね。

[雄]3歳馬限定戦で、荒尾競馬場で行われるJRA交流競走だよね。地方では重賞扱いになっていて、クリスタルカップをいただきました。

[信]マジっすか!? 僕も荒尾には一度だけ行ったことがあります。海辺で、向こう正面には釣り人たちの姿が見える所ですよね。

[雄]そうだよ。向こう正面で返し馬しようが、それこそ競馬をしようが、釣り人たちはまったく無関心だからね(笑)。

[信]そう、そう。釣りをしている人たちは競馬にまったく関心を示さず、釣り糸に集中していました(笑)。

[雄]個人的には、あの長閑さが好きだなぁ。だから、少しでも売り上げがあがっていただいて、存続してほしい。

[信]あれほどオーシャンビューの競馬場はありませんからね(笑)。

[雄]ないね。

[信]向こう正面が堤防ですから、大井競馬場よりもオーシャンビューですよ。そう言えば、西田さんとは、地方交流で異様なくらいに一緒になりましたよね。

[雄]なったね。

[信]確か、金沢で一緒に遊ぼうとか話をしていた記憶がありますよ。

[雄]そう、西塚厩舎のノボスコーピオに勝たれた時だよ(08年10月14日)。2着に負けてしまったんだけど、あの時は何と言っても驚いたのが、追い切りの欄を見たら(ノボスコーピオが)金沢で追い切っていた! 凄い裏技を使ってるって思ったからね(笑)。

[信]そうですね。あの時は前日に繰り出すかどうか、何回も電話で話をしながら、結局、出掛けなかったんですよね。

[雄]そう、そう。あなたは奥方が一緒で、俺は俺で、自分の母親が来ていた。

[信]そうでした。でも、金沢って良い町ですよね。

[雄]俺も子供の頃に母親に連れてもらっているけど、綺麗だし、食べ物はおいしいし、好きな町ですよ。

[信]地方では、佐賀に行ったことがないんですよね。

[雄]あそこは驚くよ。ある意味、違反かもしれない。

[信]えっ、どういうことですか?

[雄]競馬場の入口近くに、直売馬肉っていう看板を出している店があったんだよね(笑)。

[信]マジッすか!?

[雄]九州という土地柄を考えれば馬肉というのはあっても、『直売』という文字には驚かされたよ。

[信]いくらサラブレッドじゃないと言われても……『直売』というのは驚きますねぇ。ちなみに、西田さんのベストオブ競馬場はどこですか?

[雄]数字的には荒尾かなぁ。あとは金沢だね。

[信]金沢は観光地ということでもありますし、いろんな面でいいですよね。食事はおいしいし、飲み屋さんもあるし、観光もあって、それこそ競馬と家族サービスの両立が可能ですから。あっ、そう言えば、金沢競馬場のスタンドにはお寿司屋さんがあるって知ってますか?

[雄]あっ、そうなんだ。

[信]ご存じないですよね。スタンドに行ったりしないですもんね(苦笑)。スタンディングスタイルなんですが、なかなか良い感じですよ。西田さん、競馬に乗らなくても、ぜひ一度、金沢競馬場に遊びに行ってください。


[雄]良いねぇ。ツアーを組もうよ。金沢は月曜日開催もしているからね。それにしても、金沢滞在した厩舎は過去にないでしょう。そんな裏技は見たことないよ(笑)。

[信]西田さん、そういう裏技みたいのは好きだったりしませんか?

[雄]好きだねぇ。あれから、いろいろな厩舎で、『金沢は滞在できるらしいよ』って言っているからね。

[信]それが、実はどこの競馬場でも滞在できるらしいのですよ。

[雄]なるほど。あとは、攻め馬に乗ってもらう人を確保できるかどうかということだけだね。

[信]そうです。ウチは現地の騎手の方に乗っていただいたんですよね。

[雄]それと厩務員さんは1頭持ちということをクリアできれば良いわけだ。

[信]そうです。さすが分かっていらっしゃる(笑)。ところが、門別など、1日に交流が2レース組まれる競馬場だと、2頭持ち滞在が可能となるわけですよ。

[雄]そうだね。

[信]金沢は1日1レースという感じで、2レース組まれることはあまりないですからね。あと、金沢は栗東から近いですから、関西馬だと滞在する必要もないのでしょう。それにしても、調教師試験を受けていないにも関わらず、タイムオーバーから見舞金まで、そこまで細かく知っている騎手の方っていないと思いますよ。僕の中では西田さんというと、馬主経済を考えるジョッキーという印象が強いです。

[雄]そういう騎手がひとりくらいいても良いでしょう(笑)。

[信]そうですよね。でも、西田さんをそのように見ている騎手の方は少ないかもしれませんよ。

[雄]確かに。

[信]いやぁ、良い話をありがとうございました。

[雄]こちらこそ、ありがとうございます。あっ、もう終わり? ひとつ付け加えてさせてもらうと、一度辞めた理由を『出頭無視』と書かないでください。

[信]まだ終わりじゃありませんよぉ(笑)。それよりも、出頭無視って書かれているんですか?

[雄]ネットとかで検索すると出頭無視ということになってしまっているんですよ。

[信]そうじゃないんですね。

[雄]包み隠さず言うと、新潟で60km制限のところを169kmで移動オービスで撮られたのです。その後、『事実確認をしたいから、乗っていた車を持って来てください』と警察から連絡がきたんですよ。撮られた時は新潟に滞在していたんだけど、連絡をもらった時点では美浦に帰ってきてしまっていた。だから月曜日の休みじゃなければ行けなかったんだけど、その当時、新潟県競馬がまだ開催されていて、交流競走に乗りに行くことになっていたから、『その時で良いでしょうか?』と新潟県警の方に連絡をして、延長のお願いをした。それで許可をいただいたんですが、自分自身がバカだったからなんだけど、その間に20kmオーバーというスピード違反で捕まってしまった。結局、予定通りに新潟県警で事情聴取を受けて、そこから検察庁へ行ったのです。そこで、『写真を撮られたという認識があるにも関わらず、またもう一度スピード違反で捕まるというのは常習的だから、罰金じゃ済まない。起訴します』と言われて、それで騎手免許を自主返納させてもらう形となった、というのが本当のところなんですよ。

[信]あっ、そうだったんですか。

今週はここまでとさせていただきます。

あっ、そういえば、先週に楽しみだと話をしたバンダムローゼは7着という結果になってしまいました。

初めての競馬という面もあったのではないかと思いますし、これを使われて変わってくれるのではないかと思いますので、次を楽しみにしたいです。

「ノビーズ」に関しては、本日(29日)よりライヴのチケットが発売されます! ぜひ、ひとりでも多くのみなさんに来ていただればと思いますので、どうか、よろしくお願いいたします。

ライヴの詳細はコチラ(※現在は見られません)

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。

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