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今年の中山金杯には、いくつもの驚きが用意されていた
文/編集部

中山金杯「日刊スポーツ賞」という冠が付いているが、当の日刊スポーツ紙面ではどんな予想がされているのか。そんなことが気になったので、当日の朝に新聞を開いてみた。

すると、競馬面に行き着く前に、母校である國學院久我山高校が全国高校ラグビー&サッカーで頑張っている記事が出ていたので、そちらに目を奪われたら、久我山サッカー部の主なOB紹介の箇所に、「村上てつや(ゴスペラーズ)」と出ていた。

トイレの便器に座りながら新聞を広げ、「ゴスペラーズ、俺の後輩かよ!?」と声に出して驚いてしまいました(笑)。サッカー部員がどうしてアカペラ!?などと思いつつ、「これ、今年最初のビックリやなあ」と感慨にふけっていたんですが、そんなちっぽけな驚きを上回る衝撃が中山金杯に待ち受けているとは、思いもしなかった。

何がビックリしたって、そのタイムだ。優勝したアドマイヤフジの勝ち時計はコースレコードタイ1分58秒57着キングストレイルまでが1分58秒台で走り、16頭中15頭が2分を切る時計でゴールした(ちなみに昨年の優勝時計は2分0秒7)。

芝2000mの関東の金杯1分58秒台が記録されたのは、86年以降では関西での金杯を含めても、86年以降に2000m戦で1分58秒台が出たことはないので、おそらく金杯史上最速の時計だろう。

もちろん、ハナを奪ったミヤビランベリが淀みなく逃げたことも関係しているのだろうが、そのミヤビランベリ0秒1差の3着に粘っている。レースを見終わった直後の感想は、なんでこんなに馬場が回復してるんだよ、だった。

有馬記念の週を思い起こしてもらえば分かるように、中山の芝はかなり重そうだった。あれから1週間。有馬記念から金杯までの間隔が開いていた昨年とは異なり、今年は本当に1週間(7日間)しか開いていない。通常の「連続開催」と何ら変わりなし。当然、荒れた馬場での開催になると思っていたら…。

中山芝2000m1分58秒台の勝ち時計が出たのは、04年皐月賞(ダイワメジャー、1分58秒6)以来。それ以前には、02年天皇賞・秋(シンボリクリスエス、1分58秒5)、02年皐月賞(ノーリーズン、1分58秒5)などで記録されている。この事実を見れば、優勝したアドマイヤフジG1級と認めることに異論を挟む人もいないだろう。

果たして、この馬場の変化を予知することは可能だったのだろうか。

有馬記念の週と金杯の週を比べると、いくつかの違いはあった。

まず、使用コースがAコースからCコース(内柵が6m移動)に変わっている。これにより、内ラチ沿いの馬場が走りやすくなった面はあったのだろう。

開催前日での芝の長さは、野芝は変わらず(約6~8cm)、洋芝は約10~14cmだったものが約8~12cmに変更されていた。2cmくらい短くなっているのだが、それによって時計がいかほど変わるものなのか?

他には、中山競馬場のある南関東で、ずーっと雨が降っていないという面もあった。しかし、それだけのことで…。

ちなみに、日刊スポーツ紙面中山金杯の馬柱を見直したら、ミヤビランベリにはどなたも印を付けていなかった(◎はアドマイヤフジに1名、ヤマニンキングリーに2名)。日刊スポーツの記者の方も、この馬場状態には驚いた人が少なくなかったのではないでしょうか。

連覇を成し遂げたアドマイヤフジは、94年のヒダカハヤト以来となる7歳以上での金杯優勝となった。その事実も驚きだが、昨年と今年で、ペースの異なる2レースを制したことは、賞賛されて然るべきだろう。

昨年も今年も逃げた馬が3着に粘っているが、昨年のメイショウレガーロは前半の1000mを62秒0で通過し、今年のミヤビランベリ59秒7。緩い流れにも、平均ペースにも対応してみせたのは、いくつものG1を走り、豊富な経験を培ってきたからこそか。

アドマイヤフジに驚かされたもうひとつのことは、前走のジャパンCダート14着に大敗を喫しながら、そこから一変してみせたことだ。

中山金杯において、ふた桁着順の前走から巻き返して勝った馬は、99年のサイレントハンター以来となる。

そればかりか、サンデーサイレンス産駒を除く父サンデー系は、前走ふた桁着順での中山重賞が[0.1.2.72]だった。アドマイヤベガ産駒は、昨年までの重賞での27連対がすべて前走7着以内アドマイヤフジは、これらのデータをことごとく覆したのである。単なる連覇という以上に、衝撃の快勝劇だったことが分かるだろう。

アドマイヤフジが7歳で優勝したこと、そして、その鮮やかな変わり身、さらにはコースレコードタイの好時計と、今年の中山金杯にはいくつもの驚きが重なった。レース後には、すっかり、「後輩のサッカー部員がゴスペラーズでも、驚きに値せず」と心変わりしていました(笑)。

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