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コースと馬場がノーザンダンサー・クロス馬にマッチした
文/編集部

目黒記念は今年で第123回目になる。こんなに回数が多いのは、かつては年に2回行われていたからだが、施行数が多いだけあって、このレースは2回以上優勝している馬というのがかなり多い。

海外遠征する日本馬のはしりであるハクチカラは、1957年に春秋制覇をしている。天皇賞馬であるハタカゼも2度(51年春、52年秋)制しているし、有馬記念&天皇賞馬であるスピードシンボリも2度(67年春、69年春)優勝している。

年に一度の施行となってからも、トシザブイが02&03年と連覇を果たし、06&07年にはポップロックが2年連続で勝利している(今年は11着)。

このような現象は、このレースの特殊性を表していると言えるだろう。よく言われることだが、東京芝の2400mと2500mは100mの違いではあるものの、活躍する馬を見ると適性がまったく異なる。東京芝2500mには、独自の適性が求められるのだろう。

例えば、今年のダービーネオユニヴァース産駒ロジユニヴァースが制したが、サンデーサイレンス産駒が登場した95年以降、これで父サンデー系の馬が8勝となった。15年で8勝だ。

一方、目黒記念はどうかというと、サンデー産駒が初めて登場した97年以降の13年で3勝。同コースのアルゼンチン共和国杯では、初登場の96年以降の12年で1勝(いずれも東京芝2500mに限る)。父サンデー系の馬にとっては、むしろ不得意コースと言える。

サンデーサイレンス直仔を除く父サンデー系の馬に限れば、東京芝2500mの重賞では[0.4.2.34]と勝った馬がまだ出ていなかった。今年の目黒記念にも6頭が出走していたが、レインボーペガサス4着が最高で、13~18着の下位6頭はすべて父サンデー系(サンデー産駒の2頭も含む)となってしまった。まあ、今年の場合は、不良馬場となった影響も大きいのだろうけど…。

東京芝の申し子と言われたトニービン産駒をはじめとした父グレイソヴリン系の馬も、なぜかこのコースの重賞では勝てないケースが多い。今回の目黒記念の前までで[1.4.6.32]

今年は1番人気のジャガーメイル父グレイソヴリン系(父ジャングルポケット)で、どうなることかと思ったら、2着に敗れてしまった。

東京芝の2400mと2500mは、スタート地点が100mズレるだけだが、ちょうど登り坂が差し掛かっている。あれが微妙な差を生んでいる気がしてならないのだが、だとしたら、よくぞこのようなレース設計を施したものだとも思う。

東京競馬場が開場した1932年当時にそこまで考えて造ったのかどうかは定かではないけれど、このコース設計の妙が、かつての競馬場所在地を冠するレースで見られるのだから、なんとも不思議なものである。

父サンデー系父グレイソヴリン系の馬がなかなか勝てないレースを、今年、制したのは、オペラハウス産駒ミヤビランベリだった。父ノーザンダンサー系や父ロベルト系の勝ち馬が多いコースらしい結末だった。

非情な雨も、ミヤビランベリにとってはプラスに働いたのだろう。ミヤビランベリは父がオペラハウス(その父サドラーズウェルズ)で、母父がホリスキー(その父マルゼンスキー)。メイショウサムソンらと同じノーザンダンサー・クロス馬で、極悪馬場でスタミナ比べとなり、その適性の差を見せつける形となった。

冒頭で、目黒記念は年に2回施行されていた、と記したが、それが改められたのは、グレード制が導入された1984年。以後は年に一度の開催となり、今年で26回目となった。

96年までは2月に行われていたのだが、97年以降は春開催に移行された。84年以降では、2月開催が13回、5~6月の開催が13回と同じ回数が行われていることになるが、実は道悪での施行数は、2月開催時が3回、5~6月開催時が6回となっている。

目黒記念は、5月下旬から6月中旬に行われるようになってから、およそ半分(13回中6回)が道悪馬場(稍重~不良)というわけだ。これは梅雨入り前の時期ということと多分に関係しているのだろう。

ミヤビランベリは、この傾向ともマッチしたと言える。逆に、父サンデー系父グレイソヴリン系の馬たちは、開催時期やコースが変わらない限り、切れ味を殺がれる分、この先も目黒記念での苦闘は続くのかもしれない。

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