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「ダービー馬対決」にふさわしい、手に汗握る熱い戦いとなった
文/浅田知広

ウオッカディープスカイ1600m以下でダービー馬が対決するのは81年のマイラーズC、カツラノハイセイコ(1着)対オペックホース(4着)以来、などという情報が各紙に掲載されていた。ついでに言えば、両馬ともにダービー馬ながら、この東京芝1600mでもG1勝ちがあるというのだから珍しい。

しかし、そもそも距離を問わず「ダービー馬対決」自体がそう多いものではない。と書くと、この2頭以外にもディープインパクトメイショウサムソンで結構あるじゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれない。

しかし、これはあくまで「近年」の話。一時はダービー後すぐ、あるいは2~3戦を重ねるのみで引退を強いられる馬が続出し、そう滅多に見られるものではなかったのだ。

たとえば、ここ20年では、まず93年の有馬記念トウカイテイオー(4番人気1着)対ウイニングチケット(3番人気11着)。続いて、02年のジャパンCジャングルポケット(3番人気5着)対アグネスフライト(15番人気16着)。前半15年ではこの2レースのみで、その次は06年ジャパンCディープインパクト(1番人気1着)対メイショウサムソン(4番人気6着)と最近の話になってくる。

これは、近年のダービー馬が大きなケガなく走り続け、しかも結果を出していることの裏返し。こうして繰り返し「対決」が見られることは、ダービーというレースの価値をさらに高めることにも繋がってくるはずだ。

そんな「ダービー馬対決」ウオッカディープスカイの顔合わせは昨年の天皇賞・秋ジャパンCに続く3度目となった安田記念。レースも「ダービー馬対決」にふさわしい、手に汗握る熱い戦いとなったと言えるだろう。

前半3F33秒4の速い流れで、中団に控えたウオッカと、その直後をぴったりとマークするディープスカイウオッカが手応え抜群に進出すると、ディープスカイも馬なりで楽々と前へ。4コーナーを回ると、直線は「ダービー馬一騎打ちか」という期待が高まった。

ところが、直線に向くと2頭の前には3頭、4頭と前が壁。内に入ったディープスカイがその間をスパっと割ったのに対し、ウオッカは右往左往で待たされる形。レースの「注目度」「結果」は別、こうした展開のアヤでファンの期待通りの結果にならないことなど多々あるもので、今回は一気に突き抜けたディープスカイに軍配が上がるものと思われた。

しかし、クライマックスはこの後に待っていた。残り200m、ウオッカがついに壁を突き破ってディープスカイの直後から2番手に上がると、ゴール前ではまさに「1頭違う脚色」ディープスカイを捕らえてさらに突き放す、見事なまでの差し切り勝ちだった。

ブエナビスタのここ数戦もそうだが、不利があろうと、それをものともしない走りは、たとえ着差がわずかでも底知れない強さを感じるものだ。

これで牝馬初のG1・6勝。「ウオッカ強ぇ!」と言ったところで「なにをいまさら」という話だが、その強さを改めて認識させられた一戦だったと言ってもいいだろう。

一方のディープスカイは、昨秋のウオッカと同斤量の競馬から、2キロ重い58kgになっていた。今回はこの2kg差も効いて、相手の不利を自らの利とすることはできなかったが、まだ成長の見込める4歳春。再対決の機会さえあれば、逆転のチャンスは十分にあるはずだ。

その前提は「両馬ともケガがなければ」。各馬が順調にレースを重ねることで、近年は多く実現してきた「ダービー馬対決」。ひとつ下のロジユニヴァースも含めた「3代ダービー馬対決」も見たいところで、まずは各馬とも無事に宝塚記念秋競馬を迎えてほしいものだ。

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