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ホッコーパドゥシャはチャンピオンに相応しい
文/編集部

連覇を狙う1番人気アルコセニョーラの単勝オッズは6.3倍で、10倍を切ったのは5頭と、確固たる中心馬が不在だったこのレース。結果も全出走馬18頭が0秒9差の中にひしめく、まさに「ハンデ戦らしい」大激戦を制したのは7歳馬ホッコーパドゥシャだった。

前半は1000m通過が61秒8でかなりのスローペースとなり、1番人気アルコセニョーラは10~12番手の馬群の中、2番人気デストラメンテは逃げたメイショウレガーロのすぐ後ろ、3番人気エアシェイディは後方から進む。

ホッコーパドゥシャはスタート直後は10番手あたりを追走していたが、3コーナーを迎えるところで先行集団のすぐ後ろにつける。サンライズベガも内からジワジワとポジションを上げて、メイショウレガーロの直後で直線に入る。

開催も残すところ2週となった新潟は明らかな外有利の馬場となっており、最内を回したマルカシェンク以外の17頭は馬場の外目に進路を取る。スローペースの影響もあって、前で叩き合うメイショウレガーロサンライズベガとの差がなかなか詰まらない。そのまま2頭が粘り込むかと思われたが、ゴール寸前でホッコーパドゥシャがひと伸びして2頭を差し切った。

ホッコーパドゥシャは先行集団のすぐ後ろにいたが、4コーナーから直線に入るところではなかなか前が開かずにどんどん順位を下げ、一旦は最後方にいたエアシェイディにも交わされる苦しい位置取り。

しかし、前が開いてからは目の覚めるような伸びで、一気に前を交わし去った。エンジンのかかりの遅いタイプで、しかも2番人気だった七夕賞(3着)、1番人気だった小倉記念(2着)も勝ち馬とは僅差。直線が延びたここは大きなチャンスだったはずだが……なぜか5番人気で、典型的な「人気の盲点」だった。

2着はサンライズベガ、3着はメイショウレガーロで、ともに前に行った馬。4着は最後方から唯一飛んできた古豪エアシェイディで、中山記念以来の休み明けということを考えれば、さらなる前進も期待できそうだ。連覇を狙ったアルコセニョーラは5着。

ホッコーパドゥシャを管理する村山師は、テスタマッタで今年のジャパンダートダービーを制しているが、JRA重賞は初勝利。当初騎乗予定だった石橋脩騎手は、9Rで落馬負傷したためにこのレースから乗り替わり。松岡騎手などと同期の7年目で、1年目には25勝を挙げて民放競馬記者クラブ賞を受賞した同騎手。

無事に騎乗できていれば、こちらも待望の初重賞となる可能性が高かったと思うが……残念としか言いようがない。急遽乗り替わった江田照男騎手は、06年関屋記念以来、ほぼ3年ぶりの重賞制覇となった。

また、このレースはサマー2000シリーズの最終戦。七夕賞3着、小倉記念2着でここに臨んでいたホッコーパドゥシャは、総合19ポイントでシリーズチャンピオンとなった。なお、2位は15ポイントのサクラオリオン、3位は12ポイントのヤマニンキングリー

ちなみに、ホッコーパドゥシャの稼いだ19ポイントはサマー2000シリーズの歴史の中では最多となる。7~9月は[3.3.1.1]と好成績を残しており、夏場が良いタイプなのだろうが、短期間に福島(七夕賞)→小倉(小倉記念)→新潟(新潟記念)と転戦し、しかも、混戦模様だった3戦すべて3着以内に入った。

7歳馬にしてこのタフネスぶり、抜群の安定感、そして急遽の乗り替わりでも自分の力をきっちりと出した順応力は脱帽モノだろう。ホッコーパドゥシャはまさに「サマー2000シリーズのチャンピオン」にふさわしい結果を残したと言える。

ところで、06年に創設されたこのサマー2000シリーズは、これで4年連続して第1戦・七夕賞、第3戦・小倉記念、第5戦・新潟記念の出走馬(06年スウィフトカレントは七夕賞、07年ユメノシルシは小倉記念不出走)がチャンピオンに輝く結果となった。また、4頭はいずれも第2戦函館記念、第4戦札幌記念には不出走だった。

札幌記念が芝2000mになって以降、札幌記念函館記念を連勝した馬(開催が逆だった時代も含め)は皆無。G2である札幌記念のポイントを高くするなど、一応偏らないようにはされているが……。このシリーズにおける北海道開催の2レースの位置づけについては、今後一考の余地がありそうだ。

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