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ローレルゲレイロのような「G1・2勝馬」も珍しい
文/浅田知広

競馬で着差が開きやすいのは長距離戦パワー勝負スタミナ勝負。逆に、僅差になりやすいレースといえば、短距離戦上がり勝負になる。JRAのG1の中でも最短距離で争われるこのスプリンターズS、そして天気も回復して良馬場でのスピード勝負、となれば、僅差の接戦というのもある程度は想像される。

とはいえ。あの歴史に残る大接戦を思い出させるような厳しい戦いが、こんな短期間の間にまた同じ舞台で見られることになろうとは。

……と思って調べてみたら。「あの歴史に残る大接戦」はすでに「過去10年表」からとっくに消えた96年、いまからさかのぼること13年前。フラワーパークエイシンワシントンのハナ差の勝負からもうそんなに経っているとは、競馬をやっていると時の流れは早いものだと、改めて感じた今年のスプリンターズSだった。

読者の皆さんにも、2頭がゴール板を通過した瞬間に、その一戦を思い出した方もきっと多かったに違いない。

今年、そんな名勝負を繰り広げたのは、ローレルゲレイロビービーガルダンだった。春の高松宮記念を制したローレルゲレイロ。そして、昨年のこのレースでは3着に敗れ、今年こそはと挑んだビービーガルダン

もちろん、G1初制覇のかかるビービーガルダンにとっては、どうしても欲しい勝ち星だったが、ローレルゲレイロにとっても、「春秋スプリントG1連覇」という金看板は先々へ向けてぜひとも欲しいもの。そんな勝者と敗者、この2頭の明暗を分けたのは、やはりスプリント戦らしくスタートだったのかもしれない。

7枠13番からポンと真っ先に飛び出したのはローレルゲレイロ。一方のビービーガルダンは中ほどで「ゴチャゴチャ」っとした中でやや遅れ気味。二の脚速くすぐに好位に取りついたものの、この「二の脚速く」が最後のひと踏ん張りの差に結びついた可能性もあるだろう。

逆に、ローレルゲレイロにとってこの好発は勝利への必須条件。逃げ馬が好発を切ったからといって勝てるとは限らないが、逃げ馬が後手を踏んでしまえば、それはそのまま敗戦へと直結しかねない。

この時点では、とりあえず力を出せずに終わることだけは避けられたローレルゲレイロと、ほんの少し遅れたとはいえ無難にまとめたビービーガルダン、という差しかなかったはず。ただ、終わってみればクビの上げ下げでのわずかなハナ差。勝因、敗因を探るとすれば、やはりこのスタートは大きな要因のひとつと言えそうだ。

そんな好スタートからはじまって、大接戦をものにして達成された「春秋スプリントG1連覇」は史上3頭目。1頭は01年のトロットスター、そしてもう1頭は96年、実はここにもフラワーパークの名前が登場したりする。

そのフラワーパークスプリンターズSが最後の勝利となってしまったが、さて、このローレルゲレイロは今後、いったいどんな成績を残してくれるのだろうか。少なくとも、フラワーパークとはまったく違うタイプの馬であることは確かだ。

というのは、このローレルゲレイロ、実はふた桁着順の敗戦を計7回も喫しているのだ。最近の「G1・2勝以上馬」をざっと調べたところ、02年のジャパンCダートを制したイーグルカフェその直前までふた桁着順6回、というのがどうやら最高。

いくら「勝つか大敗か」という逃げ馬といえど、ここまでの「G1・2勝馬」も珍しい。一昨年の皐月賞出走時には[1.4.2.0]の安定感(と勝ち切れなさ)を誇っていた馬。それが、こんなにもムラな成績を残し、そしてスプリントG1を2勝もするとは、いったい誰が想像しただろうか。

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