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「前へ前へ」進んで、重賞未勝利馬が重賞で『横綱相撲』

過去20年のAR共和国杯を調べたら、トウショウナイトの先輩がこれだけいた。

04年レニングラード
02年サンライズジェガー
01年トウカイオーザ
99年マーベラスタイマー
97年タイキエルドラド
94年マチカネアレグロ
93年ムッシュシェクル
92年ミナミノアカリ
89年クリロータリー
87年カシマウイング

勝ち馬20頭中、半数の10頭が、このAR共和国杯で重賞初制覇を成し遂げていたのだ。

そういう性格のレースだと知っていれば、最後の直線でトウショウナイトアイポッパーが叩き合う姿は、かなり「想定の範囲内」だったと言える。

トウショウナイトはこれまで東京競馬場では良積を残せずにいた。7回走って成績は次の通り。

いちょうS(芝1600m)5着
東スポ杯2歳S(芝1800m)6着
500万下(芝2000m)4着
500万下(芝2300m)1着
白富士S(芝2000m)5着
メトロポリタンS(芝2400m)4着
目黒記念(芝2500m)8着

重賞で記録した3着以内3度はすべて右回りで、東京芝では明らかにちょい足らずのレースが多かった。

その弱点を克服すべく、今回、武士沢騎手は騎乗したように見えた。

道中5番手という位置取りは比較的前目。しかも、アイポッパーチェストウイングウインジェネラーレといった有力馬よりも前につける形となり、これは逆に考えればマークされる位置取りでもある。

それでも武士沢騎手は前へ前へ進んだ。

あるいは、武士沢騎手トウショウナイトにとって今回のAR共和国杯は、他馬の動きどうこうではなく、自分との闘いだったか。

先に仕掛けたトウショウナイト&武士沢騎手は、まず軽量の先行各馬を潰し、続いてウインジェネラーレメジロトンキニーズの追撃を振り切った。最後はアイポッパードラゴンキャプテンの強襲をも受け止めて、それも凌ぎきった。

重賞未勝利馬が重賞で見せた、まさに横綱相撲。それを可能にしたのは、紛れもなく武士沢騎手「勝つ」という強い意志だったろう。

重賞制覇を成し遂げ、次はより大きな目標へ向かうことになるトウショウナイト。先に挙げた先輩たちのその後の重賞成績を思い起こしてみれば、傾向的にはたやすくないことは分かるだろう。

ただ前記した10頭中9頭は、斤量55kg以下でこのレースを制している。唯一の例外は04年の覇者レニングラードだが、この馬とて56kg。トウショウナイト57.5kgの重ハンデを克服して勝利したわけだから、違った未来がやってきても不思議はない。

トウショウナイト武士沢騎手、そして一時の不調から見事に復活させた保田厩舎のスタッフには改めてエールを送りたいが、もうひとつ、トウショウ牧場の底力にも触れておきたい。

シーイズトウショウスイープトウショウの牝馬2頭の活躍に止まらず、このトウショウナイトも復活した。

それこそトウショウボーイの時代から、血統が更新され、枝葉を広げている。日本競馬の誇りとも言える存在だろう。

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