ステイゴールドの仔で幕引きというのはしっくり来るけど……
文/編集部

重賞勝ちの実績馬を押し退け、
サンライズマックスが単勝2.4倍の1番人気。2番人気の
タスカータソルテが4.7倍なのだから、
断然の支持を集めたと言っても過言ではない。
1000万を勝ったばかりの
サンライズマックスにこれだけ人気が集中したのも驚いたが、終わってみれば、2着
ダイレクトキャッチ以下を抑えてきっちりと勝利。
しかも、
53kgという軽ハンデだったとはいえ、最後方から大外をマクり、メンバー中最速の上がり(34秒3)を使って突き抜けたのだから、その強さにはただただ感服するしかなかった。
だって、普通は届かないでしょう(笑)。
トップオブツヨシと
マイネルキーロフが後続を離して引っ張ったことで、
1000m通過58秒5と速くなり、後方に控えていた
サンライズマックスに流れが向いたことは確か。
それでも、常に外、外を回ったことで他馬より距離ロスがあったのは明白だし、それでなおかつ、終い3Fのラップは
11.9-11.8-11.4とゴールに近づくにつれて速くなっているという。
こんなことは、よほどスタミナがないとできない芸当。
菊花賞は除外となったわけだけど、もし出走できていれば、きっといい勝負ができたでしょうね。抽選対象だったからもっと人気もなかっただろうし……本当に残念です(笑)。
いずれにしても、その人気もさることながら、破天荒なレースぶりにはもっと驚かされたわけですが、馬券ファンの目は実に的確ですね。感服です。
ステイゴールド産駒はこれで、
ドリームジャーニーの
朝日杯FSと
神戸新聞杯、
ソリッドプラチナムの
マーメイドS、
アルコセニョーラの
福島記念に続き、
重賞5勝目となった。
そのうち、
ソリッドプラチナム、
アルコセニョーラ、
サンライズマックスの勝利はすべて、
平坦芝2000mのハンデ戦であり、3頭とも
49kg、
51kg、
53kgと軽量だったんですよね。
しかも3頭とも、
「これはちょっと届かないんじゃ……」と思わせるような位置から、強烈な追い込みを決めて差し切るというレースぶりまで似通っている。
まあ、それはそれとして、今後も
「平坦芝2000mのハンデ重賞で、軽ハンデのステイゴールド産駒は要注意」というのは覚えておいて損はないでしょう。
でも、
ステイゴールド産駒はなんでこんなに
平坦芝でよく走るのか。それは
お父さんの成績を振り返ってみると、そのあたりに要因があるように思えてくる。
というのは、お父さんの
ステイゴールドは
急坂の中山&阪神芝では[0.5.5.8]、
東京芝[2.3.1.6]、
平坦芝では[3.4.2.9]という成績だったのだ。
勝ち切るなら平坦芝という戦績。これが子供たちにも受け継がれているのかもしれませんね。
ステイゴールドはすごくなんとなくですが、遺伝力が強そうだし。
ステイゴールドは現役時代、
400kg前半の小柄な馬だったけど、上記した重賞ウイナー4頭もみんな、
400kg前半の小柄なタイプなんですよね(今回の
サンライズマックスの馬体重は
440kg)。
まあ、それはそれとして(すぐに話が脱線してスミマセン)、
父内国産限定戦としての
中日新聞杯は今年でフィナーレ。来年からは
マル混競走して生まれ変わる。
その
最後の父内国産限定戦・中日新聞杯を制したのが、自身も
引退戦の香港ヴァーズで劇的なG1初制覇を飾った
ステイゴールドの仔
サンライズマックスというのは、個人的にはしっくり来る幕引き。
ただ、鞍上が
外国人騎手のデムーロ騎手だったというのは、ちょっと惜しまれるところ。昨年の勝ち馬
トーホウアランの手綱を取ったのも、今回、
タスカータソルテで3着となった
ルメール騎手だったし。
「人馬とも内国産でフィナーレ」という、個人的な思惑通りにはいかなかったけど、マル混競走の元年となる来年こそは、
内国産ジョッキーの奮起を期待したいです。