勢いに乗ってるサクラバクシンオー産駒はゴルゴ13で、不安材料は蚊でした
文/編集部
前年覇者の
スリーアベニューが
ハンデ56kgで、
同3着だった
ニシノコンサフォスが
57kg。この2頭は前走の
ギャラクシーSをともに休み明けで走り、
スリーアベニューが
57kgで
4着、
ニシノコンサフォスが
56kgで
9着。
どちらも
スリーアベニューが先着していて、前走は
スリーアベニューの方が重斤量でもあった。にも関わらず、今回の2頭のハンデは逆転していた。
またハンデに関するイチャモンですか?と言われそうだけど、いったい何を見て今回のハンデは決められているんだろうか?
各レースのレイティングに基づく算出なのだろうけれど、そもそも、その
レイティングが間違ってるんじゃないだろうか?
重賞で頭数さえ揃えば馬券は売れると思うのは大間違いで、
「なんじゃこりゃ!?」と思うようなハンデになっていると、競馬ファンは馬券を買い控えたりするものですよ。もう少し納得できる舞台を整えないと、関係者もファンもあきれるばかりだと思いますが。
今年の
ガーネットSは、1着から7着のうち、5着の
トーセンザオーを除く6頭が
前走から斤量減の馬だった(
トーセンザオーは
55→55kg)。
勝った
タイセイアトムは
57→54kg。しかし、同馬は
536kgという超大型馬で、そのレースぶりを見ても、
56kgぐらいでも勝てたのではないかと思わせるほど強かった。
前走に続いて
大外枠だったことも良かったのだろうが、
やはり勢いのあるサクラバクシンオー産駒は侮れないとの思いを新たにした。
サクラバクシンオー産駒はこれまでに10頭の重賞ウイナーを輩出しているが、それらの初重賞制覇時には
ちょっとした共通項がある。せっかくだから、すべてを列記してみましょう。
メジロマイヤー(02年きさらぎ賞)
前走・白梅賞(500万)
①着ショウナンカンプ(02年高松宮記念)
前走・オーシャンS(OP)
①着エイシンツルギザン(03年ニュージーランドT)
前々走・はなのき賞(500万)
①着シーイズトウショウ(03年CBC賞)
前走・アンドロメダS(OP)②着
ブランディス(04年中山大障害)
前々走・障害OP
①着デンシャミチ(05年京王杯2歳S)
前走・芙蓉S(OP)②着
ブルーショットガン(06年阪急杯)
3走前・六甲アイランドS(1600万)
①着ニシノチャーミー(06年函館2歳S)
前走・新馬
①着アドマイヤホクト(07年ファルコンS)
前走・クリスマスローズS(OP)
①着マルブツイースター(07年小倉2歳S)
前走・未勝利
①着10頭のうち5頭が前走①着で、2走前まで含めれば
7頭が勝ち鞍を挙げている。残りの3頭のうち2頭は
前走連対馬で、近2走で連対歴のなかった
ブルーショットガンも
3走前に①着となっていた。
しかも、下級条件を勝ち、その勢いのまま重賞を制するケースが目立つのも特徴的で、今回の
タイセイアトムもまさにそのパターンだった。
タイセイアトムの場合は、これまでの6連対がすべて
平坦コースで
急坂への不安を感じ、
サクラバクシンオー産駒がダート重賞で未勝利でもあったので割り引いて考えてしまったのだが、直線は完全なる一人旅。
急坂だとか
砂だとか、そんなことは、勢いに乗ってる
サクラバクシンオー産駒にとっては、
“ゴルゴ13の血を吸おうとする蚊”ほどの存在に過ぎなかったようです(笑)。
サクラバクシンオー自身が、
OP特別(キャピタルS)①着→
スプリンターズS(G1)①着という形で初G1制覇を成し遂げているほどで、今後も勢いに乗ってる
サクラバクシンオー産駒は、下級条件上がりでも軽視しない方が良さそうだ。
1000万→
1600万→
G3と駆け上がった
タイセイアトムの勢いは、今後、どこまで続くのだろうか。
サクラバクシンオー産駒の重賞勝ち馬は
タイセイアトムで
11頭目と前記したが、実はそのうちの
メジロマイヤーと
ショウナンカンプも
3連勝目での重賞勝利だった。
2頭の重賞初制覇の次走成績は?というと、
メジロマイヤーが
皐月賞で
⑱着に敗れ、
ショウナンカンプは
函館スプリントSで
④着に屈している。
調べてみると、この2頭以外にも、
ジョイフルハートや
シャドウストライプ、
ブランディス、
オートセレブなど3連勝を記録したサクラバクシンオー産駒は何頭かいるのだが、全馬が
4連勝を目指したレースで敗れていることが分かった。
果たして、
タイセイアトムは、
サクラバクシンオー産駒としては初となる4連勝を次走で決められるだろうか。今回、
タイセイアトムを信じた人も、軽視した人も、次走の走りにどうぞご注目を。