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丸くなったニュー・カンパニーがまたも秘技を炸裂!
文/編集部

鞍上の横山典騎手曰く、「丸くなった」そうである。カンパニーのことだ。

これまでのレースぶりを見る限り、それほど気難しい感じには見えなかったが、やんちゃな面もあったのか。それでこれまでは後方からの競馬を続けていたのかもしれない。

私の周りにも「俺も丸くなったよ」と言う人がいるが、自分自身で言う人は信用しないことに決めている(笑)。でも、カンパニーの場合は、23年目のベテランジョッキーが言うのだから、間違いないだろう。

丸くなった性格もあって、前走の中山記念、そして今回のマイラーズCと、カンパニー先行策を取った。

特に今回は内枠(2枠3番)だったこともあり、先行勢の直後の内ラチ沿いというベストポジションを確保し、直線で外目に出されて抜け出して快勝するという、競馬教科書の基本中の基本という感じの勝ち方だった。

前走で先行抜け出しという新たな一面を見せたことで、今回のカンパニーは1番人気に推されたが、その単勝オッズは2.9倍と、ファンの心理は少し微妙なものであることを表していた。

それは、牡馬にしては小柄なタイプで、斤量58kgでは連対経験がなかったことと、この日の馬体重が6kg増の466kgだったことが影響していたと思われる。

前走の中山記念時は460kgで、それを含めて、過去に3着以内に入った時はすべて462kg以下だった。464kg以上では、06年安田記念(466kg)11着06年宝塚記念(464kg)5着07年マイルCS(466kg)5着という記録が残されていた。

レース前の陣営のコメントでも「少し余裕があったので2週続けて追った」とあり、今回の馬体重を見て「太めが解消されていないのでは?」と勘ぐった人もいたことだろう。

私の周りには「俺も丸くなったよ。腹回りじゃなくて、性格がね」と言う人がよくいるが、結局、丸くなっていたのは体型だけだったというケースばかり(笑)。でも、カンパニーは、多少太めだったのかもしれないが、上がり3Fを34秒3でまとめて、切れ味は少しも殺がれていないことを証明してみせた。ニュー・カンパニーの完成だろう。

カンパニーの今後は、自身3度目の挑戦となる安田記念になるのだろう。昨年は出走していないが、05年5着06年11着という記録が残されている。東京芝1600mコースは、今年の東京新聞杯(4着)も含めて3度走っているが、まだ勝ったことはない。

それでも、走破時計は1分32秒61分33秒81分33秒0で、いずれも4コーナーでの位置取りが12番手以降だった。好位抜け出しという秘技を身につけたニュー・カンパニーなら、違う結果を出せるかもしれない。横山典騎手の手綱捌きに注目したい。

さて、そのカンパニーにただ1頭だけ迫ったのが紅一点のニシノマナムスメだった。ニシノマナムスメは前走の中山牝馬S1番人気4着に敗れた後で、今回は8番人気「牝馬同士のレースで負けた後に、同斤量で牡馬相手では…」という感情を多分に含んだ低人気だった。

日刊スポーツ新聞にコラムを持つ馬主の西山茂行氏によれば、ニシノマナムスメ中山牝馬S4着になった後、次走は阪神牝馬Sを考えていたそうだ。しかし、管理する河内調教師「ヴィクトリアマイルを目標としているのでマイル戦を走らせてほしい」と話し、合意に至ったという。

「父(アグネスタキオン)と母(ニシノフラワー)をよく知る河内師に任せた」西山氏は記していらっしゃるが、この背景を読むと、西山氏と河内師の信頼関係の厚さがこの英断と好走に結びついた気がする。

いや、この2着をもって好走とするのは違うのだろう。ヴィクトリアマイルのゴールを先頭で駆け抜けるための判断であったのだろうから。

ちなみに、僭越ながらデータ補足をさせてもらうと、過去10年(98年以降)、東京芝1600mのG1を制した牝馬は4頭いるが(ラインクラフトダンスインザムードピンクカメオコイウタ)、4頭とも前走はマイル戦だった。逆に、距離延長で挑んだ牝馬の成績は[0.2.3.29]。こういうデータを見つけると、さすが『牝馬の河内』と呼ばれた人だと思ってしまう。

前週に同じ阪神芝外回りの1600mで行われた桜花賞は、3連単が700万円を超える超大穴となったが、今回のマイラーズCの3連単配当は、その350分の12万円。しかし、こういう馬券をきっちり獲る人が勝ち組に君臨するんでしょうなぁ。

配当の高低に踊らされる私が、カンパニーのように性格が丸くなり、河内師のような冷静な判断が下せるようになるのはいつの日のことか(笑)。

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