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「いたるところに在る」なんていうのはとんでもない謙遜
文/編集部

現3歳世代のダート戦線において、ユニコーンS前のユビキタスの位置付けは、横綱サクセスブロッケンに次ぐ大関というのが大方の見方だったと思われる。

ダートでは土付かずの4連勝を飾ったサクセスブロッケンに対し、ダートでは[3.2.1.0]と4着以下がなかったものの、端午Sでは横綱に5馬身ちぎられたユビキタス。その評価は妥当だった。ところが…。

ユニコーンS終了後に急遽、自分の脳内で横綱審議委員会を開いた結果、西の正横綱サクセスブロッケン(関西馬)であるとして、東の正横綱ユビキタス(関東馬)を強く推す声が上がりました(笑)。

一部には米G2のピーターパンSで圧勝したカジノドライヴを推す声があったのも確かだが、ベルモントS回避という残念な結果を受け、その評価は次走以降に持ち越しとなり、ユビキタスが晴れて東の正横綱に選ばれたというのが経緯だ。

そのユビキタス。レースでは2番手で抑え切れない手応えで進み、持ったままの状態でラスト1Fに差し掛かり、そこから安藤勝己騎手の合図に反応して一気に後続を突き放す。安藤勝己騎手が後ろを振り返る余裕までありながら、2着以下には7馬身差をつけた。

ダートの無敗馬が出て来ようが、芝の重賞ウイナーがかかって来ようが関係なし。560kgという巨体はすでに横綱の風格を漂わせていたが、レースぶりも番手から堂々と押し切り。格の違いを見せつけ、まさに横綱相撲と呼ぶに相応しいものだった。

勝ち時計は1分35秒1良馬場の東京ダ1600mをそんな時計で走った3歳馬なんていたか!? 記憶を巡らせても咄嗟に出てこない。03年のユニコーンSで5馬身差の圧勝を飾り、当時のレコードで制したユートピアでも1分35秒8だった。

お父さんのアグネスデジタルも、3歳秋の武蔵野S(良)では1分35秒6で2着、フェブラリーS(02年、良)を勝った時は今回のユビキタスと同じ1分35秒1で走破していたが、油の乗っていた5歳時だった。

カネヒキリも、ユニコーンS(良)の勝ち時計は1分36秒5、4歳冬のフェブラリーS(良)では1分34秒9で圧勝していたが、3歳秋の武蔵野S(良)では1分35秒5で2着、勝った3歳馬のサンライズバッカス1分35秒2だった。

3歳春の時点で、ユビキタスが叩き出した今回の時計がいかに優秀であるか。同じ良馬場であっても、各レースで馬場の質が違うのかもしれない。ただ、それを差し引いて評価しても立派と言えるだろう。

ちなみに、3歳秋1分33秒3という時計で走り、武蔵野S(良)で9馬身差の圧勝を飾った馬がいた。自身がマークした芝のNHKマイルCの勝ち時計とわずか0秒3差である。過去の馬を神格化するつもりはないが、クロフネはやはり怪物だったということか。

クロフネと比較するのは酷という話もあるが、いずれにしてもユビキタスのパフォーマンスが圧巻だったのは間違いない。ユニコーンSサクセスブロッケンが出ていたら、カジノドライヴが出ていたら…ぜひとも砂被り席で観戦したい一戦でした(笑)。

ユビキタスという馬名は英字表記だとUbiquitousで、これはラテン語で「いたるところに在る」という意味らしい。近親には84年の安田記念を制したハツピープログレスに目が行くくらいであり、血統背景はそれこそいたるところに在りそうなもの。

だが、こと今回のユニコーンSのレースぶりに関しては、「いたるところに在る」なんていうのはとんでもない謙遜であり、そう滅多にお目にかかれるものではないだろう。

ユビキタスはこの後、どのレースに向かうかは定かでないが、もしJCダートを目指すとすれば、今回も抑え切れない感じで2番手につけていたように、スピードが勝ったタイプなので距離延長が課題になるかもしれない。

それでも今後も、前向きな気性から察すると、不撓不屈の精神で頑張ってくれることだろう。ひとまず今回は「滅多に見られない良いモノを見せてくれた」ということで、ユビキタスには惜しみない賛辞を送りたい。

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