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人事を尽くして天命を待つ。陣営はそんな心境だったのかも
文/編集部

「メインレースの考え方」では、少頭数ながら迷わせられる要素が多いと記し、荒れる可能性も示唆したものの、正直なところ、まさかここまでとは思いもよらず…。

実績と調子のどちらを取るか、とも記したが、勝ったのは1000万クラスで7戦して最高着順が5着という、実績面でも調子の面でも裏付けに乏しい馬だったという…。これを外野的に後付で解説するには、「道悪を味方に付けた」としか言いようがないだろう。

優勝したトーホウシャインは、前回の優勝が昨年7月の小倉芝1800m戦(500万)で、その時が雨中での重馬場だった。

16頭立ての14番枠スタートで、形としては後方からの差し切りだったが、終始内ラチ沿いを走り、直線でも最内を突いたもの。状況は今回と酷似している。

ただ、だからといって、重賞のここで、レース前にトーホウシャインに高い評価を与えられたかと言われれば、それはかなり難しいだろう。

トーホウシャインの父のスペシャルウィークは、自身がダービーを制した時が稍重で、重馬場阪神大賞典も制しているように道悪は得意で、その特徴は産駒にも受け継がれているケースが多い。

トーホウシャインもその1頭なのだろうが、今回は、同じスペシャルウィーク産駒がもう1頭出走していた。稍重馬場で連勝を遂げてきたブリトマルティスがそれで、こちらは鞍上が武豊騎手。血統で馬券を買う人も、トーホウシャインよりブリトマルティスを上に見るのが普通だったことだろう。

予想をするサイドにとっては、出走馬12頭の中からトーホウシャインをチョイスするのは大変難しかったと思われるが、逆に考えれば、1000万条件のこの馬を陣営はよく出走させてきたとも思う。

ハンデが最軽量の48kgになることはおそらく想定していたのだろうが、梅雨時とはいえ、道悪競馬になることも読んでいたのか? 実は今回のレースでのファインプレーは、この馬を登録に踏み切ったことにあったと言えるのではないか。

そして、もうひとつ、忘れてはいけないのは、内に刺さる癖があるこの馬を、調教でできる限り矯正して、レースでもそれが極力出ないように高野容騎手が騎乗したことだろう。

テン乗りだった高野容騎手は、レース後のインタビューで、内に刺さる癖があることを以前の騎乗者から聞いていたことを明かしていたが、人によってはテン乗りでも他のジョッキーに話を聞かないケースもあるもの。それを怠らず、できうる限りの準備をした結果、初重賞制覇というプレゼントがもたらされたような気がする。

レース後の高野容騎手の話では、これまでの調教で、トーホウシャインにいちばん多く騎乗してきた川島騎手厩舎スタッフが、内に刺さらないような矯正を施してきたことを語り、感謝していたという。

最軽量ハンデ最低人気というのはあくまで周りの人間が決めたことで、トーホウシャインに関わる人たちにとっては関係のないこと。人事を尽くして天命を待つ、というのが、その心境だったのかもしれない。

ベッラレイアなどの実績馬にとっては、つらく苦しい雨となってしまった。良馬場に戻れば一変できる馬も少なくないだろうが、牝馬だけにこのダメージが後々に響く馬もいるかもしれない。そうならないことを祈るばかりだ。

馬券を購入した側も、多くの人がつらく悲しい雨に見舞われたことだろう。私にとっても冷たい雨でしたが、さて、これを教訓に来週以降はどうすればいいんでしょう?

とりあえず来週は宝塚記念だが、再来週にはラジオNIKKEI賞があり、その翌週には七夕賞が控えている。函館スプリントSプロキオンSという重賞もあるが、福島での2重賞は、どちらも今回のマーメイドSと同じ芝中距離のハンデ戦である。

一刻も早く梅雨が明けることを祈るか、それがダメなら、勇気ある撤退(ケン)というのもひとつの手なのかもしれません。そう考えてる時点で、かなり心が折れそうになっている、とも言えそうですが…(苦笑)。

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