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他馬が追い出される中、アルコセニョーラだけが持ったままだった
文/編集部

夏は格より調子とよく言われるけれど、新潟記念に限っては、格より調子より長距離直線適性なのかもしれない。

今年の新潟記念で上位人気に推されたのは、好調さを買われた馬たちだった。

今夏1000万&1600万と連勝して、前走の小倉記念で2着となったダイシングロウ1番人気2番人気には前走の七夕賞で3着となったマイネルキッツが推され、3番人気前走で準OPを勝ったばかりバトルバニヤンだった。

この3頭はいずれも重賞未勝利で、連対歴があるのもダイシングロウだけ。残りの15頭の中には8頭重賞ウイナーがいて、重賞連対歴のある馬が11頭もいたのだから、明らかに格より調子が重視された形だ。

ところがどうだろう、結果的に勝ったのは重賞ウイナーアルコセニョーラで、3~5着にも8番人気以下の人気薄ながら重賞連対歴のある馬が入線した。今年は調子よりも格が問われたということか。

いや、簡単にでまとめてしまうのも違うのかもしれない。掲示板に載った馬たちを見ると、5頭すべてが3~5歳であることが分かる。

6歳以上で最先着を果たしたのは8着トウショウヴォイスで、残り6頭の6歳以上の馬たちはすべてふた桁着順となった。やはり夏の長い直線を乗り切るだけの気力と体力も求められたような気がする。

優勝したアルコセニョーラは、ご存じのように後方一気で昨秋の福島記念を制した馬だ。その時は4コーナー12番手という位置取りだった。

2着のマイネルキッツは、前走の七夕賞3着4コーナー7番手からの差しだった。3着のトウショウシロッコは、3歳時の京成杯4コーナー7番手から差して2着になっている。4着のミストラルクルーズ3歳時のセントライト記念4コーナー8番手から3着になったことがあるし、5着のフサイチアソート東スポ杯2歳Sを制した時が4コーナー8番手だった。

つまり、今回の新潟記念で掲示板に載った馬は、過去に4コーナー7番手以下から差して、重賞で馬券圏内に入ったことがあったということだ。これが、冒頭で記した、格より調子より長距離直線適性という理由である。

来年以降の新潟記念で出走馬の取捨に迷ったら、長距離直線適性を探ってみたいものだ。そんなことをした時に限って、そんな実績のない調子の良い馬に好走されそうで、恐いですけど(笑)。

それにしても、アルコセニョーラの直線での手応えは見ていて凄かった。VTRがある人はもう一度見てもらいたいが、残り500mを切った辺りで他の馬は追い出されているのに、武士沢騎手だけは持ったまま。前が詰まらない程度に前の馬に付いて行き、他馬のスピードが鈍ると同時に一気に抜け出して置き去りにしてしまった。

新潟大賞典を制したオースミグラスワン長い直線をズンズンと伸びるタイプだが、アルコセニョーラはそれとは違い、あくまで切れるのは一瞬なのだろう。それを考えて武士沢騎手はギリギリまで追い出しを我慢して、一瞬で抜け出す戦法を取ったようで、最高の乗り方だったのではないか。

抜け出した後にアルコセニョーラは尻尾をブンブンと振っていたが、なんだか「他の馬を抜いたのに、なんでまだ走らなきゃダメなのよ!」と言っているようでしたね(笑)。

直線でのあの手応えを見る限り、恵まれた勝利とはまったく言えず、調子もかなり戻っていたのだろう。

前走の七夕賞(12着)は、開催最終週での内枠(馬番5番)だった影響もあったようだ。新潟記念当日の新潟地方は雨が降る予報も出ていたが、雨雲は吹き去り、青空が広がっていた。その点では、天もアルコセニョーラに味方したと言えるのかもしれない。

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