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フェラーリピサはダート戦線という森の大木に育ちつつある
文/村本浩平

エルムSのレース名となっているエルムとは、ニレ科の植物であるハルニレの通称である。札幌競馬場内でもエルムを目にすることができるが、北海道の厳しい風雪にもビクともしないような大木が多い。

ところで、レース当日、競馬場内で行われたイベントのゲストは、ミュージシャンであるが、祖父である竹下登元首相の孫としてのタレント活動で人気を集めているDAIGOだった。

TVなどでは語尾に「ウイッシュ!」を付けて、胸の前で腕をクロスさせるメタルポーズを決めるのが持ちネタとなりつつある。ちなみにエルムSではプレゼンターを務めることも決まっていた。

勝手にこれらの事象からエルムSを予想すると、これまでのダート界の厳しい戦いの中を残ってきたベテラン馬か、もしくは表彰式でDAIGOと共に「ウイッシュ!」ポーズを笑顔で決めてくれる騎手のどちらかとなるのではと思っていた(笑)。

前者の考え方だと、真っ先に名前が挙がってくるのは1番人気に支持されたメイショウトウコンとなるのだろう。

昨年のこのレースを制しただけではなく、ホッカイドウ競馬の交流重賞であるブリーダーズゴールドカップも優勝。これでダート重賞5勝目と、競走馬としての幹もドンドン太くしてきたような印象を受ける。

後者の考えだと、スター繋がりでメイショウサライに騎乗した武豊騎手、あるいはDAIGOのことをよくTVで見ていそうな若手の藤岡佑騎手が思い浮かんだ。しかし、ふたりが騎乗する2頭は人気面ではゴール後に「ウイッシュ!」を決めるには倒す敵が多そうだ。

札幌記念ではコースレコードの立役者となったコンゴウリキシオーが逃げるのでは、と思ったレースは、そのコンゴウリキシオーが先手を奪えなかったこともあり、互いがけん制しあう、このクラスのメンバーとしてはスローな流れとなった。

そのゆったりした流れの中を、好位からレースを進めていったのが、岩田騎手が騎乗したフェラーリピサ。一方、藤田騎手が騎乗したメイショウトウコンは後方に待機し続ける。

レースが動いたのは3コーナー手前だった。スローペースに業を煮やしたかのように、メイショウトウコンが外から捲り上げていく。そのままの勢いで先団を捕らえるのかと思いきや、直線で伸びを欠いた。

その前を走っていたフェラーリピサは、インコースを突いて伸びてきたエアアドニスを交わしただけでなく、追い込んできたトーセンブライトの追撃も振り切って先頭でゴールした。

高い能力を持ちながら取りこぼしも多かったフェラーリピサではあるが、今年に入って、欅ステークスにおけるレコード樹立、また、北海道シリーズに入ってからのレースぶりからしても、ダートのトップホースとして安定した成績を残せるようになった印象を受ける。実際に管理する白井調教師からも、「ここにきてだいぶしっかりしてきたね」との声も聞かれていた。

まだまだダート戦線という森の中の樹木としては幹が細いフェラーリピサだが、賞金面でダート重賞への出走が容易となったのは大きい。これからは、重賞制覇というエネルギーをドンドン吸収して、大木となるような可能性すら秘めている。秋の最大目標であるジャパンカップダートを制して、歴史に名を残す銘木となるのかもしれない。

ところで、表彰式の岩田騎手だが、DAIGOとツーショットで行った「ウイッシュ!」は、どことなく恥ずかしげに見えた。その姿を見て、いくら馬券が当たらないとはいえ、様々な事象から馬券の予想をするのはやめようと思ったが、3着に入ったのが松田DAI(大)作騎手騎乗の、馬番GO(5)番であるエアアドニスだと気づいた時、なんともやるせない気持ちになった。

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