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西田さんは、タイムオーバーのことから見舞金、そして脚元まで診ることができる騎手なんです
2009.11.05

先週、福島でマレーネが2着となりました。このコーナーでは触れていなかったのですが、2歳馬としてはしっかりとしていて、走るんじゃないかと以前から感じていたんですよね。

3/4馬身差だったので、乗っていただいた小野(次郎)さんに、『あそこまでいったら勝っちゃってくれて良かったのに』と申し上げさせていただきました(笑)。

今週も西田さんとの対談をお送りしますが、周囲の関係者のみなさんがこの対談をけっこう読んでいるらしく、なかなか好評を得ています。今週と来週にかけて、まだまだブッチャけトークが炸裂しますので、どうぞお楽しみください。

それでは、先週の続きをどうぞ。

[西田雄一郎騎手(以下、雄)]インターネットなどでも出頭無視となっていたりするんだけど、いまさら否定しても仕方がないし、分かってくれている人たちがいれば、それで良いって思っているんだよね。

[西塚信人調教助手(以下、信)]その後はもちろん安全運転ですよね?

[雄]もちろん(笑)。ただ、もしあのまま捕まらなかったら、他人に迷惑をかける大きな事故を起こしていたか、もしくは自分自身が死んでしまっていたと思う。そう考えると、助けられたんだと思っているし、その後に牧場に行ったことで、そのまま騎手で過ごしていたら見られなかっただろうという部分も見られたし、貴重な経験をさせていただけたと思うわけですよ。自分にとってその時間は、本当に財産だから。

[信]僕もトレセンに入る前に牧場で働いたわけですけど、あれほど大変なことはないと思いますし、競走馬に携わる以上は、絶対に必要不可欠だと思います。

[雄]最近、牧場へ乗りに行く若い乗り役たちが増えているけど、決して悪いことではないと俺は思う。それと、当たり前だけど、牧場で働いている人たちは、馬も競馬も好きという人が多かったりする。そこへ行って、一緒に乗ったりすると、喜んでもらえるわけですよ。

[信]牧場時代を振り返ると、確かにそうでした。

[雄]それでスタッフの人たちのモチベーションが上がりますとか言ってもらえると、何か役に立てたのかなぁと嬉しくなる。もっと言えば、牧場のスタッフはサラリーマンなわけですよ。トレセンのように進上金もなければ、歩合もない。そのなかで、自分が育てた馬たちがG1や重賞を勝ったり、いや競馬を走ってくれることが楽しみであって、それがモチベーションを保つ部分だったりするわけですよ。

[信]失礼な言い方をしちゃいますが、牧場では本当に、いち従業員という扱いだったのですか?

[雄]そうだよ。

[信]鼻ネジをねじってみたり、獣医の診療に付いたりしていたのですか?

[雄]もちろん。寝わらも返していたし、引き運動もしたりしていましたよ。

[信]ウォーキングマシンに入れたり出したりもしたということですよね(笑)。

[雄]厩舎長がいて、そのサブみたいなことをしていたから、他のスタッフが来る前に一緒に出て行って、40頭近くいる担当馬たちを手分けして、脚元のチェックをしていた。だから脚元も診ることができるからね(笑)。

[信]凄いですよ。

[雄]エビでも、ぶつけて腫れたものか、それとも本物か、腫れ方の違いも見分けられるからね。あと、歩様の悪い馬も、こういう歩様の馬はここを触れば痛がるという推測が付くようになったし、ここにレーザーを当てれば効果があるということも見当が付けられるようになった。


[信]そう考えると、タイムオーバーのタイムから見舞金、そして脚元まで診ることができる騎手ということですね。凄い!

[雄]オタクだから(笑)。

[信]いや、なかなかそのレベルのオタクはいませんよ(笑)。

[雄]良い調教助手になれるかなぁ(笑)。

[信]なかなかいないレベルのスーパーサブになっちゃいますよ。馬は乗れるし、脚元は診ることができるし、見舞金など事務もバッチリですからね。しかも、馬主さんとの繋がりもあるんだから、調教助手だったら、それこそ10年に1度の逸材と言われるレベルですよ。

[雄]馬主さんにしても、ひとりでもふたりでも応援していただけることがありがたいし、そういう思いに応えたいと本当に思っている。

[信]応援していますよ、ドリームフライト。

[雄]いやぁ、福永(甲)先生には、何とか恩返しというのはおこがましいけど、何とかしたい。

[信]福永先生のところによく乗っていらっしゃいますけど、福永先生とはどういう関係なのですか?


[雄]師匠である境征勝先生とのつながりで、減量のある時から乗せていただいてきたんだよね。相性も良くて、昔から勝たせていただきましたし、牧場で働いている間も励ましていただいて、本当に感謝しています。

[信]そういう関係なんですね。

[雄]牧場にいた時も、会う度に、『もし戻ることができたら、また頼むから、頑張り続けろ』と言っていただいて、本当に励まされましたよ。実際、戻ってきてから、乗せていただいているし、いちばん勝っているのは福永厩舎じゃないかと思う。

[信]そうだったんですね。そういえば、競馬の話から逸れちゃいますけど、西田さんは以前にバンドをやっていらっしゃったんですよね。

[雄]昔だよ。それも結局、騎手を一度辞める1年くらい前に、ドラムがいないということで解散する形になってしまった。

[信]メンバーは、騎手では西田さんだけだったんですか?

[雄]そうだね。基本は調教助手さんと厩務員さんたちで、急遽入ることになって、高校以来でやった感じだったんだよ。

[信]でも、バンドって楽しいと思いませんか?

[雄]楽しいよね。

[信]西田さんの「ノビーズ」入りというプランも浮上してたりするんですが、どうですか?(笑)

[雄]いまはもう無理だよ(笑)。たまに車のハンドルでリズムを取るのが精一杯だね。

[信]いや、大丈夫ですよ。一緒に練習しましょうよ。

[雄]ビジュアル的に無理があるでしょう。「ノビーズ」はビジュアルが良いから。

[信]いやいや、僕がいるんですから。いま僕以外は、若くて、モテる奴ばかりになってしまって寂しいんですよ。

[雄]いや、「ノビーズ」のビジュアルには入れないよ。かなり薄くなっちゃったしね(笑)。

[信]そんなことないですから、もし良かったら、前向きに検討してください。話を戻しますと、西田さんにとっては騎手を一度辞めて、牧場に行ったことが大きかったんですね。

[雄]もし辞めて、牧場に行っていなければ、いまの自分自身はないということは、間違いなく言える。もしあのままだったら、1頭の馬にたくさんの人々の思いが詰まっていること、馬主さんの経済事情、それらを考える乗り役ではなかったね。それは絶対にそう思う。

[信]ブッチャけ、天狗になっていた可能性もありますか(笑)。

[雄]天狗というか、そうならないように気を付けていたけどね(笑)。ただ、頻繁にキレていたりもしたから。

[信]あっ、そうですか。

[雄]基本、キレキャラだったんだよ。後輩に対してもそういうことがあったし、競馬でもそうところがあった。

[信]まったく想像ができませんけど…。

[雄]いまはキレちゃいけないんだと、よくわかりましたから(笑)。

[信]大人になられたということで(笑)。でも、こういう言い方をしたら失礼かもしれませんが、最近競馬を見ていて、存在感を感じるんですよね。乗っている姿で誰かというのを見分けるのはあまり得意じゃないんですけど、西田さんはよく分かりますから。読者の方々から届くメールでも、そう書いてありましたよ。

[雄]ただ、さっきも話したように、ノリさん(横山典騎手)じゃないけど、それで馬の邪魔をしてしまっている部分というのもあるわけですよ。繊細な馬、分かりやすく言えば反応の良い牝馬などには、マイナスに働く可能性も高い。それは自分でも感じているし、全部が全部それでは駄目だと思っている。

[信]使い分けなければ駄目ということですね。

[雄]そう。でも、乗っているか乗っていないか、分からない位置で競馬をしてしまうというのでは、人の眼には止まらない。もうこれだけ乗っていると、直線のどのあたりでカメラがアップになってくるか分かるじゃない。

[信]カメラの抜きを意識するんですか(笑)。

[雄]意識はしないよ(笑)。ただ、例えば能力的にノーチャンスという馬に乗っていたとする。着外になってしまうとしても、テレビに映るチャンスはあるわけですよ。その映るところで、『あっ、西田』と分かってもらえるかどうか。分かってくれるということは、西田は競馬に乗っていると認識していただけることになるわけですよ。そうなれば、たとえ着外でも得るものが、さらに増えるわけだよね。

[信]なるほど。

[雄]騎手として、競馬に乗っているということは大切なことだと思う。もし、誰を乗せようかと迷っている馬がいたとするよね。その時に、『西田って競馬にけっこう乗っているよ』というのと、『あまり乗っていない』というのでは、やはり乗っている方が良いし、そういうイメージを持ってもらうことって大事でしょう。

[信]確かにそれはありますね。馬主さんの中には、『乗っていないじゃないか』って言う人もいますからね。それにしても、あの追いっぷりは凄いですよ。辞める前といまでは違いますか?

[雄]追い方は全然違っているよね。以前は、逃げを得意としていたというか、売りにしていた。(境)勝太郎先生にも、『お前、逃げてばかりでは競馬は上手くならないぞ』ってよく言われていたからね。ただ、それでも、勝ててしまっていたんだよ。

今週はここまでさせていただきます。いかがだったでしょうか。

西田さんのように、いろいろと考えている人は、厩舎の人間にもそれほどいないと思います。最終回となる来週も、どうぞご期待ください。

あっ、あと、「ノビーズ」のライヴのチケットと、Tシャツ、ぜひみなさんよろしくお願いいたします。

ライヴの詳細はコチラ(※現在は見られません)
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それなりにお買い上げいただいているとのことなのですが、周囲からは「上の方(松岡騎手)が結婚してしまうことがすべてじゃないか」と言われるんですよね。今度、人気に陰りが出たと感じているか、聞いてみようと思います…。

ということで、最後はいつも通り、『あなたのワンクリックがこのコーナーの存続を決めるのです。どうかよろしくお願いいたします』。

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