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●新コーナースタート! ロードカナロア出資者に“一口の楽しみ方”を伺いました

今回から正式にスタートする「一口クラブの楽しみ方」。タイトルの通り、一口クラブに入っている方はもちろん、入っていない方も、その楽しみ方を皆さんにお伝えしたいと思っています。

一口クラブに入っている方の最大の夢といえば、まずは重賞、G1制覇でしょう。そんな夢を叶えた方が、偶然にも同じ会社にいらっしゃいましたので、「どんなに楽しかったか」を伺いたいと思います。

昨年の年度代表馬・ロードカナロア(※)に出資されていた、ファミ通コミッククリア(http://www.famitsu.com/comic_clear)編集長・比企利至さんです。

※ロードサラブレッドオーナーズ(以下「ロード」)所属。父キングカメハメハ、母レディブラッサム。募集総額は2625万円(500口)。12~13年にかけてG1を6勝し、13年の年度代表馬に選出された。今年から社台スタリオンステーションで種牡馬入り。

―本日はよろしくお願いします。

[比企(以下比)]よろしくお願いします。

―さっそく本題に入らせていただきたいと思うのですが、比企さんが一口クラブに興味を持ったきっかけというのは何だったのでしょうか?

[比]仲間内で「一口限定POG」をやっていて、それは参加メンバーが入っているクラブの馬限定のPOGだったんです。それで、他の皆さんはすでにいろいろなクラブに入っていたので、「お前は新しいクラブに入れ」ということで(笑)、入ることになったんです。

―なるほど。それはけっこう珍しいきっかけかもしれませんね(笑)。

[比]指名馬の選択肢を拡げるために、「○○にお前入れよ」とか、「予算の関係で○○はハードル高いな」みたいな感じで(笑)。

―ちなみにそれはいつ頃ですか?

[比]96年産の出資が最初で、ちょうどロードアックス(97年ラジオたんぱ杯2歳S勝ち)が活躍している頃でした。当時はタイキブリザードタイキシャトルが大活躍していて、「いつかは俺も…!」と思っていたことを覚えています。

―それ以外で、クラブを選んだ理由はあったのでしょうか?

[比]いい感じのマル外の血統馬がいて、トップクラスの厩舎にも預託をしていたことも理由にはありました。「これなら俺も出資すれば勝てるに違いない」と思っていたことが甘い考えだったわけですが(笑)。

―みんなそう思うんですよね(笑)。

[比]昔から『ダビスタ』が好きで、「『ダビスタ』の世界で種付けすれば、ほぼ走るような種馬が付いてるじゃん!」みたいな。

―ちなみに、他のクラブには入会されていないのですか?

[比]そうですね、ずっと一本です。当時から、クラシック以外の路線でも活躍する馬が多かったですね。そういえば、ロードプラチナム(01年函館記念勝ち)にも出資を検討していたのですが、この世代は別の馬に行ってしまって。

―この世代(1996年生まれ)はレディブラッサム(ロードカナロアの母)の名前もありますね。

[比]そっちは高かったんです(笑)。最近はだいぶ予算も楽になりましたけどね。

―あまり考えてはいけないと思うのですが、収支の面ではどうでしょうか?

[比]本賞金と募集金額を単純に比較すると、ロードカナロアで逆転しました。もちろん本賞金がそのまま配当されるわけではなくて、ロードカナロア1頭の配当はそこまで多くないのですが、そこはロマンで

―その点、ロードカナロアはかなり貢献したんですね。

[比]それ以外に名前が知られている馬では、レディアルバローザ(11、12年の中山牝馬Sを連覇)とロードオブザリング(昨年の札幌日経OP2着など)にも出資していました。ロードオブザリングという名前を見たとき、「あ、これアリなんだ」と思ったりして。

―ということは、馬名は応募されるのですか?

[比]通ったことはないです(笑)。気に入った馬にだけは応募してます。ロードカナロアの子供が出てきたときには、温めている馬名があるんですよ。

―それは内緒にしておきましょう(笑)。それだけのキャリアがあるということは、これまでどれくらいの馬に出資されているのでしょうか?

[比]これまでで現役馬も含めて57頭ですね。毎年出資しています。

―年間の予算はどれくらいですか?

[比]気に入った馬はあまり予算を考えませんが、年間だいたい5~6頭で、その中に「ロマン枠」として1~2頭、残りは募集金額を回収してくれそうな馬にします。

―これは皆さん興味があるところだと思うのですが、その「回収してくれそうな馬」は、どこから判断されるのでしょうか?

[比]募集金額に対し、「○勝してくれれば元が取れるな」と最初にメドを立てて、ダートや短距離限定でも、手堅く走ってくれそうな馬を選ぶんです。全部が全部G1を取れるわけでないので、そこは割り切って。

―選ぶポイント、基準などはありますか?

[比]第一ポイントは、血統や近親の活躍馬です。そして立ち姿。そして、最近の傾向として、クラブが体高や管囲などを公表してくれるようになりましたから、そこは助けられてます。特に管囲は丈夫さに影響すると思いますので。そういった基準からエクセルでファイルを作って総合点を出して、出資する馬を決めています。

―クラブから提供される情報はどうご覧になっていますか?

[比]育成の情報を知らせてくれて、そこでいつもこれくらいの調教をやっています、などの情報を知らせてくれます。同じ育成場でやっている場合だと、この時期にこれくらいの調教をやっているなら大丈夫そうだな、とか、同一基準での判断ができるので、そこは役立っていますよ。

―ところで、先ほどロマン枠と採算枠の話が出ましたが、ロードカナロアはロマン枠、採算枠のどちらでしたか?

[比]ロードカナロアの世代はあまり出資していなくて、2頭に絞った中でカナロアを選んだんです。ですから、どちらでもなかったですね。ちなみに今年のロマン枠は、インディアナギャルの12(父ディープインパクト)です。欧州の重い血統にディープインパクトが配合されていて、化ければ凄そうだと思って。

ロードカナロアがこれだけ活躍すると、今後はしばらくお金のことを考えず、高い馬に出資しやすいですね(笑)。

[比]でも、そこは過去を振り返らなければいけないので(笑)。冷静になるように、過去の募集金額と本賞金を見られるようにしてあるんです。「お前にはこれだけの過去があるんだぞ」ってことで(笑)。

―失敗した経験を糧にして、ロードカナロアに結実したということなんですね。一口を続けてきて、嬉しかったのはどんな時でしたか?

[比]出走しない馬に出資した経験もありましたから、初めて出走したときはまず感慨深かったです。次に出資した馬が走るところを見て、次は勝つところを見たい、となって。初めて勝ってくれたのはロードインザスカイという馬でした。

―03年11月1日に新馬勝ちした馬ですから、初勝利までは入会から6年以上かかったわけですね。

[比]その頃は年間1、2頭しか出資していなかったので、勉強だと思って。それがロードインザスカイNHKマイルCに出て4コーナーまで先頭にいる勢いで、もしやと思いました。結果は16着でしたけど、自分が選んだ馬がG1に出たことに感動しました。「一口ってこんなに幸せな気持ちになれるんだ……」と思っていたのがその頃ですね。

―その気持ち、わかります。

[比]そして、初めて募集金額以上に賞金を稼いでくれたのが4勝を挙げたロードイノセントです。

―この馬は20戦中14戦で5着以内に入っていて、本当に堅実に走ってくれたんですね。こういう馬は持っていてとても楽しいと思います。

[比]1年通じて定期的にレースに出てきてくれるのは、とても大事だと思います。年間5、6頭に出資というのも、1世代で何頭くらい出資すればコンスタントにレースに出てきてくれるかを考えた結果なんです。そういうことからも、最近は丈夫そうな馬を重視するようになっています。

―なるほど。参考になります。ところで、先ほど現地で応援した話を伺いましたが、ロードカナロアの香港には行かれたのですか?

[比]すごく行きたかったのですが、そこは校了の週で。会社辞めるわけにはいかないですし(笑)。代わりに国内の祝勝会は出席しました。口取りもこれまで一度も参加できたことがないんですよ。

―あ…。同業者として、それは痛いほど理解できます(笑)。最後に、一口を始めようとする方に向けて、「一口の楽しみ方」を伝えていただけますか?

[比]そうですね。僕がロードに入ったきっかけのように、競馬を通じてコミュニティを広げることができたら楽しいと思います。そういう仲間を作ると、より楽しいのではないでしょうか。活躍すると自慢できますし(笑)。

―ありがとうございました。