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テン乗りでの好騎乗、それに応えたパフォーマンスに脱帽
文/編集部

直線、内1頭分空いた間隙を突き、雷光のような末脚で先にトシギャングスターが抜け出したが、その末脚はまさに一瞬の閃き。同じ直線入り口10番手からスパートしたにも関わらず、外から追い込んだ上がり34秒3のエイシンホワイティが、上がり34秒2のトシギャングスターを差し切るという、数字の上ではねじれの生じた決着となった。

騎手面では、キャリア5年目の北村友一騎手騎乗のエーシンホワイティが、4年目の浜中俊騎手トシギャングスターをハナ差交わした格好。着差は僅差だったが、ゴール前の映像では外、エーシンホワイティの勝利は明白だった。内外でやや離れていたとはいえ、ゴール後、「どっちだ?」という表情で顔を見合わせていた両騎手を見て、ふたりがまだ若手であることをふと思い出した。

近年は若手騎手の台頭が目覚ましい。北村友一騎手の重賞勝ちはこれで3年連続、計4勝目。②着の浜中俊騎手も昨年には菊花賞で早くも、そして満を持して、G1ジョッキーとなった。ジョーカプチーノで昨年のファルコンSを制した藤岡康太騎手(今年4年目)も、そこでの重賞初勝利をステップに、NHKマイルCで一気にG1制覇を成し遂げた。

日々これだけ勝つところを見て、好騎乗の数々を目の当たりにしていると、彼らが自分より10歳以上も若い、20代前半の若手だという認識が麻痺してしまいがちだ。30歳半ばを迎えておきながら、高校野球の甲子園大会に出ている選手に対し、いまだに「年上のお兄さん」という感覚があることに近い。優秀なプレイヤーには、年齢を超えた尊敬の念を覚えるということか。

エーシンホワイティ北村友一騎手はこれがテン乗りだったが、課題の発馬を五分に出ながらも、ハイペースを見越してか、後方からの競馬を選択した。そして、内目に進路を取ったトシギャングスター&浜中俊騎手に対し、4コーナーで躊躇なく外目に持ち出すと、そこから鋭伸してゴール寸前でトシギャングスターをハナ差で捕えた。

北村友一騎手の騎乗ぶりには迷いがないように感じられたし、芝1200mでレコード勝ちを2回記録しているエーシンホワイティのスプリント能力を見事に引き出し、復活Vへと導いた好騎乗だったと言えるだろう。

また、その鞍上の指示に応えてみせたエーシンホワイティも、やはり立派である。近走では出遅れや折り合いを欠くなどして、不完全燃焼のレースが続いていたが、ハイペースのスプリント勝負となったことで、父サクラバクシンオーの血が騒いだのかもしれない。

そのハイペースを作り出したのが、同じサクラバクシンオー産駒で1番人気に推されていたエーシンダックマンだったが、⑮着に失速してしまった。もちろん馬場の違いなどもあるだろうが、昨年の高松宮記念を逃げ切ったローレルゲレイロの前半3Fが33秒1で、今回のエーシンダックマンは前半3Fが33秒0だから、その結果はやむを得ない感もある。

ただ、見方を変えれば、エーシンダックマンのダッシュ力は一級品とも言える。そして、ハイペースで差し馬が上位を占めた中にあって、4角3番手から④着に粘り込んだ2番人気ダッシャーゴーゴーも、やはりサクラバクシンオー産駒らしく、スプリント能力の高さを示した結果だろう。

サクラバクシンオー産駒は今回、エーシンホワイティダッシャーゴーゴーエーシンダックマンと3頭が出走していたが、エーシンホワイティが勝利したことで、同レースで5年連続での馬券圏内入りを果たした。このことは来年に向けても、頭に入れておきたい感じだ。

ちなみに、エーシンホワイティサクラバクシンオー×サンデーサイレンスという配合だが、このふたつの血は、同じ舞台で行われる高松宮記念では、①着の馬券対象から外してもいいかもしれない。

というのも、その年のファルコンS(旧・中日スポーツ賞4歳S)勝ち馬の父・母父に名を刻んだ種牡馬2頭は、高松宮記念が1200m戦になった96年以降、一度も同年の高松宮記念勝ち馬の父・母父にその名を連ねていないからだ。

つまり今年は、父か母父がサクラバクシンオーかサンデーサイレンスという馬は、①着に来ないという予想が成り立つ。ファルコンSが高松宮記念と同月の3月に移設され、高松宮記念の前に施行されるようになったのは06年からだが、96~05年の10年間においては、高松宮記念勝ち馬の血統が、ファルコンS(旧・中日スポーツ賞4歳S)の勝ち馬予想に役立っていた。

つまり計14年、06年に施行時期が逆転して以降も、この法則は続いているということなのだ。傾向としては、もっと範囲を広げて、父・母父が「テスコボーイ系」か「サンデーサイレンス系」の馬は①着に来ない、と言い換えてもいいかもしれない。ご参考までに。