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年齢を考えれば、G1勝利から6戦後の復活勝利は賞賛に値する
文/編集部

昨年のダービー馬ロジユニヴァースが、復帰戦で1番人気に推された今年の日経賞。24kgの体重増ということもあり、「復帰戦でいきなりは厳しいんじゃないかな」という印象だったが、2番手追走の先行力を見せて0秒3差の⑥着なら、10ヶ月の休養明け、初の2500m以上という点も加味すれば、さすがという能力は見せた。

そして、後方待機組が上位に来る展開となったが、①着のマイネルキッツは昨年の日経賞の②着馬、②着のエアシェイディは08&09年の有馬記念の③着馬。結果的に、ロジユニヴァースとは対照的に、中山の芝2500mの重賞ですでに実績がある馬のワンツーとなった。

マイネルキッツは、4枠6番から道中は後方のインで脚を溜めて、直線ではインを強襲。この勝利を見て、1枠2番から中団のインで脚を溜めて、直線で最内から抜け出して来た昨年の天皇賞・春を思い出した人も、きっと多いことだろう。

同馬と松岡騎手のコンビと言えば、07年11月の神奈川新聞杯(東京芝1800mの1000万下)において初騎乗で勝利を挙げた時も、1枠1番から直線でインを突いての勝利だった。得意技、得意パターンを持つ馬というのは、それがハマった時の鮮やかさが見事なものだと改めて思う。

ただ、いくら得意技とはいえ、今回のレース前まで中山芝の成績は[0.2.0.9]と、11戦して未勝利。馬券で軸と考えた人にしても、「②~③着となっても当たるような買い方」をした人が、おそらく少なくなかったんじゃないだろうか。

しかも、斤量の59kgも過去2戦で⑦④着。こういった過去に勝ち星のなかったコースや斤量を、7歳となる今年になって初めて克服したことは大きな驚きだった。

それだけではない。昨春に天皇賞を勝った後、⑦⑦⑧⑤④着と馬券圏外が5戦続いていた7歳馬が、ここにきての復活の勝利。ある程度、年齢が若めの馬ならともかく、この年齢でこの復活は、なかなかできることじゃないと思う。

90年以降の芝G1で、今週の高松宮記念のキンシャサノキセキ(7歳)も含めて、6歳以上の馬は延べ24頭で28勝を挙げている。8歳で天皇賞・秋→マイルCSを連勝した昨年のカンパニーなども記憶に新しいところだが、6歳以上でG1を勝つのは消耗が激しいのか、年が変わった翌年以降に勝利を挙げている馬は、思いのほか少ないことを御存知だろうか。

95年に6歳でマイルCSを制したトロットサンダーは、翌年に東京新聞杯と安田記念を勝利。00年に6歳でスプリンターズSを制したダイタクヤマトは、翌年に阪急杯を勝利。03年に6歳でジャパンCを制したタップダンスシチーは、翌年に金鯱賞と宝塚記念を勝利。タップダンスシチーはさらに、7歳で宝塚記念を制した翌年にも金鯱賞を勝利。

90年以降、「6歳以上でG1を勝ち、翌年以降に勝利を挙げている馬」というのは、過去にこの3頭だけしかいなかった。そして、マイネルキッツが4頭目。ただし、前記した3頭とマイネルキッツとで大きく違うのは、翌年の勝利に至るまでの過程の部分だ。

トロットサンダー、ダイタクヤマト、タップダンスシチーはいずれも、翌年以降の勝利までに、馬券圏外が2戦以上続いたことはなかった。要するに、G1を勝った時の勢いを、そのまま翌年以降にまでキープさせるようにして勝利を挙げた例が多い。

それに対して、マイネルキッツは先述の通り、昨春に天皇賞を勝った後、馬券圏外が5戦続いた後での勝利。⑦~⑧着の3戦は0秒7~0秒8差の敗戦で、近2走も掲示板内の⑤④着だから、大きな不振に陥っていた印象でもないが、過去の例を参考にすると、賞賛に値する復活劇と言ってもいいだろう。

昨年のカンパニーによって、高齢馬に対する注目度が上がってきた印象の競馬界だが、8歳でG1を連勝した昨年のカンパニーとは違った意味で、「驚異のおじさんパワー」を見せつけているマイネルキッツ。この勢いに乗って、天皇賞・春を連覇するということもありえるのだろうか。

もちろん連覇は大いに期待したいところだが、まずはそこに至るまでの第一歩として、昨年と同じく内めの枠に入ってほしいなという気がする。道中はインでじっと待機して、直線でイン突き。この熟練の技が最大限に発揮されるとしたら、やはり内枠がベターだと思われるから。

先日の阪神大賞典を制した8歳のトウカイトリックも、15頭立て以上のレースに限れば、5連対がすべて馬番6番以内。そういったライバル馬も含めて、天皇賞・春の枠順確定が今から非常に楽しみだ。