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ダノンシャンティは偉大な先輩たちに比肩できるか
文/編集部

1番人気(2.2倍)はルーラーシップ、2番人気(3.4倍)はリルダヴァル、3番人気(3.7倍)はダノンシャンティ、4番人気(7.5倍)はザタイキ。5番人気(21.0倍)のミッキードリーム以下を大きく引き離す形で、上位4頭に人気が集中していた。

それもそのはず。その4頭はデビューからすべて③着以内に走っていて、なおかつ、OPクラスの芝での連対実績も持ち合わせている。対して、他の7頭はデビューから④着以下に負けたことがあり、OPクラスの芝で③着以内に入った経験もない。

また、その4頭の鞍上を見ると、安藤勝己騎手(ルーラーシップ)、内田博幸騎手(リルダヴァル)、岩田康誠騎手(ルーラーシップ)、武豊騎手(ザタイキ)と、トップジョッキーが揃い踏み。5番人気以下とオッズで差が生じたのは無理もないような気がするし、レース前から、この複勝率100%対決に胸が躍った。

レースは、シャイニーナイトが引っ張る展開となったが、1F目と4F目に13秒台のラップが入り、1000m通過は62秒3という超スローペース。その結果、レースの上がり3Fが34秒1(11秒5-11秒1-11秒5)という、終いの斬れ味勝負となることに。

その上がり勝負を制したのは、メンバー中最速となる上がり33秒4をマークしたダノンシャンティ。道中は中団の外目で流れに乗り、直線ではライバル勢の鞍上の手が動く中、持ったままで進出。直線半ばで仕掛けられるとスッと抜け出し、②着ミッキードリーム以下に1馬身1/4差をつけてゴールを駆け抜けた。

リルダヴァルは骨折明けで半年ぶりのせいか、野路菊Sで見せたような瞬発力(上がり33秒2)を発揮できず③着。ルーラーシップはスタートで出遅れてしまい、直線で内を突いたが弾け切れず⑤着。ザタイキは直線で故障するアクシデントに見舞われて競走中止となった。

ザタイキのように、未来ある産駒がわずかキャリア4戦目で夭逝するのは本当に残念でならない。落馬した武豊騎手左鎖骨遠位端骨折腰椎横突起骨折右前腕裂創という重傷を負ったが、早期復帰を願うばかりだ。

ライバル勢の周辺事情を踏まえると、4頭が全能力を出し切り、鎬を削り合ったとは、正直、言いがたい面もある。今回のダノンシャンティの勝利には、そういった背景があることも確かだろう。

それでも今回、ダノンシャンティが②着以下につけた1馬身1/4差という着差は、超スローペースで他馬も余力を持って直線に向いたことや、余裕を感じさせた自身のレースぶりも加味すれば、決定的な着差と言ってもいいはず。その勝利自体に異論を差し挟む余地はない。

なお、94年以降の毎日杯において、メンバー中最速の上がりをマークして勝利を収めた馬は、96年タイキフォーチュン(G1・1勝)、99年テイエムオペラオー(G1・7勝)、01年クロフネ(G1・2勝)、03年タカラシャーディー(G1勝ちなし)、04年キングカメハメハ(G1・2勝)と、過去に5頭。

タカラシャーディー以外の4頭はその後にG1を勝っている。計時した上がりがメンバー中2位だった勝ち馬の中にも、08年ディープスカイ(G1・2勝)などがいるから、近年では特に、毎日杯が出世レースとして脚光を浴びるのは当然と言えば当然だろう。

また、タイキフォーチュン、クロフネ、キングカメハメハ、ディープスカイは毎日杯の次走でNHKマイルCを制している。ダノンシャンティは、クロフネ&キングカメハメハと同じく松田国英厩舎の所属だが、この後は皐月賞に向かわず、NHKマイルCダービーというローテーションが予定されている模様。

過去の傾向から見ても、ダノンシャンティは前途洋々と言えるだろう。ただもちろん、その展望を明るい方向へ切り開いたのは、紛れもなく自身の力によって。その力を持ってして、偉大な先輩たちに肩を並べられるのか。ダノンシャンティの今後には注目せずにはいられない。