テイエムアンコールはまだ「何か」を隠し持っているかも
文/編集部
毎週、金曜日の夕方に
『メインレースの考え方』の事前検討会を開いているのだが、その席上、
“動く重箱の隅突き男”の異名を取る
プリ園長が
ドリームジャーニーについてのアラを探し始めようとした。
しかし、G1・3勝のグランプリホースで、阪神芝2000mで勝ったことがある馬が2頭しかいないメンバー構成(②着があるのも1頭だけ)。
ドリームジャーニーの検討に時間を費やすなら、混戦になりそうなそれ以外の馬たちの取捨を考える方が有意義だと思い、
プリ園長の話を遮ってしまった。
ところが、パドックを周回する
ドリームジャーニーを見て、ふと、
「プリ園長は何を言おうとしていたのだろう?」と思い出してしまった。
ドリームジャーニーがいつもよりチャカついているように見え、単勝1.2倍がだんだんと恐くなってきたからだった。
斤量59kgが影響しそうなことは、事前に思い描いていた。それよりも、
ドリームジャーニーの戦績を振り返り、思わぬ事を発見してしまった。
ドリームジャーニーはこれまでに9勝を挙げているが、そのうち1番人気での勝利は一度だけ。
9勝中8勝が2~3番人気なのだ。
1番人気での成績は、3歳時の鳴尾記念で⑧着、4歳時の朝日CCで①着、5歳時にAJCCで⑧着とオールカマーで②着になっている。
G1・3勝馬ながら1番人気には4回しかなっておらず、そもそも1番人気に推されづらいタイプと言える。それは、
後方からの追い込み型という脚質が影響しているのだろう。
ドリームジャーニーの脚質を考えると、気楽な立場の方が明らかにレースはしやすそうだ。逆に言えば、1番人気になれば、陣営や鞍上にもプレッシャーが掛かるはず。
斤量59kgということもあるので、今回は安全策を取り、
ドリームジャーニーが敗れてもいい馬券も購入しようと考えた。そうして買ったのは、
ドリームジャーニーが①着の3連単と、
②着の3連単。③着なんて想像してないよ(笑)。
“穴ぐさ長者”の
藤山氏によれば、某ウインズにいた馬券オヤジのドリームジャーニー評は
「まだ太い」だったようだ。確かに過去の11連対は馬体重が428kg以下で記録されていて、430kg台の時は④着、⑧着、③着、③着と敗れている(今回は434kg)。
それが正解かどうかは分からないが、いずれにしても
ドリームジャーニーは、
もっと気楽な立場の方が安心して買いやすいということなのだろう。その点は肝に銘じたいと思う。
さて、その
ドリームジャーニーを相手に完勝した
テイエムアンコールだが、振り返ってみれば、前述した阪神芝2000mで勝ち鞍があった2頭のうちの1頭がこの馬で、
ドリームジャーニーが勝てないなら、この馬が勝利するのも
「さもありなん」といったところか。
32戦目での重賞初制覇、OPクラスでの勝利も初めてで、ややもすると恵まれた印象も残るかもしれないが、どうもまだ
「何か」を隠し持っているような気がする。
前走の
中山記念では、馬群の外を回って追い込んできていたが、今回の
大阪杯では馬の間を割って出てきた。
直線入口で、
フィールドベアーと
サンライズベガの間の狭いところに入っていき、
サンライズベガと接触しているように見える。怯むことがあってもおかしくない場面だったが、そこからさらにグイグイと伸びてきた。
その血統は、父がオペラハウスで、母の父がブライアンズタイム、母の母の父がニジンスキーだ。
同馬主で先輩の
テイエムオペラオーと同じ父で、ブライアンズタイム産駒からは
マヤノトップガンという天皇賞馬が出ているし、母系にニジンスキーの血を持つ天皇賞馬としては、
ライスシャワー、
メジロブライト、
スペシャルウィーク、
スズカマンボなどがいる。
G1血統を3代に渡って掛け合わされていて、人間で例えるなら、
アルマーニのスーツを着て、車はベンツ、体はマッチョみたいな、比喩が下手くそでたいへん申し訳ないんですが(笑)、そんななんとも言えない雰囲気が感じられるのだ。
テイエムアンコール自身は、まだ京都での勝ち鞍がなく、2000mを超える距離も一度しか走ったことがない(未勝利時代に芝2200mで⑦着)。それを考えれば、
天皇賞・春に駒を進めてくるかどうかも分からないけれど、
今後、テイエムオペラオーのアンコールのような大仕事をどこかで成し遂げても驚けないような血統であることは、頭に入れておきたい。