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初の「同一重賞3連覇」だから、快挙達成と言っていい
文/編集部

出走馬17頭のうち、芝重賞で連対実績があったのはレーヴドリアン(1)、コスモファントム(2)、ゲシュタルト(3)、アドマイヤテンクウ(7)、モズ(11)。馬名の後ろの数字は単勝人気だが、その5頭のうち、1~3番人気に推されていた3頭が馬券圏内を占める決着となった。

京都新聞杯が5月に行なわれるようになった00年以降は、例年、条件戦を勝ち上がってきた馬と重賞やOP特別から転戦してきた馬が、ダービーを目指して激突する構図となっているが、今年は重賞実績馬に軍配が上がった。

①&③着は、前走の皐月賞で⑦&⑨着だったゲシュタルト(スプリングS②着)とレーヴドリアン(きさらぎ賞②着)。②着は、昨年暮れのラジオNIKKEI杯2歳Sで②着に好走し、ヴィクトワールピサ(皐月賞①着)とダノンシャンティ(NHKマイルC①着)の間に割って入っていたコスモファントム

前走で500万勝ちの4頭のうち、メイショウウズシオブレイクアセオリーが④&⑤着に食い込んでいたが、この結果から判断しても、皐月賞の前までに重賞で好走していたグループは層が厚いと推察できる。

勝ったゲシュタルトは、好位で折り合いをつけ、直線では先に抜け出したコスモファントムを目標にした格好で脚を伸ばし、ゴール前でこれをきっちりと捕えて差し切り。スムーズな競馬ができたとはいえ、コスモファントムに1馬身1/4差をつけていたから、文句なしで完勝と言えるだろう。

②着となったコスモファントムも、4ヶ月半ぶりの実戦と見れば上々。残り6Fから13.3-12.8-12.1-11.7-11.5-11.5とペースアップしていたように、前を行く馬がゴールに向かって加速している中、メンバー中最速の上がり(33秒9)を計時し、直線一気でコスモファントムにハナ差まで迫った③着レーヴドリアンも、非凡な能力は示した格好だ。

馬券的には、穴党の出る幕はなかったが、力のある馬が各々の持ち味を発揮していて、レースそのものは見応え十分だったと思う。

そんな好レースに花を添えたのが、マンハッタンカフェ産駒による「京都新聞杯3連覇」という記録ではないだろうか。08年メイショウクオリア、09年ベストメンバー、そして今回のゲシュタルトで、マンハッタンカフェ産駒が3年連続で勝利を収めた。

サンデー系の種牡馬は数多くいるが、「同一重賞3連覇」を成し遂げたのは、マンハッタンカフェの京都新聞杯が初となる。ダンスインザダークの菊花賞(03年ザッツザプレンティ、04年デルタブルース、09年スリーロールス)など、同一重賞を3勝している例はあるが、「3連覇」はまだなかっただけに、快挙達成と言っていいだろう。

ちなみに、サンデーサイレンスは「同一重賞3連覇以上」を以下の15レースで成し遂げている。

クイーンC(02~04年)、皐月賞(03~05年)、ローズS(03~06年)、京都牝馬S(03~05年)、シンザン記念(03~05年)、有馬記念(04~07年)、府中牝馬S(00~02年)、マイルCS(03~07年)、高松宮記念(05~07年)、青葉賞(03~06年)、天皇賞・秋(04~06年)、京成杯(01~03年)、マーメイドS(03~05年)、オールカマー(07~09年)、富士S(03~05年)。

マイルCSの5連覇(03年&04年デュランダル、05年ハットトリック、06年&07年ダイワメジャー)、有馬記念の4連覇(04年ゼンノロブロイ、05年ハーツクライ、06年ディープインパクト、07年マツリダゴッホ)などは圧巻で、しばらく破られそうにないし、改めてスーパーサイアーだったと思い知らされる。

なお、サンデー系の種牡馬では、ネオユニヴァースが弥生賞(09年ロジユニヴァース、10年ヴィクトワールピサ)、皐月賞(09年アンライバルド、10年ヴィクトワールピサ)、ラジオNIKKEI杯2歳S(08年ロジユニヴァース、09年ヴィクトワールピサ)で「同一重賞3連覇」にリーチをかけており、新種牡馬のゼンノロブロイも活躍が目立っている。

今年はディープインパクトやハーツクライの初年度産駒がデビューし、サンデー系の種牡馬の争いはさらに激しさを増しそう。ただ、マンハッタンカフェも、昨年、アグネスタキオンやダンスインザダークを抑えてリーディングサイアーに輝き、今回の「同一重賞3連覇」の達成といい、サンデー系の種牡馬の中でも、その地位を確立したように思える。

その父を2年連続でのリーディングサイアーへ押し上げることができるのか。その役目の一端を担うであろうゲシュタルトには、今後、「同一重賞3連覇」をアシストした以上の活躍を期待したいが、それができるだけのポテンシャルは秘めているはず。今回の勝ちっぷりも、そう思わせるだけの内容だった。