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社台ファームで休養調整された4頭が上位を独占した
文/村本浩平

今年のクイーンSは、社台ファームの生産馬2頭(①着アプリコットフィズ、②着プロヴィナージュ)での決着となった。

だが、この2頭以外を含めた上位4頭(③着カウアイレーン、④着レジネッタ)には共通点がある。それは4頭揃って、3か月ほど社台ファームで休養調整されていたことだ。

このレースで1番人気に支持されたヒカルアマランサスの調整を行ってきた、ノーザンファーム空港牧場の窪田厩舎長は、休養調整馬の管理についてこう話す。

「ヒカルアマランサスで言うと、年齢的にもできあがっている馬なので、まずは馬体の疲れを取ることを考えます。その後、乗り出していくのですが、決して競馬場のような速い時計を出すのではなく、むしろ厩舎にいい状態で送り届けられることを第一に考えますね」(窪田厩舎長)

窪田さんの厩舎からはヒカルアマランサスだけでなく、アニメイトバイオや土曜日(14日)の大倉山特別で②着となったアマファソンの休養調整も行っている。

「アマファソンは②着にこそ敗れてはいますが、目標とするレースがまだ先なので、次につながるスタートが切れたと思います」(窪田厩舎長)

クイーンSでのヒカルアマランサスは、4枠5番という枠順で、レースでは内枠の利を生かして先手を奪おうとしたが、外からアプリコットフィズ、内からプロヴィナージュといった有力馬に主導権を奪われた。

結局、直線でも伸びきれず⑧着に敗れてしまったが、小回りの札幌コースで苦しい形になっていたように思われる。自分の得意とする条件に戻れば、また力を発揮してくるのではないだろうか。

一方、優勝馬を送り出した社台ファームの関係者は、勝利という結果だけでなく、アプリコットフィズをはじめとする休養調整馬を良い状態で送り出せたことに喜びを感じていた。

「今回は厩舎を含めたチーム一丸となって、結果を残せたことが嬉しいです。北海道開催は調整を任される馬も多くなりますが、厩舎の足を引っ張らないように連携を取っていきたいですね」(社台ファームスタッフ)

今回の上位4頭やヒカルアマランサスは、この後、牧場へと戻り、秋競馬に向けて調整をしていくこととなる。

次のレースで優秀な成績を残してくれたのなら、その影には牧場スタッフの力があったことも思い出してほしい。