紅白馬券以外にも「さもありなん」という結果だった
文/編集部(M)
東京スポーツに
「そりゃホントか井崎亭」というコラムがある(競馬評論家・
井崎脩五郎氏のコラム)。日曜日版に掲載されるそのコーナーを毎週楽しみにしているのだが、今回の
根岸Sに関する記事がまた秀逸だった。
「根岸住まいで『根岸の師匠』と呼ばれた昭和の爆笑王・林家三平。その息子であとを継いだ、いっ平あらため二代目林家三平が、女優国分佐智子と婚約。」との文で始まり、
「今年の根岸Sは三平馬券が出るのではないか」と推測。
「三平だけに3枠かも」と話す近所の
鰻屋の美人女将エイコ52歳の話をもとに
枠順に注目していたら、
[3]枠に
“三平”が入ったというのである。
[3]枠に入ったのは
ダノンカモンと
ケイアイガーベラだったが、その鞍上と所属厩舎が、
三浦騎手(ダノンカモン)と
平田厩舎(ケイアイガーベラ)で、なるほど確かに
“三平”だ。
井崎さんは見る目が違うなあと、ただただ感心するばかりだった。
その推奨の買い目は、馬連で⑤-⑥(
ダノンカモン&
ケイアイガーベラ)、3連複で⑤&⑥流し(相手4頭)となっていたが、個人的には、どうせならもう
ひと捻りしてみたらどうだろうか?と思った。
“三平”枠である
[3]枠に注目しつつ、
婚約を祝うような馬や騎手、厩舎がいないかと探してみたら……いたのである。最内枠に
幸騎手(セイクリムズン)がいるではないか。これはまさしく、
「ご婚約おめでとうございます。末永くお幸せに…」ではないか。
バカバカしいと思いつつ、前日オッズを確認した時、さらにもうひとつ
気づいたことがあった。
幸騎手(セイクリムズン)の入った[1]枠と
“三平”枠である
[3]枠の枠連を買ったら、これは
『紅白』ではないか!と。これは
縁起が良いぞ!と(笑)。
というわけで、枠連[1]-[3]が当たりました。
3.2倍です。
1000円が
3200円になりました(笑)。
井崎さん、ヒントをいただいて、ありがとうございました。“三平”枠や
紅白の縁起馬券に気づかなくても、今回の
根岸Sの結果は
「さもありなん」と思った人が多かったのではないだろうか。
「メインレースの考え方」でも記されていたように、やはり軸馬には
ミスプロの血を持たない馬がふさわしく、中でも前走で連対圏に入っていた
セイクリムズンと
ダノンカモンの争いになった。
セイクリムズンについては「2走前(霜月S)くらい走れれば好勝負していいはず」と記されていたが、今回の勝ち時計は
1分23秒0。2走前の
霜月Sが
1分23秒1だったのだから、まさに2走前の再現のようだった。
セイクリムズンは間隔が開いている点がどうかと思われたが(今回は
中6週だった)、仕上がりはまったく問題なかったようだ。このあたりは、さすがに
ブルーコンコルドで数々のタイトルを手にしてきた
服部厩舎といったところだろうか。
ダノンカモンもきっちり伸びて③着以下に
3馬身の差を付けたのだから、
負けて強しの内容ではあった。
重賞では
武蔵野Sに続いて2度目の②着だが、その時よりも
速い上がりを使っていた(
武蔵野Sが
35秒7、
根岸Sが
35秒4)。それを上回る末脚を
セイクリムズンに使われてしまったのだから、仕方ない面もあるだろう。
セイクリムズンが記録した
35秒0という上がりタイムは、自己ベストではないものの、
良~稍重馬場のダートにおいては
自身最速である。この事実を見ても、
セイクリムズンの
現在の充実ぶりが分かる。
セイクリムズンのこれまでの③着以内は
すべて1400m以下で、マイル戦は3歳時に1戦して⑦着に敗れている(
ヒヤシンスS)。次走がどこになるかは分からないが、
フェブラリーSであるなら、いまの充実度でマイル戦を克服できるかが焦点だろう。
1番人気に推された
ケイアイガーベラは逃げの手に出てスムーズに走れていたと思うが、直線半ばで吸収され、
⑧着という結果に終わってしまった。
敗因が何かは分からないが、やはりひとつ言えるのは、
東京のダート重賞を牝馬が制するのは難しいということだろう。
武蔵野Sのこのコーナーでも記したが、90年以降の東京ダート1600m重賞で優勝した牝馬は
ホクトベガ(96年
フェブラリーS)しかおらず、
東京ダート1400mや同ダート2100mの重賞では0勝。
唯一、複数の牝馬が優勝しているのが
ダート1200mコースが存在していた頃の重賞で、同コースでは
ヤングエブロス(95年
根岸S)と
ブロードアピール(00年
根岸S、02年
ガーネットS)が勝っている。
昨今の牝馬は、
芝重賞では牡セン馬とまったく遜色なく、牡セン馬以上の活躍を見せているとも言っていいくらいだが、ダート重賞、特に
東京のダート重賞では、なかなか牡セン馬を打ち破ることができていない。
米国の
ゼニヤッタのような存在が出てくれば、それはそれでまた盛り上がるのだろうが……果たしてそのような日が日本でも訪れることはあるのだろうか。