現3歳の牝馬は序列がしっかりしている、との印象が残った
文/編集部(M)、写真/森鷹史
レースの施行が1週延び、キャリアの浅い
3歳牝馬の戦いということもあって、予想がさらに難しくなった感のあった今回の
フィリーズレビューだが、終わってみれば、
「現3歳の牝馬は序列がしっかりしている」という印象が残った。
馬群の外から差し切り勝ちを決めた
フレンチカクタスは、
赤松賞で
ダンスファンタジアの
②着となり、前走の
クイーンCでは同馬に先着。
阪神JFで②着に入った
ホエールキャプチャに0秒3差の
④着となっていた。
クイーンCは4コーナー6番手以下の馬が上位③着までを占める
差し決着で、
フレンチカクタスは
3番手から粘っての④着だったのだから、内容は悪くなかった。今回の出走メンバーの中で、
芝重賞で④着以内があったのは
3頭だけで、
フレンチカクタスは
実績上位と言うことができた。
フレンチカクタス以外に
芝重賞で④着以内があったのは、
フェアリーSで
②着となった
スピードリッパーと
函館2歳Sで
②着になった
マイネショコラーデ。そのうち今回のレースでは、
スピードリッパーが
フェアリーSの時と同じように差し込み、
②着に入線した。
スピードリッパーは
フェアリーSが
ダンスファンタジアと0秒4差で、2走前の
サフラン賞では、
阪神JF③着で
チューリップ賞②着の
ライステラスと0秒2差。同馬も、今回の出走メンバーの中では、
戦ってきた相手や
実績を考えると
上位の存在と言えた。
「メインレースの考え方」では、
フレンチカクタスと
スピードリッパーの2頭が過去の好走馬の条件と合致していて、
軸候補として名前を挙げていた。2頭は
3番人気(
フレンチカクタス)と
6番人気(
スピードリッパー)だったが、これは意外と人気にならなかったと言うべきだろう。
フレンチカクタスと
スピードリッパーはともに
キャリア6戦で、
フレンチカクタスは
⑤着以下がなく、
スピードリッパーは
馬券圏外がない。3週間後の
桜花賞では、その
安定感を武器にどこまで戦えるかだろう。
前述したように、
フレンチカクタスは
クイーンCで
ホエールキャプチャに、
スピードリッパーは
サフラン賞で
ライステラスに、それぞれ先着を許している。
「現3歳の牝馬は序列がしっかりしている」という視点でもう一度見れば、逆転するには
さらなる何かが欲しい感じがするし、さらに言えば、
桜花賞には
ホエールキャプチャと
ライステラスを下した
レーヴディソールも出走してくる。大一番で
序列の逆転劇は起こるだろうか。
ちなみに、
フレンチカクタスとは
テキーラベースのカクテル名で、これは
母ブラッシュウィズテキーラからの連想だろう。
ブラッシュウィズテキーラという名前は、
父(
Broad Brush)と
母(
Sheila Tequila)の名前を組み合わされたものだろうが、
Broad Brushの
母父がリボー系(Hoist the Flag)で、
Sheila Tequilaの
父もリボー系(Indefatigable)のため、
フレンチカクタスは
リボーのクロスを持っていることになる。
カクテルの方のフレンチカクタスは
テキーラと
ホワイトキュラソーを合わせるもので、このふたつの組み合わせだけに
アルコール度数は高い(飲み口はいいそうですが)。
フレンチカクタスの血統表を見ていると、なんだか
リボーのクロスが
テキーラと
ホワイトキュラソーに見えてくる。アルコール度数の高い、その
パンチの利いた組み合わせなら
桜花賞で威力を発揮しても……そんな気がしてくるが、果たしてどんな結果となるだろうか。