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ゴルトブリッツはダート界のスピードスターになれる器だろう
文/編集部(M)、写真/森鷹史

例年ならメンバーの揃いやすいアンタレスSが今年は14頭立てマーチSが4月10日に施行され、さらにはゴールデンウィークに地方交流重賞が立て続けに行われる予定となっていて、それらが出走頭数に影響を及ぼす感じとなった。

枠順発表後にはメテオロロジストが出走取消となり、13頭立てに…。『芝でもダートでも14頭立て以下には熱くなるな』座右の銘にしている私にとっては、出走頭数が少なくなっていくに連れて興味が殺がれていくのが常なのだが、今回のアンタレスSはちょっと違った。「WIN5」の対象レースだったからだ

4月24日の「WIN5」は、皐月賞魚沼Sなどが対象レースとなっていたが、5つのレースの中でダート戦アンタレスSだけ。このレースの選択点数を絞ることが重要と思い、予想をアンタレスSから始めたほどだった。

ところが、意外に絞るのに手間取るハメとなった。これが事件の始まりだった。

1番人気に推されたワンダーアキュート「阪神>京都」というイメージを持っていて、道悪馬場での成績が良かったものの、時計の速い決着になった時に突き抜けられるのか、不安を感じていた。

2番人気のバーディバーディは昨夏以降に連対歴がなく、それでいて斤量58kgを背負っていた。重賞2勝を良馬場で挙げていて、馬場が湿っての重賞では⑥⑤④着。こちらも時計が速くなると①着のイメージを抱きづらかった。

京都ダート1800mの成績を考えればダイシンオレンジが有力だと思ったが、今回は藤岡康騎手が騎乗していた。同馬は9連対をすべて川田騎手で記録していて、藤岡康騎手はダートの準OP以上が未勝利。これは気になった。

騎手については、ゴルトブリッツ田辺騎手タガノジンガロ松田騎手に対しても、「突き抜けられるのか?」と感じていた。というのも、田辺騎手松田騎手は芝ダート含めてOPクラスで1勝。どちらの勝利も芝で、ダートのOPクラスでの初勝利が重賞で?と思ってしまったのだ。

こうなると、何が勝利にいちばん近いのか検討つかず、「WIN5の対象レースからアンタレスSを外してもらえないだろうか」という無理な注文が頭の中を駆け巡り始めてしまった。

結局、「WIN5」用のアンタレスSの予想については、「1~3番人気の3頭(ワンダーアキュートバーディバーディゴルトブリッツ)を選択」という他人の予想(=単勝人気)に丸乗りする形でお茶を濁したのだが(結果的にそれはそれで良かったが、魚沼Sをハズシて、アンタレスSを迎える前に自分のWIN5は終了していた)、そこまで各馬をきちんと分析すると、馬券を買わないのもバカバカしくなってきて、アンタレスS13頭立てのレースなのに馬券を厚く買ってしまった(→堅い決着でもちろんハズレた)。

もしかして、これはだったんでしょうか?(笑)

日曜日の全レースを終えて冷静に振り返ってみると、なんだか自分がカレーにつられて相手に捕まってしまったキレンジャーみたいな気がしてきた(カレー=WIN5)。キレンジャーは捕まった後、「くっそ~、罠だったか!」というセリフを発していたと記憶しているが、自分も同じような心境です(笑)。

「WIN5」については、いつもの予想スタンスとはちょっと変えて、騎手に重きを置くとか、単勝人気を主軸にするとか、ある程度の決め打ちをした方がいいのかもしれない。そして、それ以上に、「WIN5」と普段の馬券の切り離し方も再考した方がいいように感じた。みなさんはどんな感想を持っただろうか?

アンタレスSのレースについて振り返ると、②着になったワンダーアキュートと③着のバーディバーディについては、戦前の不安が的中してしまう結果だったと言えるだろう。

決着時計は1分49秒台前半を予想していたが、それを1秒ほど上回る1分48秒1で、かなりのスピードを求められる結果になった。ワンダーアキュートバーディバーディはゲートの出ももうひとつだったし、それで時計も速くなっては厳しかったと思う。

ただ、逆に考えれば今回の敗因はハッキリしていて、それでも馬券圏内を確保したように、この2頭は完全に復調したと言えるだろう。今回はゴルトブリッツ0秒3差(ワンダーアキュート)と0秒7差(バーディバーディ)を付けられたが、条件によって再逆転は十分にあり得るはずだ。

優勝したゴルトブリッツについては、田辺騎手を不安視するようなことを書いたが、外枠ながら徐々に内に進路を取り、直線でも内を捌いて抜け出すという非の打ち所のない騎乗だったと思う。

前走の門司Sの勝ち時計(1分42秒0)は、ダート1700mの日本レコードと0秒3差で、今回の勝ち時計(1分48秒1)もダート1800mの日本レコードと0秒3差ゴルトブリッツディープインパクトの近親らしく、ダート界のスピードスターになれる器なのだろう。

500kgを超える大型馬だが、次走以降は、良馬場でパワーを求められる馬場になった時にどんな走りを見せるかではないか。ちなみに、スペシャルウィーク産駒としては、中央のダート準OP以上が良馬場の時、[2.3.2.66](2勝は東京&京都の1400m以下)というデータがあるが…。

もし今回とまったく同じメンバーでレースが組まれ、それがダートの良馬場で、また「WIN5」の対象レースだったら……ゴルトブリッツを外すわけにはいかないだろうし、ワンダーアキュートバーディバーディもパフォーマンスを上げる可能性が高そうと考えるだろう。となると、また3頭を選択してしまいそうだ。

カレーライスなのか魔性の女なのか、なんだかよく分かりませんが、「WIN5」は魅力的すぎて困ったことになってきたな(笑)。