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ハイペースでもスローペースでも、フミノイマージンは切れた
文/編集部(M)、写真/森鷹史

近3年は軽ハンデの逃げ馬が連対圏に残って好配当が輩出されてきたマーメイドSだが、今年はガラリ一変差し決着となった。

ハンデ戦になってからは55kg以上の馬は連対圏に入れていなかったのに、今年はワンツー(①着フミノイマージン・55kg、②着ブロードストリート・56kg)。なんという変わり身だろうか。

阪神芝2000mでの牝馬限定のハンデ戦という条件は今年も変わらず、施行日も過去5年が6月17日~22日で今年は6月19日開催2日目というのも同じだが……と、ここまでを読んで「ん?」と思った人もいるのではないだろうか。「今年が開催2日目?」と。

先週も先々週も、阪神では開催があった。それでも、今週(6月18日~19日)は開催1~2日目だったのだ。知っていましたか?

このカラクリは、こういうことだ。先週までの開催は「第3回阪神競馬」(6月4日~12日)で、今週からは「第4回阪神競馬」(6月18日~26日)なのである。いずれも全4日間の開催で、「第3回」と「第4回」に区切られているのだ。

なぜこんなややこしい設定にされているのかは分からないが、いずれにしても、今年のマーメイドS「開催2日目」での施行でありながら、実質的には開幕週ではなく、開催後半の馬場だった。だからこそ、過去傾向とはガラリ一変の結果となったのではないだろうか。

しかし、見えにくい形で条件が変わっていたとはいえ、ここまで傾向が一変するとは思ってもみなかった。それは、実質、開催後半の馬場でありながら、逃げ馬が不在だったためにスローペースが見え見えで、先行馬に有利な流れになると思っていたからだ。

ゲートが開くと、先行しようとする馬は複数いたものの誰もハナを切ろうとはせず、1コーナーまでは、なんだかババ抜きをしているかのような形だった。

結局、ポルカマズルカ&ウィリアムズ騎手がハナに立ったが、前半の1000m通過は61秒2のスロー。しめしめと思ったのだが、そんな思いもつかの間、直線に入ると、馬群の前にいた組と後ろにいた組がガラリと入れ替わり、過去傾向同様に結果も一変してしまった。

スローペースになって、逆に、後続の馬たちが脚を温存できる形になったのか。それにしても、4角5番手以内の馬が1頭も④着以内に残れなかったのだから、やはり先行しては厳しい馬場になっていたのだろう。だからこそ、序盤にババ抜きが行われたのかもしれない。

優勝したフミノイマージンは、前走の金鯱賞こそ不良馬場で差し込めなかったが、それでも上がり3Fはメンバー中3位(36秒3)で、牝馬限定重賞で2戦連続連対をしていた状態は維持されていたのだろう。

果たして、ペースは合うのか? 内回りコースでも変わらず差し込めるのか? と思われたが、地力と勢いの差を見せつけるような走りだった。

14番人気で②着に突っ込んできた中山牝馬Sの時は驚かされたものだが、あの時は1000m通過が57秒9というハイペースで、外回りコースも合ったのだと思っていた。ところが、今回は内回りのスローペースでも差し切り、上昇カーブの急角度さを実感させられた。

同じ阪神芝の牝馬重賞②着(中山牝馬S)、①着(マーメイドS)となったわけだが、その上がり3Fは34秒2(中山牝馬S)と34秒3(マーメイドS)。コースが異なり、ペースも大きく違いながら、変わらぬ切れ味を見せたのだから、これは脱帽モノだ。

レース後、鞍上の太宰騎手「今日は折り合いもすごく楽でした」と話していた。前述したように中山牝馬Sはハイペースだったし、内から差し切った福島牝馬Sも1000m通過は59秒6で、遅い流れではなかった。今回のマーメイドSは、それらに比べて格段に遅く、それでも折り合いが楽だったというのだから、これも成長の証だろう。

今後の古牝馬の芝重賞は、8月14日にクイーンSが予定されている。フミノイマージンがそこに出走するかは定かではないが、札幌芝での勝利経験もある馬だけに、参戦すればチャンスも大きいだろう。

クイーンSは第1回札幌競馬の開幕週に予定されていて、これは正真正銘の開幕週の施行です(笑)。先行馬と内枠の馬に有利なレースと言えるので、その傾向を断ち切れるかがポイントになってくるのではないだろうか。

なお、来週には、2011年上半期を締めくくるG1・宝塚記念が行われるが、開催は近年の同レース同様、「阪神競馬4日目」となっている。ただ、実質的には「開催8日目」になるので、その点は頭に入れて臨みたい。

できることなら、来年のマーメイドSの時にも、「去年は開催2日目での施行だったけど、実質的には開催6日目だった」ということを思い出して、馬券作戦に活かしたいものだ。