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「流れ」を読み切ることが、関屋記念的中のカギだった!?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也


今年の関屋記念を制したレインボーペガサスは、前走から約5ヵ月半ぶりというハンデをものともせず、3歳時のきさらぎ賞以来となる重賞2勝目を挙げた。

このレース結果を受けて、レインボーペガサスの勝因は何だろうかと、(馬券を外したこともあって)いろいろ反省も兼ねて考えてみると、「いろいろな意味で『流れ』を読み切れなかったことじゃないか?」ということに思い至った。

「流れ」にもいろいろあるが、まずは「レースの流れ」。逃げたマイネルファルケが作ったペースは、前半4ハロンが46秒2。これは新潟が左回りとなった01年以降の関屋記念では3位タイの速さで、今回はハイペースだったといえる。

自分は「少頭数だし、それほど速くはならないだろう」と思っていたが、今回のペースを読み切るヒントはあった。マイネルファルケは、このレースで初めてブリンカーを装着していたのだ。

マイネルファルケがどうかは分からないが、他馬を気にして行き切れない馬が、ブリンカーを着けて行き切って逃げ切る、ということはしばしばある。マイネルファルケのブリンカー着用から「今回は何が何でも行く」という意思を読み取ることもできたのではないだろうか。

そのような速めの流れの中で、レインボーペガサスは好位の外を追走。「気性的な問題があってこれまで大成できなかった」とレース後に安藤勝騎手が語ったが、このレースでも掛かりそうになりそうなところを、ガッチリと手綱を抑えたままで折り合いをつけた。

直線を向いて、後方の馬が仕掛けるのを後ろに見ながらも、安藤勝騎手はジッと持ったまま。残り400mでバテた馬を交わして先頭に立ち、そこから仕掛けられるとグイッと伸びて押し切った。レインボーペガサスが折り合えた背景には、マイネルファルケが作った速いペースも大きかったのではないだろうか。

もうひとつの「流れ」は、関屋記念というレースそのものの「流れ」。01年以降の関屋記念で、勝ち馬の4コーナーにおける位置取りは以下のようになる(09年のみ稍重で、それ以外は良馬場での開催)。

勝ち馬 位置
01 マグナーテン 2
02 マグナーテン 2
03 オースミコスモ 4
04 ブルーイレヴン 4
05 サイドワインダー 15
06 カンファーベスト 7
07 カンパニー 13
08 マルカシェンク 9
09 スマイルジャック 14
10 レッツゴーキリシマ 1
11 レインボーペガサス 3

これを見ると、01~04年は4コーナーで4番手以内の馬が勝っている。それに対して、05~09年は7番手以下の馬が制しており、差し馬が台頭する「流れ」に変わったのが分かる。

そして昨年は、レッツゴーキリシマが逃げ切り勝ち。馬場の変化など、理由はいろいろあると思うが、これを見て「流れが変わったか?」と気づくこともできたのではないだろうか。

「傾向」「流れ」といったものは、時々刻々と変わっていく。ビジネスの世界では、「この株はそろそろ上がりそう」「これに投資しておけば、いずれ大きな利益を生む」など、時流を先読みして、他より一歩先んじることが重要になる。

パドックや調教などを重視して予想する場合はあまり関係ないかもしれないが、過去の傾向や馬場傾向などを重視して予想をする場合、そういった考え方は競馬にも通じるのではないだろうか。

一方で、そういった「流れの変化」と同時に、「変化しない流れ」を見極める力もまた大事。今年の関屋記念の例で言えば、「04年以降の関屋記念では、すべてのレースで7~8枠の馬は1頭以上連対しており、特に08~10年では7~8枠の馬が2頭馬券に絡んでいた」ということ。

今年もその傾向は変わらず、7枠9番で4番人気のレインボーペガサス①着、8枠12番で2番人気のエアラフォン②着に入った。7枠10番のスペシャルハートが6番人気、8枠11番のマイネルクラリティが7番人気だったので、7~8枠に入った中で人気上位の馬を2頭ピックアップすれば、容易に的中に近づけていた、というわけだ。

「変化した流れ」「変化しない流れ」のどちらかを一方でも読み切っていれば……と思うと、悔しさも倍増するが(笑)、それは今後の反省として活かしていきましょう。

ちなみに、勝ったレインボーペガサスは6歳馬で、6歳以上のアグネスタキオン産駒が重賞を勝つのは初めてのこととなる。この勝利をきっかけに、今後は高齢のアグネスタキオン産駒の活躍にも注意する必要が出てくるかもしれない。「アグネスタキオン産駒は若い馬、特にクラシック戦線に強い」という「流れ」が今後変化するのか、注目したい。