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新生ローズキングダムの今後はぜひとも刮目しておきたい
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也

最近、3歳のを抱っこして歩いていると、腕が疲れてどうしようもない。を抱っこした翌日、両腕が筋肉痛になっていることもしょっちゅう。また、子供用の座席を取り付けた自転車と二人乗りをしていると、最初はギアがいちばん重い状態のようで、懸命にペダルを漕いでもスッと加速できなかったりする。

自分の足の筋力が衰えたせいか、いや、明らかに以前よりも重くなっている。成長真っ盛りなのだから当たり前だが、の体重が気になったので量ってみると13kgだった。10kg入りの米袋でも相当重いのだから、そりゃあ、腕も悲鳴を上げるし、自転車も思うように動かないわけです(笑)。

京都大賞典はというと、同年に芝重賞で連対のある馬が不在ローズキングダムジャガーメイルオウケンブルースリマイネルキッツと4頭のG1馬が出走していたものの、毎年、秋のG1シリーズに参戦する有力馬が揃う京都大賞典にしては、近走内容に物足りなさが残るメンバー構成という印象だった。

そんな中、今年の京都大賞典「ローズキングダムが59kgの斤量をこなして勝ち切れるかどうか」が最大の焦点だと考えていた。

G1・2勝同年に芝重賞で③着以内あり同年にG1で掲示板内あり、といった項目は、出走馬中でローズキングダムのみがクリア。実績的に最上位であることは1.8倍の単勝オッズを見ても、周知の事実だったということだろう。

ただローズキングダムは、2~3歳時は57kg以下で[5.2.1.1]とほとんど崩れていなかったが、4歳になった今年は58kg以上で[0.0.2.2]京都大賞典は468kgの馬体重で出走していたが、牡馬にしてはそれほど大きくなく、今年に入ってから成績が下降したのは、重い斤量が少なからず影響している部分もあると思えた。

なので正直、今回も1.8倍という圧倒的な単勝人気ほど、ローズキングダムのことを信じ切れない自分もいた。59kgの影響で斬れ味が鈍り、鋭い決め手を有するジャガーメイルオウケンブルースリあたりに差されてしまうシーンもあるのではないかと。

ところが、ローズキングダムはそんな心配性の自分をよそに、②着ビートブラック以下に1馬身1/4差をつけて完勝する。

レースは大方の予想通り、ネコパンチが引っ張る展開。フォゲッタブルの2番手は意外だったが、ローズキングダムはそれら前2頭を見る3番手につける。ビートブラックオウケンブルースリジャガーメイルといった有力馬を背にして、「来るなら来い」という横綱然としたポジション取り

8頭立てと少頭数でもあり、1000m通過は60秒9とゆったりした流れで、隊列はほとんど変わらないまま直線へ。ローズキングダムは後続の有力馬を一瞬で引き離し、前を走るネコパンチフォゲッタブルをあっさり交わして先頭に立ち、大接戦となった②着争いを尻目にリードを保ってゴールを駆け抜けた。

とても59kgを背負っているとは思えないような軽快な脚取りで、計時した上がり3Fは33秒1。メンバー中最速の上がりはジャガーメイル(33秒0)に譲ったが、59kgを背負い、先行して上がりを33秒1でまとめて1馬身1/4差。ここでは力が一枚上と思わせるには十分な内容だった。

自分が運転する13kgを乗せた自転車の初速は、小学生が運転する自転車のそれにも敵わないだけに(笑)、斤量59kgローズキングダムが直線で見せた、あの瞬間的な加速力は目を見張るもの。素晴らしいのひと言に尽きる。

ちなみに00年以降、京都大賞典59kgを背負って勝利したのはテイエムオペラオー(00年、01年)、ナリタトップロード(02年)、オウケンブルースリ(09年)。このうち、33秒台の上がりを計時していたのは00年のテイエムオペラオーだけで、その上がりは33秒3だった。

00年のテイエムオペラオーと言えば、G1・5勝を含めて8戦8勝と負けなしで、驚異的な強さを誇っていた年である。59kgを背負って33秒台の上がりを計時して勝利した点では、今回のローズキングダムは00年のテイエムオペラオーと遜色ないことになる。

昨秋のジャパンCを繰り上がりで優勝して以降、有馬記念出走取消(疝痛)となり、今年に入ってからも同世代のライバルたちに遅れを取っていたが、モヤモヤ感を一掃した感じ。そしてまた、この後のG1戦線に向かうにあたっても、非常に期待の膨らむパフォーマンスだったと言えるのではないだろうか。

どの馬にも、キャリアの中で変わり目となるレースは存在するはずだが、この京都大賞典ローズキングダムにとってそうなりそうな気がする。いままでこなせなかった斤量を克服した、新生ローズキングダムの今後は刮目しておきたい感じだ。