やはり「ビビビ!」レーダーの反応は間違いではなかった!?
長いこと競馬を見ていると、新馬戦で「ビビビ!」とくる馬とこない馬がいる。パッと思い浮かんだところで言えば、エルコンドルパサー、アグネスタキオン、ディープインパクトが「ビビビ!」ときた馬だった。
3頭とも新馬戦で圧勝していたので、そのレースぶりを見れば、多くの競馬ファンが「走ってきそう」と感じるかもしれないが、新馬戦で圧勝したすべての馬に対して、「ビビビ!」と感じるわけではない。
「ビビビ!」というのは、その馬が持っている「スケールの大きさ」に対する反応とでも言いますか、あくまで感覚的なもの。なのでもちろん、「ビビビ!」とこなかった馬の中にも、のちの活躍馬が数え切れないくらいいる。
最近では、レーヴディソール、オルフェーヴルなどがそうで、新馬戦で勝ったあとの率直な感想は、「血統馬で走りそうだなぁ」くらいだった。無敗で2歳女王に輝いた馬、史上7頭目の牡馬三冠馬に反応できていないのは情けない。
ウチの奥さんが『サラブレ』に入って初めて体面した時、「ビビビ!」の「ビ」すらもなかったのに、いまでは結婚してもうすぐふたり目の子供が産まれるっていう状況なわけですから、「ビビビ!」レーダーはいろんな意味でアテにできない時もあります(笑)。
ただ、前述したエルコンドルパサー、アグネスタキオン、ディープインパクトなどを見ても、「ビビビ!」ときた馬はわりと高い確率でその後に活躍しているので、その点にはちょっとだけ自負を持っている。
と、長い前置きになってしまったが、東京スポーツ杯2歳Sを制したディープブリランテについては、現2歳世代の中で初めて「ビビビ!」ときた馬だった。
新馬戦は出遅れながらも好位まで押し上げ、直線で持ったままで先頭に踊り出ると、軽く仕掛けただけでサッと後続を突き放し、あとは流してゴールを通過(5馬身差勝ち)。軽くエンジンをひと吹かしして勝負あり、といった感じのレースぶりで、底知れないポテンシャルを感じさせた。
レースが終わったあとで血統背景をチェックしたところ、フラワーC②着のハブルバブルの全弟で、近親にはバブルガムフェロー、ザッツザプレンティ、ショウナンパントルといったG1ウイナーがいるバブルカンパニーの牝系。なるほど走りそうである。
そう感じた競馬ファンも多かったのか、デイリー杯2歳Sを制して2戦2勝のクラレント、新潟2歳S②着のジャスタウェイといったOP好走馬を押しのけて1番人気。しかも単勝オッズは2.4倍で、2番人気のクラレントが4.7倍だったから、堂々の本命馬だろう。
その一方、初の東上に加えて極悪馬場も重なった今回、キャリアの浅さを露呈してしまうケースもあり得るのではないか。そんな不安も一瞬、脳裏をよぎったが、またしても「スケールの大きさ」を漂わせながらの圧勝劇。
逃げるキープビリービングを追いかけた先行集団がみな掛かり気味で、そのグループの中にディープブリランテもいたが、直線入口で押し出されるように先頭に立ち、新馬戦と同じくエンジンを吹かすと背後から迫ったライバル勢を置き去りに。
2番人気に推されたクラレントはレース前に放馬してしまい、不良馬場もこたえたようで後方ままで見せ場なく終わってしまったが、ディープブリランテはバステッドの4×5、リファールの4×5というクロスを持っていて、スタミナを要するタフな馬場も悪くなかったのか、前半に掛かり気味になりながらも3馬身差をつけて押し切ってしまったのだから、モノが違った感じ。
岩田騎手はレース後のインタビューで、「2歳馬離れしているというか、大人びた走りをしますね。すごく強い内容だったと思います。無事にいってくれれば、G1の舞台でも明るい未来が待っていると思います」とコメントしていたが、鞍上の言葉からも期待の高さが窺える。
また、1番人気で東京スポーツ杯2歳Sを制した馬はその後、ローズキングダム、アドマイヤコジーン、キングヘイロー、フサイチリシャールがG1馬となり、サダムパテックやフサイチホウオーはクラシックで好走している。
データからも、そして、新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sとも圧勝しながら、まだまだ奥がありそうなディープブリランテの今後には期待が膨らむところで、やはり「ビビビ!」レーダーの反応は間違いではなかった!? と思える日が訪れることを願いたい。
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也
3頭とも新馬戦で圧勝していたので、そのレースぶりを見れば、多くの競馬ファンが「走ってきそう」と感じるかもしれないが、新馬戦で圧勝したすべての馬に対して、「ビビビ!」と感じるわけではない。
「ビビビ!」というのは、その馬が持っている「スケールの大きさ」に対する反応とでも言いますか、あくまで感覚的なもの。なのでもちろん、「ビビビ!」とこなかった馬の中にも、のちの活躍馬が数え切れないくらいいる。
最近では、レーヴディソール、オルフェーヴルなどがそうで、新馬戦で勝ったあとの率直な感想は、「血統馬で走りそうだなぁ」くらいだった。無敗で2歳女王に輝いた馬、史上7頭目の牡馬三冠馬に反応できていないのは情けない。
ウチの奥さんが『サラブレ』に入って初めて体面した時、「ビビビ!」の「ビ」すらもなかったのに、いまでは結婚してもうすぐふたり目の子供が産まれるっていう状況なわけですから、「ビビビ!」レーダーはいろんな意味でアテにできない時もあります(笑)。
ただ、前述したエルコンドルパサー、アグネスタキオン、ディープインパクトなどを見ても、「ビビビ!」ときた馬はわりと高い確率でその後に活躍しているので、その点にはちょっとだけ自負を持っている。
と、長い前置きになってしまったが、東京スポーツ杯2歳Sを制したディープブリランテについては、現2歳世代の中で初めて「ビビビ!」ときた馬だった。
新馬戦は出遅れながらも好位まで押し上げ、直線で持ったままで先頭に踊り出ると、軽く仕掛けただけでサッと後続を突き放し、あとは流してゴールを通過(5馬身差勝ち)。軽くエンジンをひと吹かしして勝負あり、といった感じのレースぶりで、底知れないポテンシャルを感じさせた。
レースが終わったあとで血統背景をチェックしたところ、フラワーC②着のハブルバブルの全弟で、近親にはバブルガムフェロー、ザッツザプレンティ、ショウナンパントルといったG1ウイナーがいるバブルカンパニーの牝系。なるほど走りそうである。
そう感じた競馬ファンも多かったのか、デイリー杯2歳Sを制して2戦2勝のクラレント、新潟2歳S②着のジャスタウェイといったOP好走馬を押しのけて1番人気。しかも単勝オッズは2.4倍で、2番人気のクラレントが4.7倍だったから、堂々の本命馬だろう。
その一方、初の東上に加えて極悪馬場も重なった今回、キャリアの浅さを露呈してしまうケースもあり得るのではないか。そんな不安も一瞬、脳裏をよぎったが、またしても「スケールの大きさ」を漂わせながらの圧勝劇。
逃げるキープビリービングを追いかけた先行集団がみな掛かり気味で、そのグループの中にディープブリランテもいたが、直線入口で押し出されるように先頭に立ち、新馬戦と同じくエンジンを吹かすと背後から迫ったライバル勢を置き去りに。
2番人気に推されたクラレントはレース前に放馬してしまい、不良馬場もこたえたようで後方ままで見せ場なく終わってしまったが、ディープブリランテはバステッドの4×5、リファールの4×5というクロスを持っていて、スタミナを要するタフな馬場も悪くなかったのか、前半に掛かり気味になりながらも3馬身差をつけて押し切ってしまったのだから、モノが違った感じ。
岩田騎手はレース後のインタビューで、「2歳馬離れしているというか、大人びた走りをしますね。すごく強い内容だったと思います。無事にいってくれれば、G1の舞台でも明るい未来が待っていると思います」とコメントしていたが、鞍上の言葉からも期待の高さが窺える。
また、1番人気で東京スポーツ杯2歳Sを制した馬はその後、ローズキングダム、アドマイヤコジーン、キングヘイロー、フサイチリシャールがG1馬となり、サダムパテックやフサイチホウオーはクラシックで好走している。
データからも、そして、新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sとも圧勝しながら、まだまだ奥がありそうなディープブリランテの今後には期待が膨らむところで、やはり「ビビビ!」レーダーの反応は間違いではなかった!? と思える日が訪れることを願いたい。