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コンクリートの壁を鉄砲で打ち抜かれたくらいの衝撃だった!?
文/編集部(W)、写真/森鷹史

先日、自宅の壁に壁掛けフックを取り付けるため、壁にをあけようと試みたがビクともせず。おそらく、人様にお見せできないような顔をしていたと思われるが、それくらい渾身の力を注ぎ込んでもダメだった。

壁掛けフックの設置は諦め、数日後にそれとなくに壁のことを聞いてみると、その部分は壁紙のすぐ裏がコンクリートらしく、「なるほどねぇ」と心の中で納得した。

結局、壁に残ったのはほじくった跡だけという状況に。その作業はにナイショでやっていて、その痕跡が見つかったら怒られるので、バレないようにできる限りの証拠隠滅の細工をして、気づかれるまでそのまま放置しておくことにしました(笑)。

なぜそんな話を持ち出したかと言うと、レッドデイヴィス鳴尾記念で突き抜けることは、個人的なイメージだと、壁紙のすぐ裏がコンクリートになっている壁に穴をあけることくらい難しいんじゃないかと感じていたからである。

まず、鳴尾記念『メインレースの考え方』で書いたように、阪神芝外1800m重賞の18レースにおいて、勝ち馬18頭はすべて前走⑨着以内で、前走⑩着以下だった馬は[0.3.3.36]と勝ち馬が出ていなかったこと。レッドデイヴィスは前走の京都新聞杯⑩着だったので、その点が気になった。

また、これは『おトクな出馬表』レッドデイヴィスのコメントで書いたが、アグネスタキオン産駒は芝準OP以上で半年以上の休み明けだと[1.2.5.31]だったこと(勝ち馬は10年下鴨Sを6ヵ月半ぶりで制したアドマイヤメジャーだけだった)。

その成績の中には、レッドデイヴィスと同じく骨折休養明けで重賞(エリザベス女王杯)に挑んだレーヴディソール(8ヵ月ぶり、結果は⑪着)も含まれていて、G1とG3では多少事情は異なるかもしれないが、それでもやはり、無敗の2歳女王でさえも崩れた条件下となると、7ヵ月ぶりの重賞で突き抜けることは至難の業と思えたのである。

ところが、レッドデイヴィスはその両方のデータをあっさりと覆して重賞3勝目を挙げ、レース直後は思わず「たまげた」とつぶやいてしまった。

「たまげた」一因ともなったのは、差して勝利したこと。シンザン記念毎日杯とも好位から押し切っての勝利だったので、ここも開幕週であることを加味すれば、先行抜け出しの競馬をすると勝手に決め付けていたが、その想定もあっさり覆された。

しかも、直線での伸び脚が鋭くて、外を回ってあっという間に内の各馬を抜き去っていたが、計時した上がり33秒6は自己ベストだったので、7ヵ月の骨折休養明けとなる馬のパフォーマンスとは到底思えず。

シンザン記念では三冠馬オルフェーヴル、桜花賞馬マルセリーナを負かし、毎日杯ではNHKマイルC②着のコティリオン、古馬相手のアイルランドTで快勝したトーセンレーヴなどを負かして優勝していたが、その実績はダテではなかったということだろう。

レッドデイヴィスはこの後、年末の有馬記念に向かう模様。近親には菊花賞メルボルンCを制したデルタブルースがいるので、未経験の芝2500mでも一概に軽視はできない印象もあるが、少なくともこれまでのキャリアからは、マイル~中距離くらいではかなりのレベルにあると言えそうだ。

かれこれ30年以上も生きているが、今回のレッドデイヴィスの勝利とレースぶりは「たまげた」ランキングだと、かなり上位に食い込むような気がする。それこそ冒頭の話の流れで言えば、コンクリートの壁を鉄砲で打ち抜かれたくらいの衝撃だった、鉄砲で勝利しただけに(笑)。

実際にコンクリートの壁を鉄砲で打ち抜けるかどうか、試したことがないので分かりませんが、それはさておき、今回は3歳馬が4頭出走し、結果的には人気のなかったほうの2頭がワンツーする形となったが、①着レッドデイヴィス、②着ショウナンマイティ、③着サダムパテック、④着フレールジャックで、①~④着までを占めた。

昨年も3歳馬が4頭出走していて、①着ルーラーシップ、②着ヒルノダムール、③着リルダヴァル、⑤着ショウリュウムーンと、馬券圏内を独占し、なおかつ4頭揃って掲示板内に載っていただけに、今後も3歳馬が中心となるトレンドは続きそうな感じ。その点は来年に向けて覚えておきたい。