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“あぶり出された”ベストディールの中山適性
文/編集部(T)


子供の頃に“あぶり出し”をやったことがある方は、どれだけいらっしゃるだろうか。念のため説明すると、みかんの果汁などで紙に文字を書くと、乾いたあとは透明になるが、それに熱を加えると書いた文字が浮かび上がってくる、という遊びだ。

かつてはクラシックになかなか結びつかないといわれていた京成杯だが、一昨年の勝ち馬エイシンフラッシュダービーを制し、昨年末の有馬記念では7番人気ながら②着に健闘した。昨年の勝ち馬フェイトフルウォーもG1では結果を残せなかったが、昨秋にセントライト記念を制している。

有馬記念セントライト記念は、言わずと知れた中山のレース。個人的に思うのだが、最近の京成杯“中山を得意とする馬をあぶり出す”レースとなっているような気がする。

まだ3歳のこの時期だと、各馬の適性はなかなか見えてこない。イメージとしては、白紙に字は書かれているが、まだ熱を加えられていない状態。しかし、このレースで好走することで、“私は中山が得意ですよ”という文字があぶり出されてくる、という感じだ。

近5年の京成杯勝ち馬が、その後に中山芝の重賞で③着以内に入ったレースをピックアップすると、以下のようになる。

勝ち馬 好走レース
07年 サンツェッペリン 皐月賞②着
08年 マイネルチャールズ 弥生賞①着、皐月賞③着、セントライト記念②着
09年 アーリーロブスト なし
10年 エイシンフラッシュ 皐月賞③着、有馬記念②着
11年 フェイトフルウォー セントライト記念①着

5頭の勝ち馬のうち、3頭が皐月賞で好走している点は、見逃せないのではないだろうか。

また、勝ち馬だけでなく、たとえば昨年の②着馬デボネア弥生賞③着、09年の②着馬ナカヤマフェスタセントライト記念①着、07年の②着馬メイショウレガーロ中山金杯で③着に入っている。

今年の勝ち馬ベストディールは今回が中山初出走だった。過去5年の勝ち馬のうち、3頭はすでに中山での好走歴があったが、京成杯が中山初出走だった馬は、エイシンフラッシュアーリーロブストがいる。前述したように、その後中山芝で活躍したエイシンフラッシュは、このレースで“あぶり出された”1頭といえるだろう。

ここでベストディールのレースぶりを振り返ると、道中は中団から進み、4角で外から進出して直線は外目の馬場の良いところを通って突き抜けた。

ラップを見ると、前半1000mは60秒4で、さほど速くはないように見えるが、道中で前にいた馬は4角2番手から③着のアドマイヤブルー以外が馬群に沈んでいて、結果的に見ると差し有利の展開。それを4角6番手から抜け出したベストディールのレース内容は、なかなか強いものだった。

②着マイネルロブスト、③着アドマイヤブルーはこれまで中山芝で連対を外しておらず、すでにうっすらと中山を得意としていることが“あぶり出されていた”感もあるが、改めて中山が合うことが確かめられたのは間違いないところだろう。勝ち馬ベストディールとともに、今後、特に中山では注目していきたい。

ベストディールの血統に目を向けると、父はおなじみのディープインパクト。この世代のディープインパクト産駒は、牡馬はディープブリランテ(東京スポーツ杯2歳S)、アダムスピーク(ラジオNIKKEI杯2歳S)、牝馬もジョワドヴィーヴル(阪神JF)、ジェンティルドンナ(シンザン記念)が重賞を制していて、まさに多士済々。2年目のジンクスなどどこ吹く風といった感じだ。

ベストディールの母コマーサントはフランス産馬で、フランスでデビューした後にアメリカに移籍し、当地のG1を制している

現3歳世代の重賞勝ち馬の母を見ると、ディープブリランテの母は仏重賞勝ちアダムスピークの母は米G1勝ちジェンティルドンナの母は英G1勝ち、そしてジョワドヴィーヴルの母ビワハイジ持ち込み馬で、日本のG1を勝った。いずれも母が海外の血統で、しかも現役時代に活躍しているという共通点がある。

ディープインパクトに種付けされる牝馬は活躍馬が多いということはあるかもしれないが、母の実力をストレートに反映した産駒を多く出し、しかも海外の血統と相性が良いということは言えそう。この傾向は、POGなどでも役立つかも?

ディープインパクト産駒は、昨年の3歳世代はマルセリーナ桜花賞、牡馬はリアルインパクト安田記念を制したが、牡馬クラシックには届かなかった。

今年こそ、特にベストディールにとっては、春の皐月賞、少し気が早いが、年末の有馬記念あたりも狙い目ではないかと思えるが……、どうでしょうか?