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ゴールドシップの結果で、今後10年のクラシック戦線が占える?
文/編集部(T)、写真/川井博


ゴールドシップが先頭でゴールを駆け抜ける姿を見ながら、「ディープ産駒でも負けることがあるんだなあ……」などと、よく考えてみれば当たり前のことを考えていた。

4頭出走していたディープインパクト産駒を完封してレースを制したゴールドシップは、ステイゴールド産駒。掛かり気味にハナに立ったディープブリランテを前に見ながら好位を追走し、直線に入ったところでは一旦ディープブリランテに突き放されかけたが、鞍上の内田騎手のムチに応えて再加速。残り100mでディープブリランテを交わしてゴールした。

いろいろなところで言われていたが、前日のクイーンCディープインパクト産駒のヴィルシーナが制したことで、同産駒は産駒が出走した重賞で7連勝となっていた。

この快記録はさまざまなところで言及されていたこともあり、「とにかく今のディープインパクト産駒に逆らっちゃいけない」という、ある種強迫観念のようなものが馬券を買う人間の中で渦巻いていたような気がする。

個人的な話をすると、年明けから京成杯きさらぎ賞と、ディープインパクト産駒が強烈な強さを発揮したレースのレースインプレッションを書いてきた。そのこともあり、「今回は何を書こうか」と、ディープブリランテが勝ったときの原稿の構成を考えていたほどだった(笑)。

しかし今回、1番人気のディープブリランテ馬体重12kg増での出走となった。3ヵ月の休み明けでもあり、普通なら重め残りか、と思わせるような状況ではあったが、単勝オッズは前日最終と同じオッズの1.4倍となった。ディープインパクト産駒が絶好調であるということも、この人気を後押しした面があるのかもしれない。

しかし、結果は4頭出走していたディープインパクト産駒のうち、ディープブリランテは②着、スピルバーグは③着、エネアドは⑥着、アーカイブは⑨着に敗れ、記録の継続はならなかった。

レースラップを見直すと、前半1000mは62秒6でかなりのスローペースディープブリランテが掛かり気味にハナに立ったのとは対照的に、ゴールドシップはスタート直後こそ鞍上の内田騎手が手綱を抑える場面もあったが、すぐに折り合ってスムーズに追走していた。クラシックに向けて今後は距離が延びることになるが、ここで折り合ったことは大きいか。

一方のディープブリランテは少し噛み合わないレースになってしまったが、これが実力ではないはず。叩いた次走は巻き返し必至だろう。

さて、そのゴールドシップはクラシック戦線でどうだろうか。血統を見ると、父は前述したようにステイゴールド、母父はメジロマックイーンで、オルフェーヴルドリームジャーニー兄弟でおなじみの配合を持っている。

2月12日時点で、父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの配合を持つ馬は、JRAには7頭登録されている。その7頭のうち、オルフェーヴル兄弟、重賞2勝馬フェイトフルウォー、そしてゴールドシップと、重賞勝ち馬が4頭も誕生したことになる。血統的なポテンシャルは十分だろう。

ゴールドシップにとって、今後はきさらぎ賞を制したワールドエースラジオNIKKEI杯2歳Sで敗れたアダムスピークなど、他のディープインパクト産駒との戦いも待つ。1頭倒しても次々にライバルが出てくる、さながらゲームのボスとの戦いのようだ(笑)。

90年代後半以降のクラシック戦線は、サンデーサイレンス産駒対それ以外の馬となった。それと同じように、これからのクラシック戦線がディープインパクト産駒対それ以外の馬、となるのだろうか。

ディープインパクトは今年10歳で、少なくともあと10年は産駒が出てくるだろう。今年のゴールドシップがどこまでやれるかで、今後10年のクラシック戦線を占える……かもしれない?

ちなみに、今年の2歳馬で父ステイゴールド、母父メジロマックイーンの馬は、オルフェーヴルの全弟となる母オリエンタルアートの牡馬サクラバクシンオーなどの近親となる母シャープキックの牝馬の2頭となる。POGプレイヤーはご参考にどうぞ(笑)。