マジンプロスパーとサンカルロ、それぞれが高松宮記念でジンクスに挑む?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也
今回の
阪急杯を制した
「マジン」プロスパーの名前から想像できるとおり、同馬のオーナーは元メジャーリーガーで、
“大魔神”の愛称で知られた
佐々木主浩氏。
佐々木氏にとっては、今年の
クイーンCを制した
ヴィルシーナに続き、これでポンポンと重賞2勝目を挙げたことになった。個人的には(馬券をハズしたので)、
勢いのある人、乗っている人とはこういうものかと、改めて思い知る結果となった。
今回のレースで、
マジンプロスパーはいつも通り好位を追走。直線に入ったところで早めに先頭に立ち、後続の追撃を寄せつけず、②着の
スプリングサンダーに
1馬身半差をつける快勝を飾った。
レース前の時点で
マジンプロスパーはこのコースで[1.0.0.0]、②着に入った
スプリングサンダーは[3.0.1.1](着外は休み明けで、今回は中3週だった)、③着の
サンカルロは[2.1.1.1]。結果的には、
このコースを得意とする3頭が上位を占める形になった。
スプリングサンダーは昨年の
阪神牝馬Sで③着、サンカルロは昨年のこのレースの勝ち馬で、このコースの重賞ですでに実績があった。
前半600mの通過が45秒8で、
②~④着を4角10番手以下の馬が占める展開となったが、それら実績馬の追撃を4角2番手から押し切った
マジンプロスパーのレースぶりは、かなり強いものだったといえるのではないだろうか。
調べてみると、佐々木氏所有でJRAに登録された8頭のうち、4頭が勝ち上がり、3頭(
アドマイヤマジン、
マジンプロスパー、
ヴィルシーナ)がOP馬、
キャプテンマジンが準OP馬となっている。一流は一流を知るといいますか(笑)、馬主としてもかなりの成績を残している。
阪急杯が芝1400mとなった06年以降、前走が
阪急杯の馬は
高松宮記念で毎年馬券に絡んでいるが、
阪急杯の
勝ち馬に限ると[0.1.2.3]と勝ち切れていない。
マジンプロスパー&佐々木氏の勢いで、そんなジンクスも打ち払うことができるだろうか。
ちなみに、佐々木氏が現役時代に一貫してつけた背番号は
「22」。以前あるテレビ番組で見たが、同氏は生まれた時間が
2月22日2時22分、
連続試合セーブ数が22、
娘さんの誕生が2時22分だったりと、
「22」という数字にとにかく縁があるということだった。
そして、今回の
マジンプロスパーの勝ちタイムは1分
「22秒」0。まさかきっちり時計を合わせたわけではないだろうが(笑)、佐々木氏にとって
「22」の縁に、またひとつエピソードが加わったようだ。
マジンプロスパーは次走で
高松宮記念を予定していると伝えられているが、そこで好走できるかどうかは、
「22」に関連することがレース前に見つけられるかにかかっている……かもしれない?
一方、1番人気に推されたが③着に敗れた
サンカルロは、昨年に続く連覇はならなかった。同馬が古馬になって以降、1番人気に推されたのはこれが2回目で、2連敗(1回目は昨年の
京王杯スプリングC⑨着)となってしまった。
前走の
阪神C(①着)の速攻レースインプレッションで、
『サンカルロは“21世紀版・オッズが読める馬”かも。次に阪神で走るときに注目』と書いたが、その時点でこのレースに出走してくるであろうことはある程度予想していた。
正直なところ、
阪神Cの時点では
「阪急杯はさすがに1番人気でも勝てるんじゃないかな」とは思っていたが……。今回は
2ヶ月半ぶりで、
過去最高馬体重の510kg(10kg増)もあったか。
ただ、
サンカルロにとって心強いのは、前述したように06年以降の
高松宮記念では、
前走が阪急杯の馬は[3.3.3.19]で、毎年馬券に絡んでいること。特に、
阪急杯で②、③着の馬は[3.0.1.2]と、かなりの安定感を誇っている。
悲願のG1初制覇を目指す
サンカルロは、今回の敗戦を受けて
高松宮記念で巻き返すことができるか。連勝を狙う
マジンプロスパーも克服すべきジンクスはあるが、2頭の再戦が楽しみになったのは、間違いないところだろう。