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グランデッツァは、過去の名馬に比肩する資格を得た
文/編集部(T)、写真/川井博


阪神開催となった昨年のスプリングSオルフェーヴルが制し、クラシック三冠への足がかりとしたが、今年も皐月賞のトライアルとしてふさわしいメンバーが揃った。

レースを制したグランデッツァは、道中は先行集団を見る位置から進め、4角で外から徐々に進出。直線で一旦はディープブリランテに突き放されたが、残り200mから一気に差を詰めて、最後はディープブリランテ1馬身4分の1突き放した。

レースのラップタイムを見ると、最後の3ハロンが12秒2-11秒8-12秒4。最後から2ハロン目と最後の1ハロンのタイムを比べると、坂を上がって伸びが鈍ったディープブリランテを交わしたグランデッツァの末脚が、いかに鋭かったかがわかる。

グランデッツァ上がり3ハロンのタイムは35秒5重馬場としては悪くないタイムといえるが、重要なのはこれが「メンバー1位」だったこと(実際は④着のサトノギャラントと同タイム)ではないだろうか。

というのも、阪神開催だった昨年を含め、90年以降のスプリングS勝ち馬を「メンバー1位の上がりを使ったか、そうでないか」というポイントで分けると、1位だった馬が11頭、2位以下だった馬が11頭で、ちょうど半数となる。

この22頭のその後の成績を見ると、メンバー1位だった馬は92年ミホノブルボン、94年ナリタブライアン、96年バブルガムフェロー、02年タニノギムレット、03年ネオユニヴァース、11年オルフェーヴルと、G1を勝った馬が6頭いるのに対し、2位以下だった馬は06年メイショウサムソン、09年アンライバルドの2頭のみとなっている。

実はこの傾向は、同じ中山で開催される皐月賞トライアルの弥生賞でも同じことが言え、90年メジロライアン、93年ウイニングチケット、96年ダンスインザダーク、98年スペシャルウィーク、01年アグネスタキオン、05年ディープインパクト、06年アドマイヤムーン、10年ヴィクトワールピサと、後にG1を勝った馬の多くが、弥生賞でメンバー中上がり1位を記録して勝っている。

レースの結果は展開利など、実力以外の部分で左右されることが多い。しかし、そういった理由ではなく、しっかりと実力を反映した内容で勝ちきるということが、G1の厳しい流れでも勝ちきるために重要、ということなのだろう。

そういう観点で考えると、今回のスプリングSは、トライアルとして“正しい”レースだった、といえるのかもしれない。

例外もあるので一概には言えないが、少なくとも今回、グランデッツァがメンバー1位の上がりを発揮して勝ちきったことは、前述の名馬に比肩するだけの資格を得た、ということになるのではないだろうか。

グランデッツァは昨年の桜花賞マルセリーナの半弟。鞍上のM.デムーロ騎手は、来月16日まで単騎免許があるため、03年ネオユニヴァース、04年ダイワメジャー以来となる皐月賞制覇を目指すこととなる可能性が高いだろう。

M.デムーロ騎手といえば、ともに悪天候でのクラシック制覇となったネオユニヴァース(皐月賞は小雨・良、ダービーは曇・重)が思い出される。今回もそうだったが、本番が悪天候になれば、グランデッツァが戴冠する可能性がさらに高まるのではないだろうか。

一方、無敗で朝日杯FSを制したアルフレードを2番人気に抑え、1番人気に推されたのはディープブリランテだった。

ディープブリランテはこのレースでも前走の共同通信杯と同様に掛かり気味に進め、岩田騎手の手綱はガッチリと抑えられたまま。直線入口で一気に先頭に立って後続を突き放したが、同じような位置で直線に入ったグランデッツァが盛り返してくると、抵抗しきれなかった。

ディープブリランテの近2戦は、本番より200m短いレースだった。距離が延びる本番に向けて、この気性がカギになるだろう。

③着のロジメジャーは、直線でしぶとく伸びて④着サトノギャラントの追撃を封じた。1勝馬、スプリングS③着での皐月賞参戦は、父のダイワメジャーとまったく同じ。皐月賞では伏兵の扱いとなりそうだが、侮れない存在となるかも?

来週は毎日杯が開催されるが、このレースで皐月賞トライアルはすべて終了。本番では、前日の若葉Sを制したワールドエーススプリングSの上位馬に加え、共同通信杯勝ち馬ゴールドシップが上位集団を形成する感じだろうか。

前哨戦を改めて振り返ると、このスプリングSがもっとも厳しいレース内容だったように思える。消耗は気がかりだが、厳しいレースで上位争いを演じたスプリングSの上位3頭が、そのまま皐月賞でも上位を独占……となっても、驚きはあまりないような気もする。いずれにしても、本番を楽しみにしたい。