57kgで制したから、宝塚記念での好戦も約束された?
文/編集部(M)、写真/稲葉訓也
『メインレースの考え方』で◎を
スマートロビンにしたものの、正直なところ、
「大丈夫かなあ」という思いを抱いていた。
スマートロビンは過去の
目黒記念の好走馬とタイプがよく似ていたし、有力馬に差しタイプが多い中、
前に行ける脚質も有利に働くのではないかと感じていた。ただ、原稿にも記した通り、重賞での連対歴がない上に
初めての斤量(57kg)を背負っていたことがどうにも気になっていた。
スマートロビン自身は500kgを軽く超える大型馬だから、斤量が1kg増えたところで、大したことないと想像することもできた。しかし、過去の
目黒記念において、
前走でOPクラスを勝ってきた馬がほとんど勝利できていなかったので、そのことと相まって
不安を感じていたのだ。
目黒記念で馬券圏内(③着以内)に入る馬は、ほとんどが近走で好走歴があり、
勢いがないと通用しづらいレースと言えるが、実は前走をOPクラスで勝ってきた馬にも、
低くはないハードルがあった。
連勝で
目黒記念を制した馬は、2010年の
コパノジングーや06年の
ポップロックなどがいるが、この2頭の前走は
準OPと
1000万だった。OPクラスからの連勝となると、96年の
ユウセンショウや93年の
マチカネタンホイザまで遡る。これらは
目黒記念が
2月に施行されていた頃の話だ。
春開催となってからは、前走でOPクラスを勝っていた馬は優勝できていなかったのだ。
今回は、前走でOPクラスを勝って臨んできた馬が2頭いた。
メトロポリタンSを勝ってきた
スマートロビンと、
京都記念を制していた
トレイルブレイザーで、2頭のハンデは、当然のごとく、
前走より重く設定されていた(
スマートロビンは56kg→57kg、
トレイルブレイザーは57kg→58kg)。
ハンデ戦だから当たり前の話なのだろうが、前走でOPクラスを勝ってきた馬は
さらに重い斤量を背負わされる。このハンデのさじ加減によって、過去の
目黒記念では
OPクラスでの連勝が阻止されてきたと思っていた。
近4年の
目黒記念勝ち馬はハンデが51~56kgだった。表現がちょっと悪いけれど、有力馬が足元をすくわれるケースが目立つのも
目黒記念の特徴で、だからこそ今回の
スマートロビンは、
57kgを背負って1馬身以上の差を付けて、
立派だったと思う。
56kgを超える斤量で
目黒記念を制したのは、07年の
ポップロック(58.5kg)以来となる。それ以前では、03年
トシザブイ(57kg)、01年
ホットシークレット(57kg)、00年
ステイゴールド(58kg)、99年
ローゼンカバリー(58kg)がいる。春開催になってからはこの5頭だけだ。
この5頭のうち、次走が同年の
宝塚記念だったのは
トシザブイ以外の4頭になるが、その
着順がどうなっていたか、記憶にあるだろうか?
99年
ローゼンカバリーは
④着、00年
ステイゴールドも
④着、01年
ホットシークレットは
③着、07年
ポップロックも
③着。
春の目黒記念を57kg以上で制すると、宝塚記念での好戦が約束されるようなのだ。
スマートロビンは準OP以上での3勝を京都芝外回りと東京芝で挙げているが、
直線距離の短いコースでも[2.1.0.1]と実績を残している(唯一の連外はスタートでアオッた
京成杯)。脚質的に阪神の内回りが合わないとも思えないから、次走が
宝塚記念になれば侮れない存在となってくるのではないだろうか。
スマートロビンはこれまでの15戦がすべて良馬場だが、
ダンスインザダークの近親で、
リファールの4×2というクロスも内包しているから、たとえ
道悪になってもクリアできそうだ。
雨が降っても、
スマートロビンは
恵みの雨に変える力を持っている。そんな気がしている。