サウンドリアーナはミスプロ系逆襲の流れに乗った!?
文/編集部(T)、写真/稲葉訓也
ノボリディアーナの出走取消により、今年の
ファンタジーSで最終的に出走したのは
14頭となった。
その14頭の血統を見ると、
父ミスプロ系が5頭、
父サンデー系が6頭と、この2系統が大半を占め、あとはフレンチデピュティ&クロフネ父子の産駒が1頭ずつ、ブライアンズタイム産駒が1頭となっていた。
そしてレース結果は、①着
サウンドリアーナが
父ケイムホーム、②着
ローブティサージュが
父ウォーエンブレム、③着
アメージングムーンが
父アドマイヤムーンで、
5頭いた父ミスプロ系の馬のうち、3頭が馬券圏内を独占する結果となった。
この結果に、
少なからず驚いた。それというのも、今年秋の京都で、11月4日までに芝は65レース開催されているが、
実に43勝が父サンデー系。それに対し、
父ミスプロ系は4勝しかしていなかったからだ。
運が悪いことに、これだけ偏った傾向があったことにレース前に気づいてしまった。簡単に言うと、
『さすがに父サンデー系が全馬馬券圏内を外すことはないだろう』と考え、個人的な馬券の買い目にはすべて父サンデー系を入れてしまったわけです(苦笑)。
ただ、この日の京都芝は7レース開催されたが、このうち6レースで
父サンデー系3勝、父ミスプロ系3勝と、互角の成績を残している。このレース直前までの時点でも、父サンデー系、父ミスプロ系は2勝ずつを挙げていた。
レース直前に馬券を買っていれば、あるいは気づけたのかもしれないが、朝の時点で馬券を買ってしまっていたのもミスだった。改めて、
可能な限り馬券はレース直前に買おうと心に決めました。もう何回反省したか分かりませんが(苦笑)。
それはともかく、これまでに5週開催された中で4勝しかできなかったミスプロ系が、
この日いきなり3勝したのは特筆すべき結果だといえる。連続開催も6週目に入り、
パワーも求められる馬場になってきたということも考えられる。
サウンドリアーナの勝利は、そんな
馬場傾向の変化に乗ったという面もあるかもしれない。
日曜は雨の中で開催されたことで、来週以降の
芝の状態がどうなるのかも気になるところだろう。来週の
マイルCSに向けても、
馬場と血統の傾向には要チェックといえそうです。
ここで改めて
サウンドリアーナの血統を見ると、父はケイムホームで、日本に輸入されてからは2年目の産駒にあたる。マル外として輸入された産駒を含め、
中央重賞を勝つのはこれが初となる。
母系に目を向けると、5代母には
メジロボサツの名前がある。同馬は自身も重賞を制しているが、繁殖入りして以降も
メジロドーベル(曾祖母が
メジロボサツ)をはじめ子孫が活躍し、
メジロ牧場の基幹牝系となった。
母父に
メジロマックイーンを持つ
オルフェーヴルもそうだが、活躍馬の血統表の中に
“メジロ”の文字を発見すると嬉しくなるのは自分だけではないはず(笑)。メジロ牧場は解散してしまったが、その血統はいろいろな馬の中で生き続けている、ということなのだろう。
父ミスプロ系×母父ダンシングブレーヴといえば、03年の
ファンタジーSを制した
スイープトウショウと同じ。
スイープトウショウの母系も日本古来の血統で、血統面で似ている点は少なくない印象も受ける。
サウンドリアーナ自身はこれまでの2勝が芝1400mで、マイルの
新潟2歳S(③着)と
デイリー杯2歳S(⑦着)ではやや折り合いを欠いたような場面もあって勝ち切れていない。
今後距離をこなすためには気性面の成長が必要になりそうだが、折り合ったときの強さは今回示した通り。このレースを制して飛躍を遂げた
スイープトウショウに続けるかは、その点にかかっているといえるのかもしれない。