独自視点で穴馬推奨!競馬予想支援情報【サラブレモバイル】

サラブレモバイル

メニュー

ログイン

一度敗北を喫したことで、一皮むけた面もあったのではないか
文/編集部(M)、写真/森鷹史


昨年の2歳芝G1は、朝日杯FS阪神JF5番人気以下の馬が制した(ロゴタイプ7番人気ローブティサージュ5番人気)。こんなことは、阪神での2歳芝G1が牝馬限定戦となった91年以降、初めてで、遅かれ早かれ、出走馬のレベルを疑問視する声があがりそうだと思っていた。

昨年の阪神JF&朝日杯FSに出走した馬で、その後に中央のレースに出たのは5頭。トップバッターは土曜日(5日)・ジュニアCディアセルヴィスで、その後にシンザン記念の4頭(アットウィルエーシントップザラストロネオウィズダム)が控えていた。

ただ、ディアセルヴィスが⑤着に敗れ、シンザン記念に出走を予定していた4頭の中で5番人気以内に推されていたのはエーシントップだけ。そんな状況になり、他人事ながらエーシントップはプレッシャーを感じているんじゃないかと思った。エーシントップの成績によって、昨年の朝日杯FSのレベルが推し量られる。そんなことも考えられたからだ。

結果的に、シンザン記念朝日杯FS組で、掲示板に載ったのはエーシントップだけ。それでも自らレースを作り、押し切ってみせたのだから、浜中騎手が話した通り、エーシントップはやはり「力がある」のだろう。

エーシントップは、朝日杯FSシンザン記念で、何が違ったのだろうか。

G1G3だから、もちろんメンバーが違ったのだろうし、ペースも1秒以上違っていた(前半1000mのラップが、朝日杯FSは33秒9-45秒4-57秒3、シンザン記念は34秒6-46秒6-58秒6)。

ハナを切れてマイペースに持ち込めたシンザン記念に対して、朝日杯FSは、序盤にハナに立ちそうな場面があったが、道中で外から並びかけてくる馬が複数いて、好位の内に収まって直線に向いた。同じ上位人気でも、レースでの厳しさが異なっていたと言える。

ただ、それでも、一度敗北を喫したことで、一皮むけた面もあったのだろうと想像したい。スピードを活かしてスムーズに立ち回る。それがエーシントップにとってベストの形であることを、再認識した面もあったのではないか。

デビューからの3連勝が1400mで、初のマイル戦だった朝日杯FSで⑧着に敗れたことで、レース前には距離を不安視する声もあった。だが、スムーズに立ち回れれば、1600mでも問題ないことを証明した。前走でマイル戦を一度経験したことも大きかったのかもしれない。

個人的には、ハナを切ってしまえば1600mを超える距離でも大丈夫だと見ている。確かに、Tale of the Catの産駒には短距離型が多いが、そこはストームキャットの系統だけに、決めつけるのは危険だと思う。

シンザン記念のひとつ前に行われた万葉Sでも、そんな思いにさせられるシーンがあった。逃げを打ったエーシンジーラインが最後の最後まで粘って、タイム差ナシの③着となったレースだ。

エーシンジーラインはジャイアンツコーズウェイの産駒だが、その父がストームキャットで、母はダンチヒ×ミスプロという配合だ。エーシントップも祖父がストームキャットで、母はアンブライドルズソング(ミスプロ系)×ダンチヒ。とにかくハナを切ってスムーズなら距離はあまり関係ないことをエーシンジーラインが証明していて、エーシントップにも可能性を感じさせられる。

エーシントップは、今後、再び控える競馬をするかもしれないし、朝日杯FSの時のように被されたりして厳しい形になった時、伸びきれない場面が出てくるかもしれない。それでも、ストレスのない競馬ができれば、いつでも一変は可能なタイプだろう。だからこそ、今後もいつまでも注視する必要があると思う。

注視すると書くと、ちょっと大変そうな印象があるかもしれないが、要は、いつでも好配当を運んでくる可能性があるからチェックを怠らないようにしましょう、ということだ。「好配当」と聞けば、その動向に注目するのも面倒ではないでしょう?(笑)

この後、昨年の朝日杯FSを走った馬たちは、続々と登場してくるだろう。現時点では、朝日杯FSでひと桁着順だった馬は1戦1勝(エーシントップ)。もちろん、これだけで「昨年の朝日杯FSはレベルが高かった」とは言えないだろうけど、少なくとも、「G1でのひと桁着順は伊達ではない」と認識して間違いはなさそうだ。

エーシントップ以外に、昨年の朝日杯FSで5番人気以内に推されながら敗れた馬は、コディーノゴットフリートフラムドグロワールラブリーデイの4頭がいる(すべて⑦着以内)。このうち、コディーノゴットフリートは、エーシントップと同じく、朝日杯FSで初めて土が付いた馬だ。

敗北を一度経験したことで、次にどんなレースを見せてくるか。エーシントップのように、前走を糧にして、敗戦を払拭するようなレースぶりを見せてくれれば、今年の3歳戦も面白くなってきそうだ。