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上位を独占した6歳勢が、ベテラン健在を見せつけた
文/編集部(T)、写真/川井博


昨年のシルクロードSは、1番人気に応えてロードカナロアが勝利。その後高松宮記念③着などを挟み、昨秋にスプリンターズS香港スプリントを連勝し、日本競馬に大きな歴史を刻んだ。

昨年のロードカナロアの単勝オッズは1.4倍だった。それを考えると、今年の1番人気馬アイラブリリのそれは5.2倍。昨年と違い、今年は確たる軸不在だったことがこのオッズからも読み取れる。

一方、59kgのトップハンデを課されていたのは重賞3勝馬ダッシャーゴーゴー(4番人気)。次いで58kgが重賞1勝&昨年のスプリンターズS③着のドリームバレンチノ(2番人気)と、重賞2勝馬マジンプロスパー(6番人気)の2頭だった。

実績を重視するならこのあたりから1番人気に選ばれる馬がいておかしくないはずだが、1番人気は53kgの4歳牝馬。軽量だけでなく、近2走で今回の舞台でもある京都芝1200mで連勝を飾っていたことが評価されたようだ。

結果はドリームバレンチノが①着、ダッシャーゴーゴーが②着、53kgの牝馬メイショウデイムを③着に挟み、マジンプロスパーが④着に入った。

今回の前半600mは35秒0。アイラブリリが2番手からレースを進めた前走(淀短距離S)のそれが、重馬場にもかかわらず34秒9だったことを考えると、今回はハナに立ったアイラブリリにとってもそこまで厳しい展開ではなかったと思われる。

しかし、アイラブリリは⑮着に大敗。勝ち馬との差が0秒8とそこまで大きくなかったことを考えると、スローの瞬発力勝負が合わなかったか。

一方で、好位にいた馬が上位を占める結果に。JRA発表の結果を見ると、上位3頭を占めたのはいずれも4コーナーで4番手にいた馬だった。後方にいた馬にとっては厳しい流れだったことは間違いないようだ。

これだけ書くと、「ドリームバレンチノは展開を利して勝っただけで、そこまで評価できないの?」と思われるかもしれないが、そんなことはない。むしろ、ハンデ58kgで上位人気に推されてきっちり勝ったことを評価するべきだろう。

過去17回のシルクロードSで、単勝2番人気以内で勝ったのは6頭。そのうち、その年の高松宮記念に出走したのは5頭(01年トロットスター、04年キーンランドスワン、05年プレシャスカフェ、11年ジョーカプチーノ、12年ロードカナロア)いるが、この5頭は同年の高松宮記念で[1.0.3.1]と好成績を残している。

ドリームバレンチノは前述したように、昨年のスプリンターズSロードカナロアカレンチャンに次ぐ③着に好走しており、その実力は証明済みではある。しかし、そのスプリンターズS以来の休み明けとなったレースで勝ち切ったことは高く評価できるはず。

王者ロードカナロア高松宮記念に出走するかは不透明と伝えられているが、いずれ来る再対決が楽しみになる結果となったのは間違いなさそうだ。

さらに少し下位の馬に目を向けると、⑥着のエーシンホワイティまでを6歳以上の馬が占め、ベテラン勢健在を見せつけた。

昨年9月以降に芝1200~1400mで開催された古馬混合OPは13レースあるが、今年の4歳世代が3勝、5歳世代が6勝、6歳世代が1勝、7歳世代が3勝を挙げている。

現6歳世代は今回ワンツーを決めたドリームバレンチノダッシャーゴーゴーなどが勝ち切れなかったことで、昨秋は苦戦を強いられていた(勝ったのはオーロCインプレスウィナーのみ)。しかし、その旗色はこのレースで変わってきたようだ

昨年までスプリント路線をリードしていたカレンチャンが引退したことで、ロードカナロア一強ムードとなっているが、今回の結果を見る限り、まだまだベテラン勢を見限るわけにはいかないようです。