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ヒラボクディープはウインバリアシオン、フェノーメノに続けるか!?
文/編集部(W)、写真/森鷹史


藤沢和厩舎の馬は青葉賞で[3.1.2.10]で、1~2番人気に限ると[3.0.2.0]。加えて、東京スポーツ杯2歳Sでは上がり33秒6の強烈な末脚を繰り出し、大外一気でコディーノの②着となったレッドレイヴン。おじにはグラスワンダーがいて、血統背景も魅力的に映る。

その他に重賞で好走実績(③着以内)のある馬がいないメンバー構成ともなれば、5ヵ月半ぶりでも初の2400mでも期待したくなるというもの。実際、自分も馬券の軸にしていた。ただ、馬券を買った時点での単勝オッズは2倍台だったのに、最終的には1.8倍ということで、さすがにちょっと被りすぎかなという思いも過ぎりつつ、レースを迎えることに。

11年はトーセンレーヴが③着、昨年はエタンダールが②着となっていたディープインパクト産駒。相性が良さそうなレースで3頭もいれば、少なくとも1頭は馬券に絡むだろうと睨んでレッドレイヴンの相手として拾っていたが、結果は①&③&④着。一方、肝心のレッドレイヴンは直線で外に持ち出されたが、伸びを欠いて⑪着に敗れた。

終わってみれば、スローペースで逃げたアポロソニックが②着に粘り込み、終始、内目で立ち回っていたディープインパクト産駒が上位を占めるという形。こういう展開だと、外枠から馬群の外、外を通る形になったレッドレイヴンは苦しい。

同じように、外枠から外を通らされたアドマイヤスピカ(⑦着)、ダービーフィズ(⑫着)などもしかり。今回は条件が向かった部分が大きい印象で、今回の結果が能力ではないだろうから、次走以降の巻き返しに期待するのは悪くなさそう。

一方、ディープインパクト産駒3頭については、道中の位置取りがそのまま結果に反映され、4番手につけていたヒラボクディープが①着、5~6番手で進んでいたラストインパクトが③着、10番手以下から馬群を捌いて差し込んだサトノノブレスが④着だった。

その3頭の中でも、ヒラボクディープアユサンキズナと同じディープインパクト×ストームキャットの配合馬で、血統的にはもっとも旬と言え、注目度も高かったが、大接戦を制してダービーへの切符を手に入れた。

そのストームキャットは、24日に死亡したというニュースが流れた。今年、ディープインパクト×ストームキャットの配合馬が活躍していることとその死の因果関係はないだろうが、不思議なもので、競馬の世界ではそういう連鎖反応がしばしば起きる。

レースの話に戻ると、ヒラボクディープは残り2Fを切っても持ったままで進出し、その時は「これで追ったらどれだけ弾けるのか」と期待したぶん、その後の伸び脚はやや物足りない印象もあったが、逃げ粘ったアポロソニックをゴール寸前で交わし、外から迫ったラストインパクトの追撃も凌ぎ切ってみせた。

この勝利は大きい。もちろん、それは賞金や実績という面でも言えるが、ダービーに向けてという意味で。というのは、ダービーへの優先出走権は上位2頭に与えられるとはいえ、青葉賞で勝利して向かうのと、②着以下で向かうのとでは成績が大きく異なるから。

過去19回の青葉賞出走馬のダービー成績を見ると、青葉賞①着だった馬は[0.6.1.11]②着以下だった馬は[0.0.1.36]。ここまで明暗がくっきりと分かれる結果だと、ダービーへの切符の裏には「ただし、ダービーで上位争いするには青葉賞で勝つことが条件となります」という注意書きがあるんじゃないかと疑いたくもなる。

その青葉賞①着馬。ダービーでは目下2年連続②着で、昨年のフェノーメノは①着ディープブリランテとハナ差で、ダービー制覇にもっとも近づいていた。「そろそろ青葉賞組からダービーを制する馬が現れてもおかしくない」と思わせたが、今年はどうか。

ダービーで③着以内に入った青葉賞①着馬7頭のうち、5頭は父サンデー系で、近2年の②着馬ウインバリアシオンフェノーメノサンデー系×ノーザンダンサー系の配合馬。一方、青葉賞②着以下から巻き返してダービーで好走した唯一の馬である96年③着メイショウジェニエ皐月賞③着馬だった。

出走馬には皐月賞好走馬はおろか、G1に出走経験のある馬もいないので、今年はメイショウジェニエ・タイプは不在と言える。一方、ヒラボクディープサンデー系×ノーザンダンサー系で、ウインバリアシオンフェノーメノと同配合となる。

今回は条件や展開に恵まれ、ウインバリアシオンフェノーメノの勝ちっぷりには見劣る印象もあるヒラボクディープだが、本番では無視できない1頭なのは確かだろう。

蛯名騎手はレース後のインタビューでヒラボクディープについて、「気持ちも体もまだまだ子供っぽい面があって、もう少し芯が入ってくると、もっと良いパフォーマンスができると思います」と話していたが、ダービー(5月26日)までは約1ヵ月。ヒラボクディープの成長力と、ダービーでどんな結果を残すのか、関心を持って見守りたいと思う。