エピファネイア&福永騎手にはぜひとも菊花賞へ!
文/編集部(W)、写真/森鷹史
ダービー馬キズナは
ニエル賞で
英ダービー馬ルーラーオブザワールドとの接戦を制し、勇躍して本番・
凱旋門賞に挑むことに。一方、
ダービー③着
アポロソニックは左前脚の腱炎と靱帯炎、同④着の
ペプチドアマゾンは左前脚の繋靱帯炎を発症して戦線を離脱。
ダービー⑤着で
皐月賞馬の
ロゴタイプは極悪馬場だった
札幌記念での疲れが抜けないとのことで、秋のローテーションは白紙という報道がなされた。
ダービーで掲示板に載った5頭のうち、
皐月賞&
ダービー②着の
エピファネイア以外の4頭は牡馬クラシック戦線とは別の路線に駒を進めたり、あるいは
ケガや
体調不良によって戦線離脱を余儀なくされているという状況である。
セントライト記念は
皐月賞&
ダービーに出走していなかった
ユールシンギング、
ダービーフィズ、
アドマイヤスピカが①~③着となり、
菊花賞への優先出走権を手に入れていたが、
「菊花賞はどうなっちゃうの!?」という思いは
菊花賞が近づくに従って増すばかり。
皐月賞馬も
ダービー馬も不在の
菊花賞と言えば、7番人気の
ビッグウィークが制した10年、8番人気の
デルタブルースが制した04年など、
波乱に終わるケースも少なくない。
春の実績上位馬が手薄となりそうな
菊花賞はチャンスありと見たのか、
神戸新聞杯も春の牡馬クラシックに出走していなかった馬が多くを占めるフルゲートとなったが、そんな状況でも、この
神戸新聞杯の焦点は何かと聞かれれば、
「エピファネイアが折り合えるかどうか」と即答しただろう。
単勝オッズは1.4倍。勝ち方の内容までも問われる断然1番人気だったが、
菊花賞に向けてはもちろん、その先を見据えてもクリアしなければならない
「折り合い」という課題に対し、
合格点を与えられるレース内容での完勝だった。
ウインアルザスと
ヒルノドンカルロの2頭が後続を離して進む縦長の展開で、1000m通過は59秒8だったが、中団につけていた
エピファネイアの位置では実質的にはスローだったはず。その中でも、
エピファネイア&
福永騎手は折り合い面で進境を見せ、リラックスして追走していた。
その後は3~4コーナーで馬群の外、外を通って好位まで押し上げ、直線で持ったまま早めに先頭に立ち、そこから仕掛けられると後続を突き放して2馬身半差勝ち。春の牡馬クラシックでは惜敗続きだった良血馬が、
横綱相撲で好発進を決めてみせた。
エピファネイア陣営は
リングハミに替え、
舌を縛るという対策を講じたようだが、結果としてはこれが奏功した格好だろう。
この後は最後の一冠を獲りに行くのか、それとも別路線に駒を進めるのか。陣営の決断は注目を集めそうだが、2400mから3000mに距離が延び、舞台が阪神から京都に替われば、今回と同じように折り合える保証はない。
それでも、トライアルで結果を出した
エピファネイア&
福永騎手には、まだ手にしたことのない牡馬クラシックのタイトル獲りを目指してほしい、というのが自分の本心である(
福永騎手は牡馬クラシックで
[0.5.3.33])。
神戸新聞杯が終了し、
「菊花賞はどうなっちゃうの!?」という段階から
「エピファネイアどうするの!?」という段階に進んだが、
エピファネイアが
菊花賞に向かわないとなると、
皐月賞と
ダービーの連対馬が不在の
菊花賞になる可能性が高い。
皐月賞と
ダービーの連対馬が不在の
菊花賞となると、1957年(①着
ラプソデー、②着
オンワードゼア)以来で56年前ぶり。あまりに古すぎて参考にはないだろうし、こうなると
「菊花賞はどうなっちゃうの!?」に逆戻り。そんな前例はないに等しい
菊花賞の馬券を当てられるのかどうか、強気にはなれない。
ちなみに、過去10年のうち、
神戸新聞杯を1番人気で制して
菊花賞に臨んだ馬は05年
ディープインパクト、11年
オルフェーヴル、12年
ゴールドシップの3頭で、いずれも
菊花賞でも1番人気に推されて勝利している。ひとまず、
エピファネイアに関しては分かりやすいデータを見つけることが可能だ。
お父さんの
シンボリクリスエスは
神戸新聞杯→
天皇賞・秋と連勝していたけれども、やっぱり
エピファネイアには菊花賞に参戦してほしい。馬券ベタの切なる願いが届きますように(笑)。