“良い流れ”を途切らせないような活躍を見せてほしい
文/編集部(W)、写真/稲葉訓也
枠順を考えると、最内枠に入った
アイラブリリがハナを主張し、
リュンヌが2番手に控える。2頭が競り合って
猛ペースという可能性は低そうだが、
アイラブリリが逃げたとしても、果たしてどんなペースで進むのか。
今年、
シルクロードS(⑮着)は前半3F
35秒0という
超スローペースで逃げたかと思えば、
北九州記念は前半3F
32秒2の
超ハイペースで逃げている。
アイラブリリは気まぐれ女子。
『ガリレオ』の
湯川先生風に言えば、「さっぱり分からない」というのがレース前の印象だった。
で、いざ蓋を開けてみると、
アイラブリリがスタートダッシュを利かせてすんなりハナを奪い、ここまでは予想通り。その後は絡んでいく馬もなく、マイペースで進んで前半3F
34秒1。
ハクサンムーンが逃げ切った昨年は
34秒3で、それよりも若干速いが、芝1200m重賞としては
スローペースの部類だ。
今年の
シルクロードSも前後半3Fが35秒0-33秒6の後傾ラップで、4角4番手以内の馬が①~④着を占める結果だったが、
京阪杯も4角3番手以内の馬が馬券圏内に残ることに。しかも、上位3頭は馬番5番以内の馬で、
後半3Fが33秒4では差し馬や外を回った馬にはどうにも厳しい、という結果である。
ただし、勝ったのは逃げた
アイラブリリではなく、2番手につけていた
アースソニックだった。
アースソニックは前記した今年の
シルクロードSが重賞初挑戦で、その時は上がり33秒3を計時しながら中団から差し届かず⑧着。前残りの展開を考えると0秒2差なら健闘を言え、二度目の重賞挑戦となった今回は同じ上がり33秒3を2番手から繰り出して
アイラブリリをゴール寸前で捕えてみせた。
出遅れたり、折り合いを欠いたりする面があった馬が、ここ2戦はスタートを決め、出して行っても多少行きたがる程度で我慢できる(前走は
浜中騎手、今回は
M.デムーロ騎手が騎乗していて、
騎手の手腕も大きいかもしれないが)。
また、今回は
過去最多体重(484kg)で、連勝という形で
自身初の連続連対を記録した点などからも、
アースソニックに対し、肉体的にも精神的にも成長が感じられる。その
心身の充実ぶりが重賞制覇という目に見える形で表れた、という結果ではないだろうか。
もちろん、今回の
アースソニックはスローペースを2番手で運べた展開利があったのも事実だろうが、そのポジションを取れることも強さのうちだと思う。
京阪杯が芝1200mに変更となった06年以降、勝ち馬はその後に勝利を挙げられないまま引退するケースも多かったが、近2年の勝ち馬である
ロードカナロア(11年)と
ハクサンムーン(12年)がそのイメージを刷新。いまや
京阪杯は
「短距離界の次世代スター候補発掘レース」となりつつある。
アースソニックにはぜひともその
“良い流れ”を途切らせないような活躍を見せてほしいし、
カレンチャンや
スリープレスナイトという一流スプリンターを送り出しているクロフネ産駒でもあるから、血統的にもそれが可能なはずだ。
一方、1番人気で④着に敗れた
プレイズエターナルは、近2年の勝ち馬である
ロードカナロアや
ハクサンムーンと同じ3歳馬だったことから、勝てば一躍、
「短距離界の次世代スター候補」にまで上り詰めていたことだろう。
ただ、過去7年で
[0.1.0.18]だった8枠(馬番15番)に入り、スローペースの内枠&前残り決着も重なった中、中団から差しての0秒3差④着で、内容は決して悲観するものではない。
ロードカナロアや
カレンチャンと同じ
安田厩舎所属。
プレイズエターナルは
アースソニックとともに、今後、短距離界で躍進する可能性を秘めた1頭として注目しておきたい。